やっとの思いで就職の内定をゲットし、「これに署名捺印してね」と配られた労働契約書には『裁量労働制』の記載が…。なにこれ!?
などと慌てないように、裁量労働制について知っておきましょう。
今回は、裁量労働制について色々まとめ、スピリチュアルな視点から労働時間とお金について考えてみました。
そもそも裁量労働制とは?
ダラダラ長働くよりも成果を評価
一般的に労働の対価であるお給料は、時給800円、とか、週休2日8:00〜17:00勤務で基本給いくらに残業代はいくら、のように『働いた時間』で計算されますよね。
しかし、そうすると、仕事が早い人には「時間空いたなら、これもお願いっ」と人の文まで仕事が増え、仕事が遅くてダラダラ残業している人のほうが残業代というボーナスをもらえる、というおかしな事になってしまいます。
この残業代ボーナス制度については厚切りジェイソンさんが痛烈に指摘しています。
日本の一般企業では残業しないと大した給料もらえないというのは、仕事を効率悪くやる人にご褒美をあげている
どんどん効率も競争力もわるくなる。それだとグローバルでの競争が無理ダロウ
しかし実は日本でも、一部では残業代が発生しない『裁量労働制』が取られています。
裁量労働制では、労働時間を実際に働いた時間ではなく「一定の時間とみなす」制度のことです。
出退勤時間の制限は無く、早く帰ろうと残業しようと給料は同じです。
大学の教授を思い浮かべると分かりやすいかと思います。
大学の先生は一応講義とかゼミとかには現れますが、研究室には居たり不在だったり。
毎日ずっと同じ時間に出勤してるわけじゃなさそうですよね。
このように「だいたいこのぐらいの時間で、これだけの仕事をしてくれればいいから、時間の管理はお任せしますよ」っていうのが裁量労働制です。
職種や年収が限定されている
裁量労働制は全部の仕事に適用できるわけではありません。
研究者やSE、デザイナー、コピーライター、プログラマー、弁護士、会計士などの「専門業務型」か、企画、調査立案、分析などを行う「企画業務」に限定されています。
たとえば私のような文章を書くライターの仕事も、専門業務に該当する例です。
単純に腕のいいライターは1時間に8000文字書く人もいますが、駆け出しで1日かかってやっと3000字の記事を1本書く、という人もいます。
これを時給にすると、短い時間で質・量共にいい仕事をするほどお金がもらえないという不公平なことになりますよね。
このように「何時間書けたから」で評価ができないような仕事に限定して、裁量労働制が取られています。
そうではないコンビニの店番とか、工場のライン工とか、「その場で働く時間」で労働が評価されるのに適した仕事は対象外ということになります。
現代はホワイトカラーの人の割合が多いので、「時間をかけてダラダラ働くよりも、早く仕事をして成果を出す人が評価されるようにしましょう」というのが採用労働制の建前です。
ところが、実際はそうなっていないことも多いようです。
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裁量労働制の問題点
実質「定額働かせ放題・残業代0プラン」
河合薫さんは、この度の政府の裁量労働制拡大の動きを『定額働かせ放題プラン「残業ゼロ法案」』であるとして警鐘を鳴らします。
企業側は「3%の賃上げ」と引き換えに、今回の法案を是が非でも通せって言ってることからも、目的が「コスト削減」であることは明白なのです。
念のため断っておきますが、私は「裁量制」には賛成です。
でも、今の法案ではダメ。
・インタバール規制(11時間)の徹底と厳罰化
・みなし時間の根拠を明確にする義務と罰則規定
・実労働時間の把握の義務と罰則規定この3つがない限り、働かせ放題プランとなるに決まってる。
残業しない人を評価する目的だったはずが、残業代なしでどんどん仕事を増やして企業側が人件費削減をするために悪用されるんではないか、ということですね。
実際、裁量労働制で働き、過労死に労災認定された例もあります。
人員削減により契約時よりも大幅に仕事が増え、1ヶ月133時間もの残業をこなしていましたが、裁量労働制だったために企業は「本人の責任」との姿勢を崩しませんでした。
仕事が早い人ほど多くこなすことになる
悪用とまでは行かなくても、逆に生産性が上がらないという問題も実際の現場ではに起こっているようです。
基本は人件費は「定額」なので、仕事を時間換算して生産性アップという発想がない。
人事評価制度が形骸化しお友達内閣的になっているので、長く会社にいるほうが偉い(直行直帰は悪)という謎の社風になる。
無駄な会議や付き合い残業が多い。
(中略)
どこの会社でも似たようなものだとは思うけど、処理速度が早い人ほど多くの仕事をやらされる羽目になる。
裁量権などなく、上司の指揮で上から降ってくるのでやらざるを得ない。
なんなら仕事ができない人間の間に合いそうにない仕事まで間際で振られたりする。
でもそれは査定には無関係。
成果を評価するための制度があっても、残業することが善という風土は根強いようです。
このような状況では仕事ができる人が割を食うため、できる人ほど辞めていくのも無理はありません。
適性な評価は困難「人類には早すぎる」
今度はしっかり運用されていても「社会主義的」な働き方になって、能力のある人ほど仕事をしなくなる、という現象も起こるようです。
年初に決めた業務内容に沿って計画的に仕事を捌くだけの共産主義的な働き方になる
(中略)
前述した社会主義的な働き方を避ける枠組みとして,業績に応じてボーナスが通常より多めに上下するようになっている
