本来は人を幸福にするはずの宗教ですが、宗教への依存が原因で自分も周りの人も不幸にしてしまうことがあります。
宗教が世界の全てになってしまい、宗教にお金を注ぎ込み、家族や友人の忠告も聞かず、それが良いことだと信じ込んでしまう…。
人を不幸にする宗教の被害に遭わないためには、そして家族が巻き込まれてしまったときには、どのように対処したらよいのでしょうか?
この記事では、親が宗教に洗脳されていた方の体験談を元に、家族に宗教をやめさせる方法をまとめました。
目次
宗教で不幸になった人の事例
水原明子さん(仮名)は、母親がとあるカルト宗教に熱心で、子どものうちに入信させられた「二世信者」でした。
専業主婦だった母親は、朝晩の「お勤め」を日課にしています。
教壇から購入した高額な仏壇や仏具、小道具類を使って毎日、それを拝むことにより、功徳(くどく)を積んで幸せになれると信じているのです。
また、日中は宗教関係者の集会に出かけるのに熱心で、家族よりも宗教コミュニティの人たちの約束を優先していました。
それを快く思わない父親は、母親に不満をぶつけ、夫婦関係は不仲だったと言います。
明子さんも「この宗教を素直にやるのがお前の幸せだよ」と言われて育ちました。
その宗教団体では、お布施を集める「集金イベント」が定期的に行われており、1万円から100万円、中には全財産を差し出す人も現れます。
信者たちは、お金を出すといいことが起こる、金額が大きいほど大きなリターンが得られると洗脳されています。
母親は「お布施を払うと楽になれる」と言い、明子さんのお年玉まで巻き上げて上納しました。
明子さんは、その宗教団体が運営する大学にまで行きましたが、「お金」がきっかけで自ら脱会を決意しました。
「今回はいくらお布施に出せるの?」と母親に言われ、
「私は、もう自分のお金を出さない」と突っぱねたのです。
正式に脱退した数日後、宗教団体の幹部から母親に事実確認の連絡が入りました。母親は幹部に平謝り。
母親とは怒鳴り合いのケンカになり、明子さんは気づきました。
結局、子どもの幸せよりも、宗教コミュニティの中で自分の立場が悪くならないようにしたいだけだったことに。
このままでは共倒れになる。そう感じた明子さんは、実家を出て行き、母親と絶縁しました。
親を説得して辞めさせたいとか、親だから見捨てられないと思っていると自分の人生が食いつぶされる。
薄情かもしれないけれど、親には親の人生を生きてもらうのがお互いのため。
今は、宗教で体験した不幸も、自分が親に依存していることに気づくきっかけだったと思っています。
家族にカルト宗教をやめさせる方法
まずは自分が影響を受けないこと
家族が宗教にハマってしまったとき、どうすればいいのでしょうか?
本人が趣味として楽しんでもらう分には良いかもしれません。
しかし、嫌がる家族に宗教の集まりへの参加や寄付を強制したり、特定のライフスタイルを強要されたりするのは困ったものです。
一番キツいのは、家計のお金を宗教に使い込まれる、または借金を作る、などお金がらみのトラブルです。
教祖様の教えが全てとなって家族の考えや生き方を否定し、家族を放置して宗教活動に専念する、というのも寂しいですね。
水原さんの例では、自分が宗教の影響を受けなかったのが救いでした。
「集金」の異様さを恐ろしく感じ、「やめたい」という自分の意志があったから、圧力に負けずにやめられたのです。
もしも、家族や友人、恋人など大切な人から宗教に勧誘されたときは、自分が「変だな」と思ったら同調してはいけません。
本物の「人を幸せにする宗教」なら、入信しない人やその家族を不幸にするようなことはありません。
無理に集会に勧誘してきたり、「信じないと不幸になる」「あなたのために言っている」などと言われたりする場合は、もう赤信号です。
まずは、集会の誘いや寄付の要請には応じないで、自分が一切影響を受けないようにすることが大事です。
論破するのは効果なし
自分は影響を受けなくても、すぐに相手を変えようとしてはいけません。
「あの宗教はここがおかしいよ」と論破すると、相手は態度を強固にして逆効果になってしまいます。
そもそも宗教に依存したくなる人は、心に傷があって寂しさを埋めるために入ります。
教祖や幹部に感化され、宗教での人間関係を居心地良く感じているので、どんな理不尽な宗教でも、本人にとっては幸せなのです。
