本質を見抜く力は、仕事でも勉強、スポーツ、人間関係でも非常に役立つ能力です。
たとえば、「よーし、起業するぞ!」という人が何人かいたとして、知識やスキルや資金、人脈などの条件がみんな同程度だったとしましょう。
最初は同じスタートラインに立っていたはずなのに、しばらく経つと上手くいく人とそうでない人には大きく差がついてしまいます。
今の世の中はインターネットがあるので、ノウハウの情報は豊富に集められますし、チャンスもほとんど平等にあるはずなのに、なぜでしょうか?
それは、物事の本質を見抜く力の差です。
10の情報があったとしても、そのまま10を受け取る人、半分ぐらいになってしまう人、そして10だけではなくその本質まで見抜ける人に分かれます。
上手く行く人は、物事の本質を見抜いて正しく判断することができ、一つの情報の裏に隠れた背景や意図をいくつも汲み取ることができます。
物事や人の表面に惑わされず、正しい判断を下せます。
また、勉強したことの枝葉を削ぎ落として本質を覚えるので、自分の専門分野だけでなく他に応用がききます。
その結果、最も本質的で重要なところに時間や労力などのエネルギーを注ぎ、無駄なことをしないので成功が早いのです。
ボウリングで一番手前のピンを倒すと後はバタバタと全部倒れるという「センターピン理論」というのがあります。
本質を見抜く力とは、あらゆる物事で何がセンターピンになっているのかを見つけられる能力です。
これを押さえれば全部進むな、というポイントを見抜けるので、少ない労力で結果を出すことができるのです。
たとえば初対面の人の少ない情報からその人の本質を見抜き、「あ、この話をすればいいな」というのをパッとつかんで30分で信頼関係を築いてしまうといった具合になります。
逆に一生懸命に努力しているのに上手く行かない人は(私もそうでしたが)、闇雲に「数打ちゃ当たる」方式でやっていることが多いようです。
無駄な動きが多く、たまに成功しても成功した本質的な理由が分かっていないため、2回目の再現ができません。
大量に行動するのも大切ですが、「本質」を見抜ければ力を注ぐべきポイントが分かるようになり成長スピードがぐんと速くなります。
では、どうしたら本質を見抜く能力を育てられるのでしょうか?
ここでは、私がある経営者の方から教わった本質の見抜くための思考方法をご紹介します
次の6つの質問を自分に問いかけることによって、その物事・その人の本質を見抜くことができるでしょう。
目次
物事の本質を見抜く力を鍛える6つの質問
物事を表面的にではなく、深く本質的に理解するためには、常に自分で問いを立て、自分なりに考えるというトレーニングが必要です。
以下の質問リストを手帳などにメモしておき、時間のできたときにぼんやり考えてみるといい訓練になりますよ。
もちろん学校の勉強と違って答えはありません。何が正解ということはありませんが、「絶対にこうにちがいない」と決めつけずに、いろいろな可能性を思いつくことが大切です。
質問リストは、以下の通り。
本質を見抜く質問1 なぜ?
世の中の情報、たとえばインターネットに書いてあることや、本で書いてあること、誰かが言ったことをそのまま鵜呑みにしてしまうのは危険 、という感覚は何となくあると思います。
かといって、何がどう間違いなのか考えるのには労力が入り、どこから手を付けて良いのかわかりません。結局、誰かすごくて本当のことを言っていそうな人の意見を自分の意見にそのまま採用してしまいます。
でも、ちゃんと本質を自分で考えられた上での結論ならば、「あの人が言ってたから」よりもずっと説得力がありますよね。
私が最初に徹底的にやってみたのは「なぜ?」を問う 、ということでした。長年の習性で何も考えないので、しばらく手に「なぜ?」と書いて生活していました。
1つの事に「なぜ?」を5回問うとかなり本質に近付きます。
たとえば、この記事の主張「本質を見抜けたほうが良い」というのも、「なぜ?」と疑ってみます。
すると、「その方がビジネスとかが上手くいくから」という答えらしきものが出ますが、さらに「なぜ、ビジネスが上手くいく方がよいのか?」と「なぜ?」を重ねていきます。
分からなくても、「こうかもしれない、いやこういう可能性もある」と頭をトレーニングしましょう。
たとえば、物なら、
- なぜ、その物は存在しているのか?
- なぜ、そのようになっているのか?
- なぜ、その大きさなのか?
…etc.いろいろな「なぜ」を作って考えてみましょう。
人なら、
- なぜ、その人はその言葉を言ったのか?
- なぜ、その人はその行動そしたのか?
- なぜ、その人は怒った/悲しんだ/喜んだ/笑ったのか?
