文章力が欲しい! いい文章が書けるようになりたい!
作文を書くときも、ブログを書くときも、文章力がない人に共通のこの悩み。
悩まずにすらすら書けたら良くありませんか?
僕はブログを始めて1年が経過しましたが、最初は500文字を書くのに丸一日かかるほどでした。
しかも支離滅裂で、自分でも何が言いたいのか分からないような文章です。
今では苦手意識を克服し、こういうライティングの仕事もできるようになりました。
そこで今回は、これまでにブロガーの先輩たちや編集者から言われて気づいた、「文章力がない人に足りないスキル」をまとめました。
文章力がない人に足りないスキル
まとまった文章を書くには、国語の文法の知識や原稿用紙やレポート用紙、ブログのエディターの使い方を知っているだけでは足りません。
文章力に含まれるスキルを8個に分解して解説します。
バカにされる勇気
いきなりですが、文章力の9割は「バカにされる勇気」でできていると言っても過言ではありません。
むしろ他の9つのスキルが1個もなくても、これさえあれば下手なりに文章は書けます。
自分なりにとりあえず書いてみて、読んだ人から「キミの文章は下手だな〜」って言われて悩んでいる人はセーフ!
いっぱい書いて何回も直しているうちに、ちゃんと上達していくから大丈夫です。
心配なのは、「全く書かない人」です。
本当は書けるんだけど、「書かない」。
なぜなら、下手な文章を人に読まれてバカにされたり批判されたりするのが怖いからです。
卒業文集でもブログでも、コッソリかいて引き出しにしまっておいた日記でも、書いた文章は誰かに読まれる可能性があります。
もしも誰かに読まれてしまったら、「こいつ頭悪いな」「この程度のことしか考えてないのか」と思われるかもしれません。
「それは違う」「そんな意見は人として間違ってる」なんて批判されたり、誹謗中傷されてりするかもしれません。
それって、ものすごく怖いことですよね。
その恐怖を乗り越えて「バカにされる勇気」を持つことさえできれば、誰だって文章は書けるのです。
「バカにされる勇気」をもっている人は、ちょっと文法におかしいところがあっても、それ書いたらまずいんじゃないってぐらい過激な意見を書いても、平気で文章を書いて発表しちゃいます。
で、それが面白くてバズったりするんですよ。
2011年4月、ネット上に匿名で日記を書ける「はてな匿名ダイアリー」のある投稿が話題になりました。
頑張ろう、頑張ろうって言うけど、
家が流されたんだよ?と、福島の兄に電話したら、言われました。
おまえ、ちゃんと分かってるの?
超つらいとき、「とりあえず帰りたい、もう帰りたい」っていう、
あの帰る家がね、全部流されたんだよ。
俺、もう、家ないの。
明日も頑張ろう!って決意するような場所がね、ないわけ。
今日も疲れた―!ってドア開けてホッとするような所がね、
全員、一瞬にして、心の準備もなく、いきなり11日から消えたわけ。
おまえ、家ないのに頑張れる?
この文章を学校の先生や編集の人に見せたら、たぶん3行目が「分かりづらい」って直されると思います。
冒頭のセリフは筆者のものか、それとも福島の兄ものか。読み進めれば兄のセリフなのが分かるけど、もうちょっと分かりやすい表現があるはず。
この文章は延々と兄の恨み節が続き、最後に「モヤモヤしてしまって、書きなぐった」と締めくくられています。
筆者は結局何が言いたいのかも分からないので、小論文だったら減点されます。
けど、臨場感や勢いが感じられ、心が揺さぶられ、考えさせられる「面白い」文章だと思います。
この記事には、同じ被災者で共感する声やいたわりのコメントが多数寄せられる一方、「甘えだ」「不愉快だ」というような批判も少なくありませんでした。
匿名だとダメージが減らせる部分はありますが、それでも「バカにされる勇気」がなかったら思い切って書けないと思います。
文章を書くことは、誰かに何かを教えてあげることではなくて、「自分はこんなに何も分かってません」と発表するようなものです。
開き直って「バカにされる勇気」を装備することが、文章力アップの第一歩です。
読書量
英会話を覚えるとき、聞いたこともないフレーズをペラペラしゃべれる人がいたら、怖いですよね(笑)
普通は、英語のフレーズを聴いてから、話せるようになります。
いろんな単語や表現のパターンをリスニングでたくさんインプットして、初めてアウトプットもできるんです。
正しい英語を知らないと、自分の英語がおかしくても自分で気づけません。
文章力のアウトプットの前にも、読解力というインプットが必要です。
本をたくさん読んでいたり、ネットサーフィンは動画よりもブログや2ちゃんねるなどのテキストだったりする人は、特別ライティングの勉強をしていなくても「なんとなく」でブログやコラムぐらいは書けちゃいます。
本や雑誌をほとんど読まない人は、1行目からつまずいてしまう。
頭の中に表現のストックがないため、どう書き出していいやらわからないんですね。
こういうとき、本を読み慣れている人なら頭の中の引き出しにいろんな表現パターンを持っています。
- 『雪国』の「トンネルを抜けるとそこは雪国であった」をマネしてみよう。
例)魚屋の階段を上ると、そこはメロンブックスであった。 - 会話文から始めてみよう
例)「なんか、魚臭い」 - 読者への問いかけから始めよう
例)日本一魚臭いメロンブックスを知っていますか?
