初めて新人の教育係になったとき、ドキドキですよね。
ついこの前まで学生だった新人さん、または中途で入ってきた自分よりも年上の新人さんの面倒を見ることもあるかもしれません。
自分の仕事もまだいっぱいいっぱいなのに教えられるのか、めっちゃできる人でタジタジになっちゃったりして…なんて不安もあると思います。
そこで今回は、初めての教育係になった方へ、過去に20人以上の新人教育を経験した私が、上司から教わったことや失敗して学んだことなどをまとめました。
お読みいただくと、
- 新人教育係をやるメリットが分かり、モチベーションがアップします!
- 教え方のコツがを知って効果的な指導ができます!
- 困ったときに、適切に対処できるようになります!
それでは行ってみましょう。
目次
新入社員の教育係をやるメリット
新人教育係に向いていない人はいない。教育はスキルである
あなたの会社にも、なんかゆったりしていてあまり働いていなさそうな役職付きの偉い人たちがいませんか?
たまーにガチで無能な人もいるかもしれませんが、全然仕事してなさそうなのにお金がいっぱいもらえるのは『マネジメントスキル』があるからです。
マネジメントとは、部署全体を広く見渡して目標・戦略を立て、組織づくりやパフォーマンス向上などの全体最適を行うことです。
これができる人は、昇進してどんどん上の役職に行って給料も相応に増えていきます。
また、マネジメントのスキルや経験があると転職する際も「管理職」としてヘッドハンティングなどワンランク上の求人に応募できます。
転職するたびに給料が下がるひとと、転職でキャリアアップしていく人の差はここにあるんですね!
新人教育はちょっと大変ではありますが、人を成長させる経験を通してマネジメントスキルを磨く第一歩となります。
私にはちょっと向いてないかも…と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも安心してください。教育・マネジメントは向き不向きではなく、誰でもスキルとして身につけていけるものです。
自分も成長できる
というわけで、新人教育は自分も成長できるチャンスなのです。
今までにあなたに教えてくれた教育係の先輩や、上司の方で、すごくお世話になった人や尊敬できる人はいますか?
その方々の特徴を思い浮かべてみてください。
プレーヤーとしても仕事ができるだけでなく、きっと人間的な部分で尊敬しているということがありますよね。
- ひどい失敗をして迷惑をかけたのに「責任を取るのが上司の仕事だから」と言って、励ましてくれた。
- いつも温和で、トラブルがあっても慌てずどっしり構えていてくれて安心できる。
- 明るくポジティブで、とにかく熱く、皆のやる気を引き出してくれる。
などなど。
新人さんに教える立場となると、持つ責任がちょっぴり増えます。新人さんの仕事は、良くも悪くもあなたの責任です。
新人さんという存在そのものも、会社の常識をまだ共有していない未知の人物で、自分たちとは違う常識を持っているかもしれません。
それらを受け入れることは、人として一回り器が広をひろげるチャンスなのです。
あとは多くの場合、教育係になったからといって自分の本来の業務が減るわけではありません。
教える時間を確保するために自分の仕事もちゃっちゃと終わらせないといけないので、処理能力をアップするチャンスでもありますね。
人の成長を見る喜び
私は会社員時代、新入社員に電話応対などの基本マナーとかパソコンの使い方とかを教える係を毎年やっていました。
最初は敬語メチャクチャで、うわ~、これお客さんの前にでて大丈夫かよ…とか、パソコンの電源の入れ方が分かりませんっていう人に驚愕したりとか、そんな状態からスタートします。
でも数ヶ月ちゃんと覚えて、1年後2年後には逆にこっちが教わりたいぐらい頼もしくなって営業ではバンバン契約を取ってくるし、エクセルを使いこなして営業成績を管理してたりとかするんですよ。
「あの○○さんが、こんなに立派になって・・・」と涙が出るほど感激してしまいます。
もちろん、自分が教えただけじゃなくて、専門部署の先輩とかパートのお局様とかがいろいろ教育してくれたり、きっと本とか読んで勉強したのとか、いろんな影響の中で人は成長していきます。
そんな成長の一場面に立ち会えるのは、教育係の醍醐味です。
その新人さんは将来、あなたを追い抜かして大出世するかもしれませんし、「こんな会社やってられん」って即効退職して、起業して社長さんになっちゃうかもしれません(笑)
でも何かのときに「あのときの先輩の言葉に救われました」とか「あの人に教えてもらったことをとても感謝してます」って言ってもらえたら、嬉しくないですか?
