羽生結弦選手がフィギュアスケート男子で66年ぶりのオリンピック連覇を果たし、国民栄誉賞が授与されることになりました。
素晴らしい演技と金メダルという結果もさることながら、震災や怪我など度重なる困難を乗り越える強い意志は、本当に多くの人を勇気づけたことと思います。
羽生選手といえば、4回転や、3回転半の高難度のジャンプを得意としていますが、実はジャンプが飛べるようになったのは他の選手と較べて遅かったそうです。
苦手なジャンプを克服するための研究に使われたのが『発明ノート』でした。
羽生選手の『発明ノート』とはどんなノートなのか、そして私が真似してやってみたレポートをシェアしたいと思います。
目次
羽生結弦選手の”発明ノート”とは?
画像引用元:羽生結弦ファンブログ~氷の城~
羽生結弦選手は、『発明ノート』という練習日誌のようなものを書いているそうです。
毎日のように、練習で気になったことや思いついたことを殴り書きする。スピード、タイミング、感覚……。
自分が試してみて良かったことと悪かったこと、疑問点などが記されている。
(中略)
「発明ノート」は就寝前、布団に入ってイメージトレーニングをしている最中にひらめき、起き上がって書くこともある。「眠い、と思いながら机に向かって、ガーッと書いて、パタッと寝る。見せられるほど奇麗な字では書いてないです」と羽生。
翌日リンクに立った時、ひらめきを試し、その成果をまた書き込む。
羽生は同世代の選手よりも、3回転ジャンプを跳べるようになるのが遅かった。
本人も「本当にジャンプは苦手でした」。大会で負けては号泣した。
悔しくて、上手な人のジャンプを研究した。助走の軌道は? 跳び上がるベクトルは?
ばらばらにしたパーツを組み合わせては試した。
中学や高校の成績はオール5。中でも、数学や力学は好きな分野だ。
「ジャンプを科学しているわけではないですが、理論的に感覚と常識的なことを合わせて、スピードの関係、タイミングをノートに書いた」
うーん、何やら理科の『実験ノート』に似ていますね。
いろんな要素を組み合わせてどういう結果が出るのか、仮説を立てて実験し、検証する…実験のプロセスをスケートでやっているかのようです。
もちろん、理論だけじゃなくて、それを正確に実行できる身体能力や、何度失敗しても検証を続けられる精神力もあってのことだと思いますが。
スポーツだけじゃない! 『発明ノート』の効果
このようにノートに記録して振り返ることには、スポーツだけでなく仕事にも応用できる心理学的な効果があるそうです。
日々の練習を振り返り、その日の取り組みや課題を整理し、翌日のトレーニングへ向けた新たな目標を設定することは、多くのトップアスリートが行っているルーティンです。
またビジネス界でも、同様のルーティンを行っている方々は多いことでしょう。
この「日々を振り返り記録するプロセス」には、次の3つの効果があります。
1. 「記憶の定着と忘却の防止」
頭の中に詰め込まれた事柄を取り出しノートに書き出すことで、重要な事柄を記憶に定着させるとともに、時間とともに忘れてしまうことを防いでくれます。2. 「現状分析と目標の再設定」
書き出された事柄をノートの上から眺めて全体を俯瞰(ふかん)し、問題点や成否の理由を客観的に分析したうえで、新たな目標設定を可能にしてくれます。3.「囚(とら)われからの解放」
頭の中で考え続けることをノートに取り出すことで、気になることへの執着や心が囚われた状態から自分自身を解放してくれます。つまり練習日誌、いわゆる振り返りノートは、日々PDCAサイクルを効率的に繰り返し、次のトレーニングや仕事への周到な準備につながります。
そして、「囚われた状態」から自らの“こころ”を解き放ち、こころを元気にしてくれるのです。
ある人は、ものすごく努力しているのになぜか成長しない現象を、ガラスのに何回もぶつかり続ける虫にたとえます。
そこにガラス窓があって進めないのに、何回も飛んできてバン、バン、とぶつかる虫は、自分のやり方がまずいことに気づいていませんし、さっきぶつかってダメだったことも忘れています。
視野が狭く、光のある方=目標に到達するには、ここにぶつかるしかない、と思っているわけですね。
ちょっと迂回すれば別の道があるかもしれないし、タイミングを見て窓が開いたときに飛んでいけばいいかもしれない。
ノートで振り返りを行うことで、視座が高まり、時間的にも空間的にも物事を幅広くとらえ、自分自身も客観的に見直して改善していけるのです。
というわけで、私も真似して『発明ノート』らしきものを書いてみたので、やり方や感じたメリットをシェアしたいと思います。
私の発明ノートの書き方をシェアします
書き方ルールをガッチリ决めないのがルール
使っているのはごく普通のノートです。
いろんな種類を試してみたのですが、私の場合は罫線無しだと字が大きくなりすぎるのと、細かい方眼だと1文字あたり何マスだときれいに書けるか…とか余計なことが気になってしまいます。
結果、普通の罫線ノートに落ち着きました。
また、書き方もガッチリ決めちゃうと嫌になるタイプなので、書式や書く項目は决めずに、「ルールを决めない」ことをルールにしています。
また、最初は「セミナーの種類ごと」とか「ブログ用」「気づいたこと用」などと用途ごとに何冊も使っていたのですが、何をどこに書いたかあっちこっち探さないといけないので、「日にちの順に、1冊になんでも書く」というスタイルとなりました。