なので理屈の上では業務を多めに捌いてボーナスを上げて貰う,という形をとれる
ただボーナスの評価は実質的に3段階なので評価されない業務(死票のようなもの)が出てきてしまう
(中略)
優秀で能力の高い人ほど上述した死票のような業務に嫌気がさしてくる
なので極力無駄な仕事はしないで副業に専念し始める
休み時間は株・為替・仮想通貨・不動産の話で持ちきり
業務に対する対価をきっちり数値化し、業務をたくさんこなすことで報酬を得られる仕組みがあればこそ、できる人のモチベーションアップにもなりますが、それは今の人類には困難なのかもしれません。
労働時間とお金とエネルギーについて
お金で測れる仕事、測れない仕事
ここまで見てきて、採用労働制には「企業側のモラルや風土の問題」と、そもそも「業務をたくさんこなした人ほど報酬を得られる評価の仕組み」をどうするか、という課題があることが分かりました。
前者の問題は労働組合に任せるとして、ここでは後者の「仕事の評価の仕方」について、考えてみましょう。
働いた時間に対する仕事量が人によって違うような仕事において、裁量労働制が取られます。
しかし、一定の時間の中でたくさん業務をこなしたからといって報酬は増えないので、早く仕事を終わらせても仕方ないので、できる人は仕事をしなくなる。
そのときに何をもって仕事を評価するべきでしょうか?
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シンプルなのは、お金で計算することです。
たとえば、営業のインセンティブとか、コピーライターだったら成約率がどうとか「個人の働きで生み出したお金」が計算できる仕事なら分かりやすいですね。
大学教授なら「研究成果」、弁護士なら自分が担当した案件の「成果報酬」、なんかで評価できそうです。
ところが、チームで働いている場合や、直接お金に換算できない仕事だと、何を基準にするかは難しくなります。
何人かで作業するSEや編集者なんかは、直接売上から計算できないので、誰がどのぐらいの成果を出しているか評価しづらいでしょう。
チームの中でも、「簡単な作業だけど、時間だけはすごいかけて頑張りました」っていう人と「時間はそんなにかけてないけど高度な仕事をしました」って言う人との間で、お互いに不満が出やすくなりそうです。
目に見えるお金の動きが発生しない仕事の場合は、「エネルギーの循環量」で考える必要があります。
収入=エネルギー循環量
その人の収入は、エネルギー循環を起こす量にほぼ比例しています。
エネルギーって何かというと、「価値」とか「お金に交換できるもの」です。
エネルギーの循環量
=影響力(意識)の広さ×人数×お役立ち度
で計算できます。
たとえば、ハンバーガー屋でアルバイトの店員さんが超スマイルで良いサービスを提供したとしましょう。
そのレジの周辺にいた3人ぐらいがちょっと幸せになって、単品でいいと思ってたのにセットを頼んじゃったら、何百円とか売上を増やすかもしれません。
一方で、そのハンバーガー屋の経営者は、全国の店舗の働いてる人やお客さんみんなに影響を与えますので、すごい人数です。
その人数に対して、商品やサービスを変えるような働きかけをしただけで、何十億円とかの増収になります。
レジ周辺とは比べ物にならないぐらいのエネルギー循環が起こることになります。
これは極端な例ですが、「動かしているエネルギーの量」によって時給800円になるか役員報酬で年間何億円ももらえるのかが変わってくるんですね。
つまり、
- あんまり労働していないのにお金が入ってくる人は、時間辺りのエネルギー循環量が多い
- 長時間労働しているのに薄給な人は時間辺りのエネルギー循環量が少ない
ということです。
この「エネルギー」という概念が見えていないと、自分が働いた分よりももらうお金が少ないような気がしてしまいます。
会社員に起こる勘違い
学校を出たら、だいたい皆とりあえず会社員になったり、アルバイトをしたりしますが、これはお金稼ぎの面からいうと、ある意味で正解です。
なぜなら、既に「会社」というエネルギー循環が起きている場所に身を置いたほうがエネルギー循環を起こしやすいからです。
自転車に乗るとき、最初の一歩を漕ぎ出すのが一番大変で、走り始めればあとはスイスイですよね。
お金も同じで、ゼロからハンバーガー屋を始めようと思ったら、資金を準備して店舗借りて、人を雇って…とものすごく大変なわけです。
世の中にどんな価値を提供したらお金を払ってもらえるかを考えないといけないですし、責任も発生します。
その分、エネルギーをたくさん動かしているということでもあります。
既に営業しているハンバーガー屋に就職するのは、とても簡単で履歴書を1枚書いて写真を貼るぐらいでできちゃいます。
既にエネルギーが動いている所に乗っかっているから非常に楽になります。
価値を生み出す仕組みの中で、1つのパートを担ってはいますが、自分自身が動かしているエネルギーはほんのわずかなんですね。
ここで、勘違いが起こります。
すでにエネルギー循環の起こっている「会社」という場があるから、ハンバーガーの売上を出せているだけなのに、まるで自分で価値を生み出したように錯覚してしまうんですね。
こんなに働いて、きょう何十万円も売上を出してるのに自分にはたったこれしかお金が入らない、労働者は搾取されている!と。
自分が起こしているエネルギー量に比べたら、実はもらいすぎなぐらいかもしれないのは、「1人でやったらどうか?」を考えてみると分かります。
労働にも起業家マインドを
もしも、たった1人で知らない町に放り出されて「雇われずに1万円を作ってください」と言われたらどうしますか?
