関係を築く

昇進して初めて部下ができたら絶対に覚えたい上司の心得9つ

上司の心得

日本の多くの年功序列の企業では、大卒で入社した人が2~3年も経つと係長・主任クラスに昇進することになる。

これまでは平社員どうしの横の関係だった同僚や後輩たちが部下に変わり、名刺に肩書が追加され、給料も少し増え、晴れて「上司」となる。

これから上司として部下をきちんと監督していけるだろうか、という不安と、これからは自分流にやってやるぞ、という自負が入り乱れ、ソワソワ落ち着かない日が続くかもしれない。

または、外資系ばりの実力主義で仕事の成果が認められて若くして大抜擢されたり、ヘッドハンティングされたりして、突然部下を持ってしまい戸惑う方もあるかもしれない。

私も会社員時代に年齢も社歴も上の先輩が部下に変わり、気負いすぎて大失敗してしまった経験がある。上司になるときに知っておくべきだったと思うのは、仕事術よりもマインドの部分だ。上司という仕事の役割を勘違いしていたために、適切な動きが出来なかったと思う。

ここでは、私の失敗経験と優れたリーダーから学んだことをまとめた。お読みいただくと、昇進して部下の扱いに戸惑っている人やこれから昇進したいと考えている人にとって、上司像の勘違いを正し、良い上司とチーム作りを目指すヒントになることだろう。

昇進して部下ができたら絶対に覚えたい「上司の心得」と、すぐにできるアクションの例は、以下の通り。

1 偉くなったと勘違いして浮かれない

上司が偉いは勘違い

昇進して上司になったからといって、人物として優れているとか、あるいは仕事のスキルが抜きんでていると人事に評価されたかどうかは分からない。たまたま、ちょうどそのポジションが空いて社歴の順に適当に充てられただけかもしれないし、役職を付けた方が対外的に箔がつくから、程度のものかもしれない。

「なぜ自分なんかが」と卑屈になることはないが、「自分はすごいんだ」と勘違いして浮かれてはいけない。そもそも、肩書にはあまり意味がないのである。

特に今の時代は、権威の力が弱まりつつあり、どこの企業のどんな役職でという肩書を見せても「それで、あなたは何ができるの?」と人間の中身を見られるようになっている。おそらく、あなたも学校の先生だからといって先生たち全員を尊敬していたのではなく、あの先生はこういう人物だから好きだとか、あの先生はずるいから嫌いだ、と言うように「先生」という役職・権威よりも人間性によって尊敬するかどうかを判断していたのではないだろうか。

だから、係長や主任になったからといって後輩や部下から一目置かれるとは限らない。昇進して急に態度が偉そうにでもなったら、「調子に乗っている」と陰で笑われるのが関の山だ。役職を取り払って一人の人間として見られたときにも「この人になら付いていきたい」と思われるようなリーダーを目指さなければいけない。

そのためには、技術やスキルももちろん、人間としての魅力 を磨いていく必要があるだろう。昇進できたのは自分の力というよりも、むしろ今まで教えてくれた上司や支えてくれた周りの同僚や後輩、応援してくれたお客さんに感謝して「おかげさま」の気持ちを持とう。浮かれず、調子にのらず、襟を正してこれからの仕事に励もう。

≪すぐにできるアクション≫

昇進したことが分かると、あなたがよほどの嫌われ物でない限り、皆から「おめでとう」と言われることになる。そのときに、「おかげさまで、なんとかやっています」等と答えると思うが、その「おかげさま」にしっかり気持ちを乗せよう。

人は、一人で生きていくことはできない。皆に支えられて、助けてもらって、「おかげさま」でなんとか生きています、と心からの感謝の気持ちを言葉に含めて伝えよう。

また、普段のあいさつ「おはようございます」も、「今日もお早いですね、お互いに1日無事で頑張りましょう」という意味がある。何気なく惰性で言うのではなく、「おかげさま」の感謝の気持ちを込めて「おはようございます」を言おう。

全然使えない部下でも、あなた元に出社してきてくれるだけで有り難い。その気持ちを忘れて、調子に乗らないために、あいさつに感謝の気持ちを込めよう。意識の乗った言葉は、相手にも響き、明るく温かな雰囲気をつくってくれる。

