2019年11月23日は勤労感謝の日!
この日は、いつも家族のために働いてくれているお父さん・お母さんに感謝する日…だと思っていたら、実はちょっと違ったようです!
そして、宮中の祭祀にも関係が深く、日本人の精神性を表しているらしい。
ということで、今回は勤労感謝の日の由来や歴史を色々調べて、スピリチュアル視点から考察してみました。
お読みいただくと、
- 勤労感謝の日って、誰の何に感謝するのか?
- 由来になった宮中行事の新嘗祭とは?
- なぜ新嘗祭から勤労感謝の日に改められたのか?
- 2019年の大嘗祭は何が違うの?
- 昔の日本人にとって「働く」とはどういうことだったのか?
などがわかります。
勤労感謝の日とは
勤労感謝の日は国民の休日の一つで、「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日」と法律で定められています。
明治6年、農作物の収穫を祝うための祝日「新嘗祭(にいなめさい/しんじょうさい)」が設けられ、戦後1948年に「勤労感謝の日」と呼称が改められました。
現在の勤労感謝の日
もともとは農作物の恵みを感じる日でしたが、1948年の制定に伴い、農作物に限らず全ての生産を祝い、勤労をねぎらう祝日になりました。
「日本の新しい祝日」(衆議院文化委員受田新吉著)には、勤労の意味について次のように書かれています。
肉体的な労働によって物品等を生産するということにのみ終始するものではなくて、精神的な方面においても一日一日を真剣に考え、物事の本質へと深めてゆく研究態度にも勤労の大きい意味は存在し、創造し、生産していくことの貴重な意義ある生活が営まれていくことが出来る。
物質的にも、精神的にも広い意味での文化財を建設してゆくことは、生産ということの正しい理解の仕方である
モノを作るだけでなく、精神性を深めて文化を発展させていくことで生活が豊かになっていく、ということですね。
ちなみに勤労感謝の日は毎年必ず「11月23日」と決まっています。
ハッピーマンデー制度にしてはどうか、と議論がされたこともありましたが、本来の祝日の「新嘗祭」の意味合いを受け継ぐために却下されたそうです。
ではその新嘗祭とはどんな行事だったのか? 次で由来や歴史を見ていきましょう。
勤労感謝の日の由来、新嘗祭とは?
新嘗祭は「にいなめさい」または「しんじょうさい」と読みます。
「新嘗」とは、その年に収穫された新しい穀物のこと。
古くは飛鳥時代からから、祭祀を司る最高責任者である天皇が国民を代表して、新米や新酒を神様に捧げ、農作物の恵みに感謝する祭典が行われてきました。
現在の皇室でも、新嘗祭は宮中祭祀の中で最も重要なものと位置付けられ、儀式が執り行われています。
天皇陛下が,神嘉殿において新穀を皇祖はじめ神々にお供えになって,神恩を感謝された後,陛下自らもお召し上がりになる祭典。宮中恒例祭典の中の最も重要なもの。天皇陛下自らご栽培になった新穀もお供えになる。
引用:主要祭儀一覧|宮内庁
かつて新嘗祭が実施されていたのは旧暦11月の第2卯(う)の日で、このシーズンには宮中だけでなく各地で新穀を神様に捧げる農耕儀礼が行われていました。
能登半島の「アエノコト」や東日本の「十日夜(とおかんや)」もその一つです。
農業中心だった時代、新嘗祭はとても重要な儀式だったんですね。
特に「米」は日本の神話にも登場し、神様から賜った穀物とされ、日本の精神性の象徴でもあります。
新嘗祭で天皇と国民が結束を強めることは戦後、アメリカにとって脅威だったため、GHQによる日本弱体化作戦の一貫として名称が改められたのでは、とも言われています。
2019年は「大嘗祭」!!
毎年天皇によって行われる新嘗祭ですが、新天皇が即位して初めての新嘗祭は「大嘗祭(だいじょうさい/おおなめさい/おおにえのまつり)」というスペシャルバージョンで実施されます。
大嘗祭は天皇が1代で1度だけ挑む大掛かりな神事です。
毎年の新嘗祭との大きな違いは、あ新嘗祭で使われる新穀は天皇直属の田んぼから収穫するのに対し、大嘗祭では占いで選ばれた地方の田んぼの穀物を使用!
宮中イベントである新嘗祭に対して、大嘗祭は天皇と国民をつなぐ全国的なお祭りなのです!
一連の行事日程は2019年11月14日の夕方から開始されることが決まっています。
天皇陛下は純白の祭服を着て、この神事のために造られた「大嘗宮」に入り、米、や酒などの供え物を神々に供え、国家・国民の安寧と五穀豊穣を感謝し、将来もそうなるよう祈る御告文(おつげぶみ)を読み上げ、同じものをいただく直会(なおらい)をする、ということです。
10月の「即位の礼」と合わせて大嘗祭は皇位継承の重要儀式なのです!
秘儀のため非公開ではありますが、国民にとっても一生に一度あるかないかの儀式ですので注目したいですね。
スピリチュアル視点の勤労感謝の日
ここで改めて勤労感謝の日を見てみましょう。
今では新嘗祭のような収穫祭の意味合いは薄れて、労働全般に感謝する日となっていますが、この「労働」に対する考え方にも昔からの日本人の精神性が宿っています。
西洋の思想の元となっている古代ギリシャの市民は、労働を卑しいものとし、奴隷を働かせて自分たちは政治や芸術などの精神活動に明け暮れていました。
地理者神話では、人間が火を使うようになったのにゼウスが怒って、罰として大地を耕す労働を科したという話があります。
またキリスト教でも、知恵の実を食べて楽園を追放されてから「死ぬまで額に汗してパンを得る」労働の苦しみが始まったとされています。
このように、西洋では労働は「罰」「苦しみ」という思想が根底にあるので、定時でさっさと帰り、長い夏休みを取り、リタイアを祝います。
労働は収入を得るための手段なので、お金があったら働かなくてもいい。収入が増えて裕福な暮らしをすることは偉い。
という考え方は今の日本でも一般的ですが、これは西洋から輸入されたもの。
江戸時代の武士道では、労働は主君や天に報いるための手段とされ、また商人道でも見返りを求めずに誰かのために尽くすことが美徳とされていました。
収入を得ることは否定されませんが、得られた富は社会や神仏への奉仕のために使うことを善しとして、欲望を満足させるために使うと批判されたそうです。
自分の利益だけを求めていては、人生の本当の楽しさは得られない、お客さんや世の中の人の喜びが自分の喜びとなる「自利利他円満」の考え方があったのです。
仕事で活躍して、それが周りの人や世の中のためにもなったら嬉しい。
だから、働けることはそれ自体が喜びで、感謝したい!ということなんですね。
勤労感謝の日の由来まとめ
まとめると…
勤労感謝の日は「新嘗祭」の祝日が戦後に名称変更されたもので、元々は収穫を祝う祭典だったのが、すべたの労働の成果を祝い、感謝する日に変わりました。
いやいやガマンしながら働いて稼いで着てくれる人に感謝する日…ではなく、働くこと自体が喜びだから感謝しましょう、という日でした。
勤労感謝の日に「自分にとって、仕事とは?」と、ちょっぴり哲学して見てはいかがでしょうか。
一生懸命働いて徳を積んでいたら、そのうち良いこともありますよ。
徳を積む生き方とは【図解】徳積みを意識して変わったこと【体験談】
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
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