宗教を頭ごなしにやめさせようとすれば、寂しさを埋めてくれる人たちから引き離そうとする「敵」と認識されることになるでしょう。
それに、宗教のおかしな点について疑問をぶつけても、実は本人もよく分かっていなかったり、盲信して宗教の外のことが何もかも嘘だと思い込んでいたり、話になりません。
悪いのはカルト宗教であり、ハマる人は被害者であることを忘れてはいけません。
同情する必要はありませんが、本人がどんな不安や寂しさを抱えていたのかを理解し、心の深い部分では許してあげましょう。
相手を変えようとせず、否定せず、気持ちをオープンにすることで、相手の態度も和らぎます。
お金を勝手に使わせない
宗教にお金を勝手に使われてしまうのは大きな問題です。
家計を管理している人が宗教に洗脳されてしまった場合は、早急にお金を守る対策しなければなりません。
まずは話し合いの場を設け、口座を分けるなど、家族に必要なお金は確保しておきましょう。
どうしても決着が付かない場合には、離婚や別居も視野に入れる必要があります。
やってはいけないのは、本人が作った借金の尻拭いをしてあげることです。
自分で痛い目を見ない限り、気づくことはありません。
浪費額があまりに高額な場合は、弁護士や専門機関に相談してみましょう。
本人が気づくのを信じて待つ
勧誘には応じない、宗教にはお金を出さない、といった毅然とした態度を取りながら、あとは本人が気づくのを待つしかありません。
本人が気づくきっかけには、以下のようなものがあります。
- 宗教の教えに反する事実に直面する
- 借金がかさみ、お布施が払えなくなる
- 一緒に宗教をしていた人が脱会する
- 宗教をやめた人が充実した生活を送っているのを見る
- 宗教の人間関係に疲れる、面倒になる
そのタイミングがくること、そして本人が目覚めることを信じて待ちましょう。
あなたがその宗教に入らなくてもちゃんと幸で充実した生活を送り、素晴らしい人間関係を持ち、精神を高く保っていれば、いつか相手の方が影響されるはずです。
「どうして、宗教に入らないのにそんなに幸せなの?」と相手が興味を持ってくれたときに、始めてアドバイスが効くようになります。
相手を否定せずに誠実に接して、宗教に頼らない信頼関係を作ることができれば、相手も心を開いてくれるでしょう。
それまでは、見守り、必要に応じて距離を置きましょう。
私の体験
見えない世界を信じてしまった経緯
私の場合は宗教ではなく、某スピリチュアルの先生に依存していました。
あまり表には出ておらず、自宅サロンで勉強会のようなことをしており、経営者や政治家の相談にも乗っているのことでした。
その先生は、名前を見ると直感的にその人の特徴とか状況が分かってしまい、遠隔で「エネルギー」を流して問題を解決するという手法を取っていました。
私自身は霊感がないしオーラとかも見えないので最初は半信半疑で、病気だった家族の名前で1万円を払ったのが最初でした。
「エネルギーをかけておくから、もう大丈夫だよ」
と言われ、本当かなあと思ったのですが、実際に家族が良くなりました。
それで、原理はわからないけれども、見えない力があるんだなあと信じてしまいました。
その後も、就職とか、仕事の人間関係でのトラブルとか、何かにつけてその先生に相談するようになります。
相談料は1ヶ月1万円が基本料金でしたが、相談内容に誰かの名前が新しく登場するたびに追加で1万円、就職先など法人については1件10万円です。
後々、月額料金も「男性性と女性性を両方育てるために」ということで2万円に値上がりし、その先生に不調が出ると「もしかして、あなたの会社の◯◯さんからエネルギーが抜けているんじゃない? 1万円入れられる?」などと、頻繁に請求されるようになっていきました。
お金がなくなっても、諦めきれず…
ボーナスは全額使い切り、めいいっぱいキャッシングして、いよいよこれ以上は払えるお金がない、となったとき、先生の方から言われました。
「いたいけなOLさんから、これ以上お金をもらえないので距離を置きましょう」と。
私はこれでも目が覚めず、もっとお金を稼いでその先生に払いたい、と謎にポジティブに行動し始めました。
どうしたらもっと収入を増やせるか自分なりに調べて、公務員試験を受けたり、資格を取って独立しようとしたり、副業をやってみたりしました。
そうやってゴチャゴチャ動いているときに友人からバシッと言われました。
