思考を鍛える

バックレ退職する個人やゆとり世代を非難してもバックレは消えない。

新入社員のバックレ

入社2日目でバックレ退職したという新卒の人がニュースになっていた。

1日目で体育会系サークルのノリが合わないと感じていたらしい。インタビュアーは「罪悪感はなかったのだろうか」「これでよかったのだろうか」と疑問を露わにしていた。

 

私が前に働いていた会社では、新入社員のバックレこそなかったが、バイトのバックレは日常茶飯事だった。

家庭教師の派遣会社だったので、新人の登録教師には面接と研修の2回は事務所に出社してもらい、その後は派遣先の家庭に直行直帰となる。

ドタキャンで当日に「急病で辞めます」と開始前に連絡が来るのはまだ良心的な方だ。

初日の指導開始時刻に教師が現れないというクレームがわりと頻繁に来る。

「今日から先生に来てもらうはずだったのに、時間を過ぎてもいらっしゃらないんですけど。迷ってるのかしら?」

営業担当の出払っている夜の時間帯に、保護者から半ギレの電話がかかってくる。

この時点では、まだバックレかは分からない。お客さんが日付を勘違いしているだけのことがほとんどで、営業が教師に伝え忘れているのも時々ある。

状況が分からないのでまずは「こちらから教師に連絡して確認しますね」とお客さんをなだめ、教師に「今日からでしたよね…?」と探りの電話を入れる。

連絡が取れればたいてい、営業から連絡が来ていなかった、日付が間違って伝わっていた、または本当に迷子になっている最中などで、平謝りでなんとかなる。

しかし、まれにそのまま連絡が取れなくなってしまう人々がいる。

「身元保証人の人に連絡してみますか?」と上司に尋ねたことがあるが、

「どうせ戻ってこないから別にいいよ」と言われた。

それでクレームになって契約解消になるのは会社にとって損害だし、お客さんにも嫌な思いをさせてしまう。

内金が戻ってくるけれど、せっかく楽しみに待っていたのにブッチされた子ども気持ちや、試験前の貴重な1週間は二度と戻ってこない。(対応に追われて私の事務が残業になるのも悲しい。)

あり得ない、許せない、と思っていた。

しかし、某コールセンターのアルバイトに変わってから更におぞましき物を目にすることになる。

 

研修2日目、3日目でバックレる人、1週間で消える人がめちゃくちゃ多いのだ。

コールセンター歴の長い先輩に聞いてみると、どうやらコールセンターは最初の研修が楽なため、「研修専門」で辞めていく輩がいるらしい。

また、仕事が始まってからも

「方針に納得できない」「電話の仕事が向いていない」「パソコンが分からない」と辞めていく人や黙って急に来なくなる人が続出し、2ヶ月目まで残る人は半数以下である。

勉強の分からない高校生だって、もうちょっと我慢すると思うぐらいバックレが多すぎて、派遣会社と派遣先の社員のやり取りを聞いていてもバックレ退社が「ごく日常のこと」として扱われていることが分かる。

「何日から来ていないのですが、退職でいいですか?」みたいな事務的な確認に終始し、特にクレームのような雰囲気でもない。

これは確かに、罪悪感がどうのとか、良かったのかと言って怒っても、どうにもならないなと思った。

 

バックレはいけません!というのは普通の常識だが、バックレる彼らには彼らの言い分があり、常識がある。

もちろん、それにより派遣会社のブラックリストに載る等の社会的制裁を受けるし、バックレ癖が付いて根性が無くなるという本人にとってのデメリットもある。

それでも、彼らはバックレを選択するのである。

バックレは契約違反であり、約束を破ることは「許されない」ことだ。しかし、「許されない」のにバックレを断行する人々を止めるすべは無い。

吉村昭の『最後の仇討』では、「許されない」ことを承知で犯罪を犯す人物が描かれている。

実在の人物である臼井六郎は、幕末に暗殺された両親の仇討ちを明治13年に果たす。江戸時代なら当たり前だった仇討ちは、明治政府の討伐禁止令により禁じられていた。六郎は犯罪者となり、懲役刑を受ける。

ポイントは、六郎は懲役刑を受けることを承知の上で、親の仇討ちを行った点だ。

武士としての言い分があり、少し前までは世の中の常識だった武士の作法に則って行動している。たとえ、それが明治時代では罪に問われる事であろうとも。

現代だと、「死刑が凶悪犯罪の抑止力となるか」ということが議論になるが、「自分が死刑になってでも誰かを殺したい」という人を止める力は元から「死刑」にはない。

 

何も知らず、何も考えず衝動的にやった行為を除けば、バックレる新人も、臼井六郎も、麻原彰晃もみんな、自分にとってフェアな取引だと思えばこそ「許されないこと」をやってしまうのだろう。

バックレ退職をする新人にとっては、働き続けたり、急に「やめます」と連絡したりして上司に怒られるストレスを避けられるメリットは、社会的な信用や成長の機会を失うことに値することなのだ。

臼井六郎にとっては、仇討ちを遂げて武士の体面を保つことは、方の裁きを受けても十分にフェアなことなのだ。だから、仇討の後で逃げること無く自ら出頭している。

恥ずかしながら、私も過去にファミレスのバイトで店長に怒られるのがダルくてバックレてしまった経験があるが、「きょう一日、店長から怒られなくて済む」というメリットは、多少の罪悪感や以後その店の前を歩けなくなるという社会的制裁を鑑みても大きすぎた。

 

雇用者の側からバックレを防ぐには、新人やバイトのストレス耐性や職業倫理観をよく見極める必要がある。腹を割って話せるような信頼関係を作ることや、働きやすい環境を整えることも大事だ。「辞めたら人生が終わるぞ」とブラック企業ばりに洗脳するのも有力かもしれない。

しかし、どんなに頑張ってもその人にとって「フェア」な条件ならばバックレは成立するし、どんな法律もペナルティもバックレ新人を止めることはできない。

私は、バックレる個人やゆとり世代を非難するよりも、バックレのリスクを「あるもの」として受け入れたほうが健康的だと思う。

たとえばバックレを考慮して人数を多めに採用しておくことや、バックレられたときにすぐ募集を掛けられる用に準備しておくことはできる。

何よりも、気持ちの面で「バックレる人もいるんだなあ」とキャパを広げておくことは、精神衛生上よい。

「どうしてあんなに教えてあげたのに、3日でいなくなったんだ…!」

とムカムカしても、家まで押しかけても居留守を使われるのがオチである。バックレた新人は二度と戻ってこない。

給料を手渡しすると呼び出すぐらいだが、それでも来ない人は来ないし、平気で取りに来る図太い人間ならば怒ったぐらいで心を入れ替えないことは明白だ。

それよりは、

「ああ、やめたのね。はいはい…」

穏やかに事務的に対応するのが、実は被害が最小限に抑えられるのではないだろうか。

バックレへの対応で、上司の器が測られる。

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