その人の過去の人生や、関わってきた人を思いうかべながら「なぜ」の問いを持ちましょう。
本質を見抜く質問2 何のために?
少し似ていますが、「なぜ?」が原因を問うとしたら、その物事や人が目指している未来、目的を問うのが「何のために?」です。
すごく上手い儲け話なんかが来たときには、「この人は何のために自分に声を掛けたのだろう?」と目的を考えてみましょう。
テレビやインターネットの情報も、誰かが何かの目的で発信している訳です。本当に世の中を良くしたいと思っているのか、名誉が欲しいのか、お金目的なのか。考えると見えてきます。
本質を見抜く質問3 本当にそうか?
何事も良い意味で疑ってかかる ことは大切です。
本に書いて有ることやニュースで言っていること、権威のある人の言葉でも「本当にそうか?」ということを自分で疑ってみましょう。
たとえば、客観的な数字として実験や調査の結果があったとしても、そこに誰かが意味づけして自分たちの都合のよいように利用しているわけです。
そのデータから、本当にそれが言えるのか、ということをまず疑ってみましょう。何処かに飛躍があったり、解釈が偏ったりしていないか、自分の頭で考えることが大事です。
それで確からしいと思っても、そもそも元のデータだって、調査や実験の方法によって信ぴょう性は異なります。サプリのある成分だけを大量にネズミに注射して死んでしまったから「ハイ、危険です」みたいな結論ありきの実験だってあるわけです。
本質を見抜く質問4 反対の意見はどうか?
自分がこうだと思う意見があったら、その反対の意見もしっかり知っておきましょう 。
人は、自分が良いと思うもの、正しいと思う情報にばかり目が行くように出来ています。なので、相当意識的に反対側に目を向け、耳を傾ける必要があります。
たとえば、「牛乳は体に良い」という主張をするのでも、反対意見を知らずにただ「ここがいいんですよ」と言うのだと見方が偏ったり、どこかが抜け落ちたりする可能性 があります。
「牛乳が体に悪い」という反対の意見をよく知った上で、それでもなおメリットが大きいと主張する方が、同じ意見でも深みが出てより本質に近付くことができます。
アンチとファンは紙一重、と言われますが、何かを主張したり批判したりするためには、それについて網羅的な知識を持っていないといけません。良く分からない物は欠点を指摘できないからです。
本質を見抜く質問5 別の視点ではどうか?
何かを考える時に、自分の視点だけでなく別の視点からも考えてみましょう 。
- 相手の視点
- ○○さんの視点
- 客観的な第三者の視点
- 宇宙や神様の視点
客観的な視点で考えるには、自分が当事者の出来事については登場人物を匿名にしてみると良いでしょう。たとえば、
「私は山田さんと忘年会の幹事を押し付け合っている」
という出来事があったとしたら、
「AさんとBさんが忘年会の幹事を押し付け合っている」
のようにします。すると、あまり感情的にならずに判断したり行動したりできるようになります。
本質を見抜く質問6 実際どうか?
実際に自分でやってみる 、見てみる、という事も本質を見抜くには大切です。仕事でもいろんなノウハウが出回っていますが、ただ聞いた話なのか、自分で実際にやってみて確かめたことなのかは全然違います。
このブログの記事も、基本的には私が実際に試したことを書いています。
「この本にこう書いてありましたよ」だけでなく、実際やってみると体感的に理解できたり、失敗の中からコツがつかめたりします。
実際に見て体験した記事はますます説得力を増しますね。
物事の本質を見抜く力はリーダーに必須のスキル
表面的なことに惑わされず、本質を見抜いて正しい判断ができることは世の中を生き抜いていくために、特に仲間を率いるリーダーには必須のスキルです。
リーダーというのは別に社長さんとか管理職の人だけでなく、後輩の面倒を見る平社員の人や友達どうしで集まったときになぜかリーダーっぽくなる人も含まれます。
リーダーは物事の本質を見抜いてメンバーを正しい方向に導いていかなければいけません。
逆にそういう能力を持っている人は勝手にリーダーっぽくなり、いつの間にかその集団の中では本当にリーダーになってしまいます。
責任が大きい分だけ得られるものも大きくなります。リーダーは周りの人に頼られ、感謝され、より高い社会的地位や報酬を得られるのです。
物事の本質を見抜く力を鍛える6つの質問|まとめ
より本質を理解するためには…
- なぜ?
- 何のために?
- 本当にそうか?
- 反対の意見はどうか?
- 別の視点ではどうか?
- 実際どうか?
などを考えて、色々な角度から照らしてみましょう。
だんだん物事を立体的に捉えられ、本質も見抜けるようになっていきますよ。
ぜひ本質を見抜く力を磨いて、ますます頼れるリーダーを目指して下さい!
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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