思考を鍛える

本質的な質問のコツ、コンサルタントはどう質問しているか?

質問力を育てよう

質問力は、より深いレベルのコミュニケーションを可能にしてくれるスキルです。

仕事でもプライベートでも様々なシーンで質問力が活躍します。

たとえば、会社の後輩・部下や子供に何かを教えたいとき、単に言われただけではちゃんと理解できないことが多いもの。

そこで適切な質問をして、自分で気づきを得てもらうとしっかり身につきます。

質問力のテクニックは本にまとまっており、一流のコーチやコンサルタントがどのように質問をしているのか誰でも学ぶことは可能です。

ところが、テクニックを知ってもなかなか使えないという点が往々にして問題となります。

私はどちらかというとコンサルされる側の立場で長いのですが、コンサルで質問をされているうちに、質問力にはいくつかの本質的な要素が含まれていることに気づきました。

実際に質問のテクニックを使うためには、その本質的・基礎的な資質をそれぞれトレーニングする必要があるのではないかと思ったのです。

本質的な質問をするための3つの要素

本質的な質問には、3つの要素が必要です。

  1. 人への純粋な興味
  2. 思考の抽象度の高さ
  3. 専門分野の網羅的な知識

それぞれトレーニング方法と合わせて見ていきましょう。

質問力の要素1 人への純粋な興味

質問力

質問の深さは、その人が相手に対して持っている興味のレベルにより変化します。

質問の深さとは、たとえば「ご職業は?」と「あなたの人生にとって仕事とはどんなものですか?」を比べたら後者がより深い質問となります。

深い質問をするためには、相手の事を深く知っていなければいけませんし、さらに深く知りたいという興味・関心が無くてもできません。

それも、深い話を聞くための質問の仕方、ということでテクニック的にやってしまうと、本当は興味がないことは雰囲気で相手に伝わってしまいます。

相手の表面的な部分ではなく、どういう人間で、どういう人生を歩んできて、これからどこを目指しているのか、周りの人とどう関わっているのかといったような本質的な部分に純粋に興味を持てるかどうかなのです。

逆に、人間への純粋な興味さえ持っていれば、「これはどうしてですか?」と自然に質問は出てきます。

質問の例)

◯◯についてどう考えていますか?

それをする目的は何ですか?

「興味」を身につけるトレーニング方法は、普段の人との関わりの中で「なぜ?」を強力に意識することです。

たとえば、相手がある世間話を振ってきたら「どうしてこの人は今話しかけてきたんだろう? なぜ、この話題のチョイスなんだろう?」と内容そのものよりも目的や理由などに疑問を持ってみましょう。

その言葉やその行動は「なぜ」選ばれたのか、さらに「なぜ」そのような価値観を持つに至ったのか、「なぜ」を考え続けていくと人の内面の本質的なところにたどり着きます。

「なぜ?」の思考をクセづけしておくと自然な興味が持てるようになっていきます。

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質問力の要素2 思考の抽象度の高さ

質問力に必要なアナロジー

二つ目は、思考の「抽象度」の高さです。

私たちは何か新しいことを覚えようとするときに、頭の中にある既存の知識と結びつけています。

小学校で習う割り算を例に考えてみましょう。割り算という新しい知識がそのままボン!と入ってくるのではなかったと思います。

それまでに習った掛け算とか引き算とかを組み合わせて理解するのが普通ですね。(超天才の人は違うかもしれませんが。)