どんなことを書いているのか、順番にご紹介したいと思います。
インプットして気づいたことをメモする
まず、インプットしたことや、それによって得られた気づきなど、ジャンルを問わずこのノートに書き込んでいます。
時系列で書くと、「だいたいあの頃に使ってたあのノートに書いてたなあ」と脳内検索できるメリットがあります。
たとえば、セミナーで勉強したときのノートはこんな感じ。
↓
インプットしたことと、その後試してみたことや気づいたことが1冊の同じノートにぐちゃぐちゃ書いてあるので、頭の中では繋がりやすくなります。
あとは、コーチからアドバイスをもらったときのメモも書いてます。
↓
本を読んだときは、気づいたことや使えそうなアイディアをメモ。
↓
画像は、スピリチュアルのエネルギーの話と経済の話が私の中でつながって、何かどこかでネタにできないかなと、メモしておいたもの。
こういうのがいっぱいストックされていて、ブログとか人と話すときのネタに役立ってます。
それって普通の勉強ノートじゃないか! と思われるかもしれないんですが(笑)
インプットからアウトプットの思考のプロセス自体が目に見えるので、振り返ると新しい気付きやアイディアが出てくることは多いんですよね。
記録と振り返り
メインはこちら。色々試したことを記録して、見つかった課題、解決のアイディアを記録して振り返ってます。
文章を書く作業がルーティンとして一番多いのですが、適当に書いているように見えて、どういう要素を組み込もうとか、学んだ構造やテクニックを使ってみようとか、実はけっこう考えてるんです。
こういう効果を狙ったら、読者さんからはこういう反応がかえってくるであろう、と『仮説』を立てるんですね。
そして、実際にブログの文章を書きます。これが『実験』。
しかし9割以上は、実行能力が伴っていなかったり、思ったような反応が帰ってこなかったりします。
その結果を『検証』して、じゃあこういう練習をやってみよう、こんな準備が必要なんじゃないかと、ひらめきが出てきます。
出てきたアイディアをまた行動に移して記録します。
それをずーっとやってると、たまにめっちゃヒットする『発明』が出て来るんですね。
図解してみる
紙のノートの良いところは、絵とか図が自由に書けることです。
パソコンでもできないことはないんですけど、パッと適当に描くにはノートが一番です。
なんとなく頭にイメージはあるけど言葉にできないときに、変な絵になります。
↓
発想をメモする
アイディア出しのメモにも同じノートを使います。
こちらは、ライティングの醍醐味を人に話す前に予めメモしたもの。
↓
自分の理解度を測るのに、「そのテーマについて、何も見ないでどのぐらい語れるか」というのがけっこういい目安になります。
人前で話したり、人に教えたりするときに、何も見ないでノートに書いてみると、自分の理解の不十分なところとか、足りない情報が見つかります。
復習する
何もなくてもたまにパラパラめくってみると、色々と思い出します。
「あ、あれせっかく教わったのに全然使ってなかったなあ」と、内容を思い出して改めて使えるようになります。
「あのときのセミナーでは、あんなにモチベーション高かったなあ、がんばろ!」みたいに、書いてたときの調子のいい感覚を取り戻すのにも使えます。
『発明ノート』の効果
ノートに記録するようになってから、自分の成長のスピードが大幅にアップしたのが感じられました。
以前は闇雲に手当たりしだいやってみて、ごくまれにまぐれで当っても、それを自分で再現できない…という残念なことになっていました。
それが、ノートを始めてからは、上手くいったことも失敗したことも、「これが上手くいった要因は、これと、これと、これが考えられるなあ」とちゃんと検証するようになりました。
たとえば、ブログだったら「みんなが共感できる話題」で「実はモヤモヤ思ってたことが言語化されている」、かつ「役に立つ」とか。
その要素を使って、別の記事で再現できるか試してみます。
それでまた上手く行けばゴールデンルールとして活用できますし、同じようにやったのに今ひとつの場合は、他の要因や組み合わせはどうか…と更に検証が続きます。
失敗するのが楽しくなった、という効果もありました。
まあ、成功したほうが嬉しいんですけど、失敗は検証の1つの材料になる、と思えるようになってから、だいぶ心の持ちようが変わりました。
具体的に問題を解決していくためにも、失敗でいちいちヘコまずにチャレンジしていくためにも、『発明ノート』はすごくいい方法だと思います。
まとめ
羽生結弦選手がやっている発明ノートには、ジャンプのスピードやタイミング、感覚などについて、練習で良かったこと・悪かったこと・気になったこと、考えてた組み合わせや、ひらめきなどが書かれています。
『発明ノート』には、
- 忘れなくなる
- 自分を客観的に分析して目標を再設定できる
- 頭のなかにあることを書くと気にならなくなる
など、スポーツだけでなくビジネスの成功にもうれしい効果があります。
私もやってみたら、すごく成長できて、失敗の捉え方が変わり、ポジティブになれました。
あなたもぜひ、『発明ノート』で振り返ってみてください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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