2 部下の誤りを見たら自分を正す

部下は上司の鏡

部下が仕事中にスマホのゲームをいじっている、報告・連絡・相談がまるでできていない、敬語がめちゃくちゃでお客さんにすごく失礼なことを言っていた…等々、部下の間違いを注意したり、教えたりする場面は出てくる。

このときに、「自分は正しい」という正義感を持っていると、その時は神妙に聞いている部下も内心では(自分だってできていないくせに…)と不満に思って反発したり、他の人のアラ探しを始めたりしてしまう。

上司になると、自分が完璧でないことでも部下に注意しなければならないこともあるし、できているつもりになっているだけのこともある。「もしかしたら自分にもそういう至らない部分がないだろうか」と自信を顧みるマインドを強烈に持つ必要がある。人は他人の間違いには厳しく、自分には甘くなりやすい。自分の事は自分ではなかなか見えないからだ。

そこで、部下はあなたを映す鏡だと思って、気になる部分や許せない部分は自分の似たようなところを正すようにしよう。たとえば、

  • 部下がイライラしていたら、自分もイライラしている可能性が高い
  • 部下がネガティブな発言をしたら、自分もネガティブな言葉を発している可能性が高い
  • 部下がミスを隠そうとしていたら、自分にもそういう隠ぺい癖がある可能性が高い

など、全てがそうとは限らないが、ヒントになることは多い。 逆に、良いところを見つけられるときは、自分にもそういう性質があるかもしれない。

  • 部下がさりげない気配りをしているのを見つけたら、自分にも気配りのセンスがある可能性が高い等。

部下の間違いやミスを正そうと躍起になっていると、チーム全体でお互いにダメ出しをし合ったり、責任を押し付け合ったりするようなムードになってしまう。

上司自らが、「自分にも出来ていないことがあるかもしれないけれど、お互いに良くしていこう、できないときはフォローし合おう」という「お互いさま」の精神を持ち、部下の良い部分を見るようにしよう。皆がお互いに認め合い高め合える風土を作ることができる。

≪すぐにできるアクション≫

  1. 部下の間違いやミス、ダメな部分を見つけたら、自分に同じような部分を見つけてノートに書き出し、一つひとつ行動の中で直していこう。
  2. 部下の良いところや、感謝したいところを1日に3個以上見つけて別のノートに書きためていこう。

部下の良いところは、全部をその場で大げさに褒める必要はないし、ほめ過ぎると調子に乗らせて逆効果になることもある。しかし、いつも部下のことを観察してここぞというときには褒められるようにしておきたい。

3 教えるには時間がかかる

部下を育てるには時間がかかる

部下に仕事を教えよう、出来る社員にしてやろう、と張り切る上司ほど挫折しやすい。人は、そんなにすぐには変わらないからだ。逆に、一見するとやる気のなさそうなボーッとしたような上司の方が部下がのびのびと成長することもある。

重要なのは、「すぐに成長して欲しい」という期待を手放すことだ。人に何かを教えたり、人の行動を変えたりすることには非常に時間がかかるものである。

「こんなに教えたんだから覚えるだろう」と期待を持って関わっていると、部下がやらなかったとき、できなかったときにガクンと自分の気持ちが落ちてしまう。「自分は伝えられることは全部、あらゆる方法で伝えたけれど、結果は天に任せよう」というぐらいの方がエネルギーを温存でき、上手く行きやすい。

すぐに覚えてほしい、結果を出してほしいという期待は、裏返すと「自分が教えたんだから」という自分への期待にもなる。部下は、あなたの所有物ではなく、部下を教えるのはあなた一人ではない、ということを忘れてはいけない。

仕事を教えるのはあなた以外にも職場のいろんな人たちがいたり、お客さんから何かを言われた学んだり、学校や家族から教わってきたことももちろんあるし、自分で本を読むなどして勉強していることもある。部下は、あなたが知らないことをたくさん知っているのだ。そういった色んな人達との関わりの中で、成長できるタイミングが必ず来る ことを信じよう。

そして、人の成長には年単位で時間がかかることを念頭に置き、根気よく、10年先まで面倒を見るつもりであせらずに教えて行こう。しかし、ずっと部下で居てくれるとも期待してはいけない。「一期一会」、上司と部下になった今この出会いを大切にして、心から信頼できる関係を目指そう。