また、中学校・高校では英語の文法を覚えさせられますが、大学の第二外国語は最初に英語を覚えるときよりも要領が良くなっていたはずです。

「英語の文法はこうやって覚えるんだな」という一つの知識が既にあるため、新しい外国語の文法は「なんだ似たようなものか」となって少し楽になるわけです。

これが質問力とどう関係があるかというと、質問によって相手に何か気づいてもらうためには、新しい何かと相手の既存の知識とを結びつけてあげる必要があります。

質問をする人がどれとどれが繋がりやすいかを考えて「例え話」を選ばなければいけないのですね。

たとえば、後輩に仕事の段取りを教えるときに相手が料理好きだと知っていれば、「料理をするときにはどんな段取りをしてる?」という質問をするでしょう。

そうすると、献立を考える、道具と材料を揃える、作業スペースを整える、食事の時間から逆算して下ごしらえなど時間のかかる調理から始める、といった答えが出てきます。

じゃあ、仕事も同じだよねということで、全部を細かく伝えなくても本人の中で勝手に繋げてくれえるようになります。

このとき相手の頭の中では既存の知識とのアナロジー(類推)が起こっているのです。

質問力に優れた人は、アナロジーを起こすのが非常に上手です。

物事の枝葉の部分を取り払って抽象的に思考したり、逆に抽象的な概念を具体的な例え話に落とし込むのが上手いのです。

質問の例)

あなたにとって◯◯とは何ですか?

◯◯に置き換えて考えてみるとどうですか?

相手の気づきを促すための適切な質問をするためには、少なくとも相手よりも抽象化できるレベルが上回っていないといけません。

抽象思考を鍛えるには、「共通点探し」のトレーニングをすると良いです。

たとえば「コップ」と「スマホ」の共通点を探してみると、容量が限られている、割れやすい、などありますね。遠いものほど難しくなります。

暇があればずっとこれを行っていると、だんだん頭の中の知識が繋がりやすくなり抽象的な概念とも結びつけやすくなります。

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質問力の要素3 専門分野の網羅的な知識

質問をするにも知識が必要

最後に忘れてはいけないのが、専門分野の網羅的な知識です。

自分の知識に漏れや抜けがあると、相手の足りない部分もわかりませんからね。

ただし、色んな分野の様々な事を全部覚える必要はなく、「この分野なら誰にも負けない」という自分の専門領域を一つ作ることが重要です。

一つの分野を極めていれば、要素2の思考の抽象レベルを高めることで他の分野と繋げて話すことが可能になります。

たとえば将棋の羽生善治さんは最も将棋を極めている方のお一人ですが、人生を語ったり、スポーツとか他の分野の人と対談したりするとすごく深い話になって面白いんです。

それは、将棋という一つの分野に精通しているために、他の分野ともアナロジーを繋げやすいのではないかと思います。

ちなみに私の友人はアニメオタクなのですが、アニメを何千時間も見て研究したことが人生やビジネスの相談に乗るときに活かされていると言います。

その人がどんな人生のパターンを歩んでいて未来にどうなるのかは、アニメのキャラクターで似ている人物のストーリーで分かってしまうらしいのです。

網羅的な知識を身につけるためには、本当にマニアックになれる何かを1つでも見つけられればほぼ終了と言っても過言ではありません。

特に無い人は、仕事に関係する勉強からでも良いですし、趣味をもっと深めてみるでも、本屋で直感的に興味が湧く本を買ってみるから始めても良いでしょう。

好きなこと、時間を忘れて熱中できることなら何でも構いません。自分の専門分野として深めてみて下さい。

本質的な質問をする方法まとめ

質問力のテクニックを使いこなすのに必要なのは…

  • 純粋な興味から、相手を人間として深く知りたいと思う気持ち
  • 別々の事を相手の頭の中で繋げるための思考の抽象度の高さ
  • 専門分野における網羅的でマニアックな知識

これらのトレーニングを行うと、質問力が格段にアップすること間違いありません! ぜひチャレンジしてみてください。

ABOUT ME
高橋久美
会社を8年でやめてフリーライター4年目。たまたまブログから見つけた佐藤想一郎さんのご縁で最高の仲間たちと出会い、WEB媒体の他、最近はブックライティング、雑誌の編集など忙しくも充実した毎日を送っている。読んだ人の心が明るくなって、人生まで良くなってしまうような文章を目指して修行中。→ 詳しいプロフィールはこちらから
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