たかが新人教育、されど新人教育。新人さんの人生の大事な時期に、将来を大きく左右する大役でもあるのです。
では、新人教育ではどんなことに気をつければいいのか、まずは心構えから見ていきましょう。
教育係の基本マインドセット
全て教える側の責任
教える側の心構えとしては、どんなひどい新人でも、教えた事が出来ないのは全て教える側に責任がある、と思いましょう。
本人が頭が悪すぎる、発達障害じゃないか、やる気がない、常識がない…などなど、いくらでも本人のせいにすることは、出来ます。
しかし、本人のせいにして切り離してしまったら、そこから成長に導くことは出来ません。
全て教える側の責任として変換し、「自分が出来ること」を見つけましょう。
どうしたら理解してもらえるように説明できるか、もっと集中力を引き出せるか、モチベーションを上げられるか、常識を覚えてもらえるか…。
人にラベルを貼らない
人を「こういう人だ」と決めつけないことも大切です。
「しっかりしてる人だなあ」というラベルを貼った瞬間に、目の前のその人が見えなくなってしまいます。
トラブルばかり起こすような使えない人だったとしても、教育係のあなただけは、その人の光る部分を見てあげましょう。
誰にだって、事情があります。
本当に行きたかった会社に入れなくてヤケになっているかも知れないし、本人もどうしていいか分からず苦しんでいるかも知れません。
表面ではなく、その人が生きてきた人生や、会社以外のいろんな人との関わり、そしてこれから先の未来まで見てあげましょう。
会社の新人さんである以前に、その人もあなたと同じように人生を生きている1人の人間であり、「仕事をさせる道具」ではありません。
できる人・出来ない人・さとり世代・男性・女性…いろんなイメージを取り払って、目の前のその人をちゃんと見て関わりましょう。
依存させない
教育係だからといって、一から十まで手取り足取り教えてあげる必要はありません。というか、教えすぎないほうが良いです。
教えすぎると依存的になって、指示されたことしか出来ない「指示待ち人間」を育成することになってしまいます。
全部を教えるのは土台、無理ですし、本人が自分で勉強したり、教わったことを工夫したりしないと成長に繋がりません。
時には、うまく失敗させてそこから学ばせたりとか、あえて抽象的な指示を出して自分なりに考えてやってみさせるとかも必要なのです。
最初は仕方ありませんが『依存させないこと』は強力に意識しましょう。
教えるよりも感化する
手取り足取り教えるよりも大事なのは、モチベーションを高めてあげることです。
簡単な話、仕事に高いモチベーションを持ってもらえば放っといても勝手に学んでくれますので、教える方としては非常に楽になります。
仕事の手順よりも先に、その仕事の喜びとか醍醐味、やってたら将来こんな風になれるよ、世の中にこんな風に役立ってるんだよ、などと高いところに目を向けてあげましょう。
伝え方は必ずしも言葉に限りません。
たとえば、あなたが顧客の訪問をするときに連れて行って仕事を見せてあげて、こんなに感謝されるんだなあ、すごいなあ、って感動させることでも、言葉にならないたくさんのことが伝わります。
あとは、その新人さん自身もこんな風になっていけるよ、と良い未来を語ってあげることも大事です。
世の中のこんなに多くの人の暮らしを支えてるんだ、とか、億単位の契約を取ってくるようになってインセンティブも入れたら今の倍以上稼げるようになるよ、とか。
未来を語って、あるいは見せて感化することで、一気にモチベーションを上げられます。
次に、もう少し具体的な教え方のコツをご紹介します。
新人への教え方のコツ
信頼できる雰囲気を作る
先輩だからといって最初から信頼してもらえるわけではありません。
まずは人として誠実に関わり、信頼関係を作っていく必要があります。
ここで大事なのは「あなたのことを信頼してますよ」という雰囲気です。
具体的には、自分の仕事をしながらでも新人さんのことを周辺視野で意識するようにしましょう。
すると、ずっと構ってあげなくても気にかけてもらっていることが無意識に伝わり、雰囲気がよくなります。
全体像から伝える
細かいところよりも全体像から、具体的なところよりも抽象的なところから伝えましょう。
そもそも全体で何のために、どういう動きをしているのか。その作業はどんな役割を果たしているのか。
全体像がつかめると、具体的な支持は少なく済みます。