≪すぐにできるアクション≫

ヘレン・ケラーを教育したサリバン先生の根気強く愛にあふれた関わり方を奇跡の人から学ぼう。奇跡の人、というのは、実はヘレン・ケラーではなくサリバン先生の方を指している。

目が見えず、耳も聞こえないヘレンは、当初家族に甘やかされてわがまま放題、気に入らないことがあればすぐに癇癪を起す野生児のような子供だったという。サリバン先生は両親が顔を背けたくなるほど厳しく教え、ヘレンを人間に変える「奇跡」を起こした。

慣れ合いではなく、本当に部下に慕われる上司を目指すには読んでおきたい一冊。

4 同じことを何度でも繰り返し伝える

部下には繰り返し伝える

部下が成長するのには時間がかかるが、何か一つのことを伝えるにも繰り返し根気よく話さなければいけない。一度言ったぐらいでは、その場では聞いていてもちゃんと理解できていなかったり、重要性が伝わっておらずいつの間にかやらなくなったりする。

同じことを繰り返し、時には言葉を変えたり、別の角度からも、何度も伝えることが大切だ。

これも、「一回言えば分かるだろう」という期待があると、「何度言っても分かってくれない」と自分のイライラになって感情のエネルギーを浪費してしまう。元々、何回も言わないと伝わらないものなのだ、というマインドを持っておこう。

多くの場合、伝わらない理由は

  1. 伝え方が悪い
  2. 相手が聞きたくないと思っている
  3. 信頼がない

のいずれかである。1つ目の「伝え方が悪い」場合は、部下が理解しやすい例え話を使ってみたり、場所やタイミングを変えてみるなど工夫ができる。独り善がりにならずに、相手の反応を見ながら最適な方法を見つけよう。

2つ目の「相手が聞きたくないと思っている」ときには、先にそれを聞くことに価値を持たせる必要がある。それを聞くと、将来どんな良いことがあるのか、聞かないと何がまずいのか、メリットを理解するとちゃんと聞くようになるはずだ。

最後の「信頼がない」の場合には、たとえ試されても自分は相手を信頼して誠実に関わっていくしかない。特に、能力の高い部下や社歴や人生経験は上だが立場上は部下、という人たちから信頼を得られるかどうかが最初にして最大の難関になるだろう。

≪すぐにできるアクション≫

相手の発言や相手そのものを「こういうこと(人)でしょ」と決めつけるのをやめよう。もしかしたら、こうかもしれない、しかし、こういう可能性もある、と判断を保留することで誤解を避け信頼関係を作っていくことができる。

相手の方から「どうせゴマすりでしょ」等と決めつけてかかられたときにも、「嫌な人だな」とは決めつけずに、「過去に何か事情があったのかもしれない」、「元から口が悪いだけの人かもしれない」と色々な可能性を配慮し、自分から心を閉ざさないようにしよう。

自分から心を開かないと、相手からも永遠に開いてくれない。

5 部下の性格や背景を理解する

部下の性格を理解する

上司と部下も人間どうしなので、どうもウマが合わない、性格的にやりづらいということもあるかもしれない。差別するのは良くないと分かっていながら、どうしても好きになれないタイプの人はいる。

自己中心的だったり、生意気だったり、遅刻が多かったり、いったん「この人はダメなだな」と見下してしまうと、嫌なところばかりが目につき、良い面が隠れてしまいその人全体がダメなように感じてしまう。

許せないと感じてしまうのは、その人のことを理解できていないからである。その人が本質的にどういう性格で、何を大切にしていて、これまでどういう人生を生きてきたのか、また今どういう人たちに囲まれてどんな生活を送っていて、将来はどうなりたいと思っているのか。

部下のプライベートまで全てを把握しろとは言わないが、目の前の部下その人だけでなく、これまで生きてきた人生とこれから生きていく先の未来、そして周りにいる家族や友人関係があることをイメージすると、言動からより多くの情報を汲み取ることができる。