盗んだり、借りたりはダメで、知らない人に何かを提供して、その対価としてお金を払ってもらわないといけません。
芸をもってる人なら、道端に空き缶を置いてパフォーマンスすれば誰かがチャリーンとお金を入れてくれるかもしれません。
そういう芸がない人は周りを見渡して、自分でビジネスチャンスを見つけなければいけませんね。
道行く人や、店や家にいる人たちに、どんなことをしてあげたら喜ばれるでしょうか? 皆が困っていることは何でしょうか?
それを人から指示されて動くのではなく、自分絵考えてむしろ人やリソースを使って、新しく価値を生み出す力が、エネルギー循環を起こす力なのです。
どれだけ世の中の人のことを考えているか、何人の人に、どれだけ深く役に立てるのか、その能力がそのまま収入に直結します。
そして、エネルギー循環を起こすのにコミットするのが「起業家のマインドセット」です。
これは、実際に起業せずに会社員をする場合でも持っていたほうがよい考え方だと思います。
なぜなら、どうすれば会社員として自分が起こすエネルギー循環量を最大化できるかを考えて動くので、会社から求められる存在になるからです。
本当の意味で会社に価値を提供していれば、たとえば自分のキャパシティを超える仕事を押し付けられそうになったときに、「それはやりません」と拒否権を発動できます。
それで「上司命令だぞ、やらないとクビだぞ」と言われても、「じゃあやめます」と言えるので、怖くないんですね。
もしも、会社に提供している価値の量に対して報酬が少なすぎるのであれば、じゃあ他に転職しようとか、起業して1人でやった方がマシだわ、ってことになります。
会社の側でも本当に払った対価以上の価値をあなたに感じていれば「ちょっと待って…」となるかもしれません。
従業員が個別に生み出したエネルギーの循環量を客観的に計測するとは不可能なので、それを評価システムにすることはできませんが、理不尽な扱いを受けた時に「じゃあやめます」って自信を持って言えるかどうか、が目安にはなるんじゃでないでしょうか。
まとめ
- 裁量労働制は、時間で成果を測れない専門的な仕事などにたいして、「一定のみなし時間」で給料を出すというシステムです。
- 理想は、残業代で稼ぐ人よりも、仕事が早く終る人を評価することですが、企業側のモラルや風土によっては残業代を出さずにいくらでも働かせられる「定額働かせ放題」になる、という指摘もあります。
- また、うまく運用できたら今度は同じ時間でいくら働いても報酬が同じなら楽しようぜっていう社会主義的なモチベーションダウンに繋がる可能性もあります。
- そもそも仕事でお金が発生するのは世の中に「価値」を提供してエネルギーの循環を生み出しているからであり、自分が起こしたエネルギー循環の量によって報酬が決まります。
- 会社員でも起業家マインドで、エネルギー循環を増やす意識を持ちましょう。
- エネルギー量を客観的に測定することはできませんが、自分から「じゃあやめます」と言えるかどうかが価値を提供できているかどうかのひとつの基準にはなります。
まずは今の仕事を通してお客さんや職場の人がどうしたら良くなるのかをを追求して、本当の意味で価値提供をできるようになりましょう。
そうすれば、制度がどうあろうと、どこに行こうと、生きていける自信になります。
ライター高橋の開運★引き寄せ研究部
定量労働制という言葉は最近になって知ったのですが、そういえば昔働いていた会社は残業代が「みなし残業」になっていて、タイムカードもありませんでした。
しかし出勤簿の紙に残業時間を書けばその分残業代はもらえたり、残ったり早出したりした時間はどっかれ早退して調整してOKって感じで、かなり裁量に任されていたような気がします。
そのときは手取り18万ぐらいで「給料安いよなあ」と思っていましたが、フリーランスになってみて社長の大変さをちょっとだけ知りました。
仕事を作るってことがまず難関になりますし、千円でもお金をもらうには色々やらないといけません。
人を雇うとなったら、エネルギーは大きくなりますが、使い所をしっかり見定める能力が要求されます。
間違ったら皆を道連れにしてしまうって、相当なプレッシャーだろうなあと思います。
会社員時代にもうちょっとその辺を考えれたら良かったのですが、私はアホだったので自分がもらうお金の計算しかしていませんでした。
今もだいぶアホなんですけど、もっと成長して広く世の人のお役に立っていきたいなと思います。
この記事も、すこしでも何か気づくきっかけにしていただければ幸いでした。
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