たとえば、「こういうデータをまとめてレポートを作って」という支持を出すときに、何の目的でどういう風に役立てられるものなのかがわかっていれば、精度はどのぐらいで、グラフは必要かどうかという情報も自動的に含まれます。
ざっくりカリキュラムをつくる
新人さんに教えることは山ほどありますので、あれこれ一気に教えると「わーわー、無理、全部できない!」ってことになってしまいかねません。
ざっくり、自分の中でのカリキュラムを作って一つずつテーマごとに教えていきましょう。
例えば…
のように、実際に教える内容の他に「今日はこれを意識しましょう」っていうテーマやちょっとした目標を設定しましょう。
これがないと、新人さんは大海原に放り出されたように「ぜんぜん何もできない、何からやったらいいかわからない…」という状態になってしまいます。
も今日はここまで行けばいいんだな、と目安が分かると安心ですし、達成感を味わいながら進んでいけます。
自分で考える・振り返る時間を取る
会社によっては日報とかがあるかと思いますが、その日の仕事を振り返ってもらう時間を作ると良いでしょう。
テーマや目標に対して工夫したことや達成できたこと、疑問点やこれからの課題、気づいたこと、などノートにまとめてもらいます。
その日に教わってメモ帳にメモしたことの要点などをまとめてもらうのも良いですね。
これで、自分で主体的に成長していくスタイルを身に着けさせましょう。
ポジティブな言葉をかける
新人さんには、意識的にポジティブな言葉を使って指示を出しましょう。
たえとえば…
- 〜すると、〜できる
例)定規を当てると、抜かさずにチェックできるよ - 無理に〜する必要はない
例)そんなに無理に覚えようとする必要はないです。毎日、何回もやる作業なので、嫌でもそのうち覚えますから。 - 試しに、とりあえず
例)とりあえず、間違ってもいいから1回やってみよう。 - 今は、いつかは
例)今は大変だと感じるかもしれませんが、いつかは必ずこの経験が助けてくれます。
相手が「否定された」と思わないように、肯定形で伝えるのがポイントです。
最後に、新人教育で困ったときの対処法をまとめました。
困ったときの対処法
Q 新人教育に時間を取られて自分の仕事が回らず残業になってしまいます。
A 1人でかかえこまず、上司に相談しましょう。
Q 何回も同じことを教えているのに全く覚えません。
A その人の理解しやすい教え方を工夫しましょう。
たとえば、耳で聞いてメモを取るのが苦手な人には、紙に書いたものを渡してあげる等。そもそも「覚え方」を教えるのが必要な場合もあります。
Q 会社の不満や愚痴を言われ、どう対応していいか分かりません。
A まずは、率直な気持ちをそのまま伝えましょう。「○○さんがそう思ったのは分かったけど、私はどうしてあげたら良いかわからない」と。
そして「今はそう思うかも知れないけど〜」と、高い理想や10年後、20年後の未来を見せて感化し直しましょう。
その意見が的を得ていることならば、一緒に変えていく仲間として巻き込めるかもしれません。
Q 行動が非常識すぎてびっくりします。
A 相手の世界観に理解を示し、否定せずに率直に伝えましょう。
「正直、会社の洗面台でシャンプーをする人は初めて見て驚いています」
Q 新人が打たれ弱すぎてパワハラと言われないか心配…
A ネガテイブな事実を伝えるときには言い方を特に工夫しましょう。
相手の感情に引っ張られず、あなたが穏やかにリラックスして接していれば相手も落ち着きます。
まとめ
新人教育係は、教育・マネジメントスキルを身に着けてこれからのキャリアを作っていく第一歩、人間的にも成長できるチャンスです。
何よりも、人が成長する場面に立ち会えるのは嬉しいもの。
忘れちゃいけないマインドセットは…
- 全て教える側の責任…新人が覚えられないのは教育係の責任、というマインドで教育スキルを磨きましょう。
- 人にラベルを貼らない…人を表面でジャッジしてラベルを貼らないように。
- 教えるよりも感化する…やる気さえ引き出せれば、人は勝手に伸びていきます。
自分の仕事もあって大変ですが、この経験は必ず生きてきます。成長の好機を楽しんでチャレンジしてみてください!
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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