自己中な人なら、自分の損得を合理的に考えているらしく、そういう教育をされて育ったのかもしれないし、おそらくそれで今まで人間関係が上手く行かないことも多かっただろうし、でもこれから社会人として仕事をしていくうえでは自分が損することも学んでもらわないといけないな、と想像力を働かせてみよう。

きっと、その人への見方も変わるし、何か注意するときの言い方 や、全体的な関わり方 が変わるだろう。

≪すぐにできるアクション≫

部下の性格を本質的に理解するためには、次の質問について考えてみよう。

  • 部下は全体的にどういう性格だと感じるか?
  • 部下のどんな言い方・行動が具体的に嫌な感じがすると思うか?
  • なぜ部下はそうなった・そうしたか?(過去に時間軸・空間軸を広げて想像する)
  • 将来はどう変わっていくか?(成長を信じる)
  • その性格は、裏返すとどんな良い面があるか?(「仕事の人間関係が疲れる、嫌な性格10パターンの悩みと克服方法」を参考に)
  • 良い面を活かすにはどう関わっていくと良いか?

6 部下のモチベーションの種類を理解する

部下のモチベーションを理解する

厳しい競争社会を勝ち抜いてきた団塊ジュニア世代や就職氷河期周辺の世代から見ると、ゆとり世代の若手社員はマイペースで向上心が無いように見えるかもしれない。

自分の好きな仕事にこだわり、会社への忠誠心や帰属意識は薄い。プライベートの自分の時間を大切にしたがり、さっさと定時に帰る。指示待ちで積極性がなく、少し怒られると萎縮してしまう…。全体的にそんなイメージがあるように思われる。

しかし、彼らも決してモチベーションが低いわけではない。趣味のサークルやボランティア活動には熱心だったり、語学や資格の勉強にいそしんでいたりと、自己実現志向は高く持っていて、その目指す充実した人生の中で仕事はほんの一部、という扱いになっているのである。

なので、昇給(=お金)や昇進(=社会的地位)にはあまり興味を示さないが、「自分を高めたい」「人生を充実させたい」というモチベーションは高い。もちろん、これは個人によっても差があるし、一人の人を見ても時間とともに変化していくので、その人が何にモチベーションを感じているのかを常に気にかけてあげる必要がある。

そして、その人が人生に望んでいるもの・達成したいことに、今のこの仕事のを通して近づいていけることを示してあげられれば良い。部下がやる気を出すポイント、モチベーションの元を突き止めて、会社の理念や普段の仕事の中でやりがい、生きがいを感じられることと結び付けられるようにしてあげよう。

上下関係になじめない、叱られ慣れていない「ゆとり」社員も、ちゃんと理解してくれる上司がいて、会社に居場所がある と感じ、その仕事が自分らしい人生の一部分に出来ると思えれば、きっと目の色を変えて頑張ってくれるだろう。

≪すぐにできるアクション≫

その人のモチベーションの源を探るのには深くかかわってよく観察していく必要があるが、ほとんどの人が持っている「承認欲求」をくすぐるのが最も簡単にやる気をアップできる方法だ。それも毎回、適当に目につくことを褒めているのでは効果が薄い。

効果的に褒めるには、その人の印象とは逆の部分を褒めてあげると良い。褒められ慣れている部分について褒められても感動が薄いが、あまり人から言われないことを褒められると「この人は自分のことを自分よりも良く理解してくれているのではないか」という気持ちになる。

たとえば、地味な裏方の仕事をコツコツとやっている人ならば、「○○さんって話すのも上手だよね。実はプレゼンとか得意そうだよね」等と、印象とは逆の良い部分を見つけて褒めてあげよう。

ただし、あからさまになり過ぎないように、見当外れになり過ぎないように注意すること。

7 管理よりも感化する

部下は管理よりも感化する

上司の仕事というと、イコール管理職、イコール「管理」をする人というイメージがある。もちろん、管理・監督する立場であり、部署を指揮して仕事を完遂することが役割ではあるが、「管理」のマインドでいくと次々に起こるトラブルの対応に追われて、結果的に疲弊しやすい。