「いままで変なスピリチュアルに依存してしまったのも、収入が少ないのも、ぜんぶ自分で自分のことを決められないせいで人から影響を受けて巻き込まれていたんでしょ」と。
ああ、本当にそのとおりだなあと思い、「どうしたら良い?」と今度は友人に全力で依存しようとし、「依存するな」と怒られました。
でもそれで目が覚めて、自分から自立の方向に変わる決意ができました。
精神的な依存について
どんなに素晴らしい宗教の教えでも、何も考えずにそのまま信じるのはただの依存です。
言葉だけを受け取って「そうなんですね」と受け取っただけでは意味がないからです。
たとえば、「地球の波動が上がってますよ」と言われたら、自分でもそれを体感できないとほんとうの意味で知ったことにはなりません。
自分で体感的に理解できたことだけが、唯一、信じるべきことなのです。
過去の私のように、占いや宗教、スピリチュアルなど、いろんなものに依存してしまう人は、自分の外側に「答え」を求めてしまっています。
だから、「低級霊がついているからお祓いしないとダメですよ」とか「200万円払わないと病気が治りませんよ」と言われたら信じてしまうんです。
自分では分からないと思っているので、だれかすごい人に判断してもらって、安心したいのでしょう。
宗教に限らず、ニュースとか、本に書いてあることとか、本当は全部、自分で答えを導けるぐらいでないといけません。
「本にこう書いてあるから、これが正しい」と信じることは、「教祖様がこういっているから、これが正しい」と同じ構造ですよね。
すごい人が言ったことだから、権威のある機関が発表したから、皆がそうだから…etc.
私たちの思考は、油断するといろんなものに依存してしまいます。
私は特に依存が酷くて、最初はこういうブログも全然書けませんでした。
何か「正解」を書かなければいけないという意識があって、誰かの意見をそのまま引用することしかできなかったのです。
『自己信頼』の道
私が依存から抜け出すために、最初にやったのは断捨離でした。
前の先生からもらった物や、影響をうけて購入した服や着物などを処分し、本も1冊残らず手放しました。
今まで情報を取りすぎていたのをリセットし、自分と向き合う時間を作ったのです。
何もない家で1人でボーッとしていたら、なんだかすごくホッとして、今までにない穏やかな気持ちになりました。
人生、再スタートです。
その頃に友人からエマソンの『自己信頼』を読むように勧められました。
自分の考えを信じること、自分にとっての真実は、すべての人にとっての真実だと信じること
『自己信頼』ラルフ・ウォルドー・エマソン
冒頭に、こんなことが書いてあり、ドキッとしました。
私は自分に自身がなさすぎて、とてもそんなふうには信じられないような気がしてなりません。
感覚をつかむまでにはだいぶ時間がかかりましたが、あれから丸2年経った今は、何となく「この感じかな」と思えることがあります。
たとえば、こんな風に文章を書いていて、少しでも読者の方のお役に立てて、喜んでもらえることは純粋に嬉しいことです。
内側から湧いてくる、そんなピュアな気持ちに従って行動すること、自分の心が喜ぶ仕事をするということが、自分を信じるってことなんじゃないかな、と思っています。
私もまだ修行途中ですが、自分を信じられず何かに依存している多くの人に気づいて、才能に目覚めて欲しいと願っています。
まとめ
一部の宗教は、お金を集めるコミュニティビジネスにすぎず、信者もその家族も不幸にします。
家族や大切な人が宗教にハマってしまったら…
- 自分は影響を受けないように、勧誘はきっぱり断りましょう
- 相手を論破したり、否定したりせず、心はオープンにしましょう
- お金はきちんと管理し、本人に責任を取らせましょう
- 何かのタイミングで本人が気づくことを信頼して待ちましょう
宗教に依存する人は、自分を信じられない人です。
人に言われたことを鵜呑みにせずに自分の中の真実を見つけられるよう、本当の意味で精神的な成長に導いてあげる必要があります。
まずは自分が精神的に自立して、家族や宗教がどうあろうと影響されず、幸せな生き方を体現することが、逆に相手にも影響を与えることになるでしょう。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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