「自分が」管理してこの仕事を進めていくのだ、と思うと重圧が大きく感じられ、背追い込みすぎになり部下の力を活かしきれなくなってしまう。

そうではなくて、自分一人では何もできず、チームのみんなの力をお借りして初めて仕事ができる、自分は今たまたまその先頭にいるだけなのだ、というマインドを持とう。

官僚的に全て上の判断を仰がないと対応が出来ない組織は、時代が安定しているときは良かったが、今はそんなことをしている間に目まぐるしく状況が変わり、時代に取り残されてしまう。まるで戦場のような現場では、全部を「管理」するのは無理のあることなのだ。

必要なのは、チーム全体が一丸となってフォローし合い、あらゆる状況やトラブルにも対処できることである。そのためには、皆の意欲を高めて協力体制を作る「感化」の力が重要だ。

「管理しよう」と思うと、何かトラブルが起こったときに誰かのミスを責めたり、責任を追及する方向に意識が向きがちになるが、そればかりでは皆が委縮してお互いにミスの攻め合いになり、意欲も下がってしまう。

これが、仕事が出来る人がリーダーになってしまったときの落とし穴でもある。上司のスキルも高いに越したことは無いように思われるが、出来るがゆえにできない部分に注目しがちになってしまうのだ。

逆に、皆がやる気があって、チームの人間関係が良ければ大体のことは問題にならない。 上司自身よりも部下の方が仕事のスキルが上だったとしても、チームをまとめて皆の能力を最大限に引き出し、チームとして最大の成果を上げられるのが良い上司と言える。

どうすればチームの士気を上げられるか、盛り上げられるか、等「感化」することを第一に考えよう。

≪すぐにできるアクション≫

「感化」するリーダーの姿を学ぶためには、原泰久の漫画『キングダム』を読もう。『キングダム』は秦の始皇帝が中華を統一するまでの戦いを描いたストーリーで、個性豊かな各国の将軍が登場する。

軍どうしの戦闘において勝利を左右する大きな要素の一つが、兵士の「士気」であるが、士気を上げる方法が将軍のタイプによっても全く異なっているのが面白い。

たとえば、主人公の信という少年は自ら先頭に立って敵陣に切り込んでいき、背中で引っ張って行く。もう一人の主人公、秦の王である政は、圧倒的な存在感と熱い言葉で民兵をも奮い立たせた。他にも、色々なパターンのリーダーの在り方を学ぶことができる。

どのリーダーにも共通する重要な点は、チームの皆がもう無理だと思っているときでも「絶対にやり抜く」という未来を語るところだ。リーダーは、チームと一緒に戦いながらも一段高い目線で未来を見据え、皆に見えていない道筋を見つけて、正しい方向に導いていく。

8 期待せずに信頼する

部下は期待せずに信頼する

上司の仕事の本質は、責任を取ることである。極端な話、仕事は部下に全て丸投げだったとしても、責任を取りさえすれば上司として仕事をしたことになる。

責任を取るということは、代わりに謝るということだ。 チームの代表である上司は、家族でいうと親、部下は子供にあたる。子供が何か悪さをしたときに、教育・しつけをして監督をしている親が管理責任を取るように、部下がやらかしたことの責任は全て上司にある。職場のチームは、まるで家族のような運命共同体であり、上司が部下を育てることは、親が子供を育てるようなものだと思おう。

子供が料理を「お手伝いする」と言って何かやってくれようとしても、たいていは取り掛かれるように親がお膳立てをして、大したことが出来なくても褒めてやり、手直ししたり後片付けをしたりと、自分でやるよりも手間になる ものだ。親も子供のお手伝いが本当に役立つとは期待していないので、成長を喜び、やってくれたことに感謝もできる。

これが、手伝ってくれて楽になるだろう、と期待しているとイライラするので「邪魔するな」と子供には任せられなくなってしまう。

部下に仕事を任せるときも、最初から期待するのはやめよう。期待しなくても、信頼して仕事を任せることが大切だ。子供のお手伝いのように、フォローがかえって大変になるかもしれないし、失敗してどこかに頭を下げに行かなければいけないかもしれない。それでも、未来の成長を信じて任せられないと部下もいつまでも成長しないし、あなた自身も上司としての力量が育っていかないことになってしまう。

信頼して任せてみて、出来なかった時に助けたり、謝ったりする。助け合う気持ちを上司が示続けることによってチームに信頼関係が育っていくし、信頼される上司になることができる。

≪すぐにできるアクション≫

部下、特に新人に任せる仕事は、できるだけ簡単なものを大量に与えよう。教える-教わる負担が少なく、状況による複雑な判断も不要で、かつ「自分でやり切った」という達成感を味わってもらうことができるし、褒めるチャンスも多くすることができるからだ。

簡単な仕事はルーティンワークや作業的なものになりやすいが、それが会社の仕事全体にどんな重要な役割を持っているか、また部下がその仕事を通してどのように成長できるのか、全体像とメリットをしっかり伝えてあげよう。

9 組織を変えるにはゲリラ戦

ゲリラ戦で組織を変える

係長・主任クラスに昇進し自分のチームを持てたので、これからは自分のやり方で組織を変えていくぞ、もっと改善するぞ、と最初は皆燃えている。ところが、思わぬ反発にあったり、なかなか新しい方針が浸透しなかったりして、だんだん挫折してしまうことも多い。

人を変えるのに時間がかかるのと同様、組織の風土を変えるのにも非常に時間がかかる。特に上下関係や権威の力が薄くなり個人の力が増している今「上司が言ったから何なの?そんなの自分には関係ない」と思われてしまったら何にもならない。リーダーが入れ替わったぐらいではチームの文化は変わらないのである。

それでも悪い習慣を直して組織と仕事を良くしていくためには、一人ずつ「もっとこうだったらいいよね」と理想に共感を得て、味方に引き込んでいく「ゲリラ戦」を展開するしかない。

ここで大切なポイントは、「やり方」よりも「理想の在り方」に共感してもらうことだ。もっと仕事の効率を上げて残業を無くしたい、とか、整理整頓して働きやすい職場にしたい、とか理想に共感してもらい、「自分たちのこと」こととしてとらえてもらうことができればその理想を実現するための「やり方」はチームのみんなの中から出てくる。更に、皆で参加して作り上げていく中でチームの一体感も出てきて、「やらされている感じ」はなくなる。

共感してもらうためには、あなたにとってだけ良いことではなく、チームのその人個人にとってもメリットになることや、会社全体にとって与える良い影響など色々な視点から話してあげよう。人は、自分にとってのメリットを感じないと動かないものである。

≪すぐにできるアクション≫

もし、あなたが自分のチームを「こういう風に変えて行きたい」という思いがあるのなら、まず手法は置いておいて、その理想の状態・在り方を明確にしよう。

そして、その理想の状態は誰にとって、どんなメリットがあるのかを考えてみよう。

  • あなたにとって良いことは?
  • チームのメンバーにとって良いことは?(全員分考える)
  • 会社全体にとって良いことは?
  • お客さんにとって良いことは?
  • 世の中にとって良いことは?

その理想に向かってまずは自分から行動しながら、その理想をチームの皆に一人ひとり伝えていこう。

昇進して部下ができた人のための上司の心得まとめ

  1. 昇進=偉くなった、は勘違い。浮かれず淡々と仕事をしよう。
  2. 部下のミスや間違いを指摘するよりも、自分の同じ部分を正し、背中で引っ張っていこう。
  3. 教えるのには年単位での時間がかかることを覚悟し、部下の成長を信じよう。
  4. 伝えたい大切なことは、言葉を変え、様々な角度から何度でも伝えよう。
  5. 部下は本質的にどんな人で、将来にはどうなりたいのか、性格を深く理解しよう。
  6. 部下は何に対してモチベーションを持っているのかを理解しよう。
  7. 管理するよりも、感化し、励まし、鼓舞する役割に徹しよう。
  8. 期待せずに信頼し、仕事を任せてフォローし、責任を取ろう。
  9. 組織を変えるのはゲリラ戦。一人ひとりに支持されるような人間になろう。

さあ、後は実践あるのみ。調子に乗らずに、気負わずに、上司の仕事を楽しもう。

GLOBOな視点・ダメ上司、部下を育てる

上司がしっかりしていると、部下は安心して付いていくマインドになってしまう。逆に、上司がろくでもないと部下は「自分がしっかりしなければ」と勝手に成長してくれる。

最初からダメ上司を目指すのはどうかと思うが、そのぐらいの方が部下の教育になるんだな~と力を抜いていこう。

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