こんな風にバババーっと頭の中にいろんなバリエーションが浮かんでくるので、悩みません。
「こっちで行ってみるか」ぐらいでサラサラ書けちゃうんです。
だから、書くのが苦手な人は読書量を増やしましょう!
本を書きたい人は他の人の本を、ブログならブログを、いっぱい読むと「こういう風に書けば良いのか」っていう雰囲気がだんだん分かってきます。
このとき、「書いた人はどういう狙いで、この書き方にしたんだろう?」と書き手の意図を探ったり、「こういうパターンを使っているな」と要素をピックアップしたりするとインプットの質が上がります。
こういう風に書けたらいいな、と思うお手本を書き写す「写経」もおすすめです。
良いインプットを増やせば、自分の文章の善し悪しもある程度分かるようになります。
ただし、「バカにされる勇気」がない状態でインプットだけ増やすと、自分への期待だけが高まってますます書けなくなるので注意してください。
語彙力
使える単語、語彙も文章力に欠かせない要素です。
頭の中にあるものを文章にしようとするんだけど、語彙力がないとどう説明して良いか分からないんですね。
たとえばミステリー小説を読んで「最初の方の色んなのが結末に繋がってて、すごい面白かった」のをどう書き表せばいいのか分からない。
語彙力があれば、例えば「冒頭から出てきた伏線がきれいに回収されて、痛快だった」のような表現も選べます。
「面白い」ひとつを取っても、似ていて微妙に意味が違う「類語」はこんなにたくさん!
楽しい、愉快、小気味よい、興味深い、可笑しい、コミカル、滑稽、面白おかしい、ユーモラス、痛快、楽しげ…eic
頭の中にある考えや気持ちを言葉で100%表すのは無理ですが、より多くの語彙から適切な言葉を選ぶことで、より伝わりやすい表現ができるんですね。
また、言葉の意味を間違って使ったり、相手とが思っている言葉の意味とズレていたりして、伝わらないこともあります。
元歌手で参議院議員の今井絵理子さんは、過去に自信のTwitterで
「『批判なき選挙、批判なき政治』を目指して、子どもたちに堂々と胸を張って見せられるような選挙応援をします^^」
と書き込み、「政治には批判がないとダメでしょう」「民主主義の否定だ」と批判を浴びたことがあります。
どうやら今井さんとTwitterユーザーで話がかみ合っていない様子。
辞書を引いてみると、「批判」には3つの意味がありました。
- 物事に検討を加えて、判定・評価すること。
- 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。
- 哲学で、認識・学説の基盤を原理的に研究し、その成立する条件などを明らかにすること。
3は関係なさそうですが、1と2はまさに政治活動そのものであり、議員の仕事は議論をすること。
批判なき政治だなんて「政治家の仕事はしません!」と宣言しているようなものでは?!
今井さんはおそらく「批判」を「汚職」か何かと勘違いでしてたんじゃないかと「推察されます」(「思います」より語彙力あるアピール)。
語彙力を身につけるには、辞書と仲良くすることです。
まずは、本を読むときに知らない単語や、読めるけどちゃんと意味を知らない言葉が出てきたら辞書を引いて調べること。
Kindleで読書をすれば、分からない単語はタップするだけで辞書が引けて便利です。
自分で文章を書くときも、最初は普通に出てきた言葉で書いて、あとでチェックするときに「もっとしっくりくる単語はないかな」と思うところは類語辞典を引きます。
トークスキル
話し上手な人は、たいてい文章も上手です。
千原ジュニアさん、太田光さん、バカリズムさんなど、お笑い芸人は面白い文章を書く人がいっぱい。
「話すこと」と「書くこと」は、どちらも頭の中にあるものをアウトプットする意味で共通しているので、話すスキルは書くスキルに応用できるのです。
話し上手な人の文章は、ボケてみたり、ツッコミを入れてみたり「読者いじり」が上手です。
ふだん観客の前でリアクションを見ながらトークを披露しているので、文章を書きながらも「これを書いたら、こう反応するだろうな」と予想しながら、仮想的に会話のキャッチボールをしているんですね。
- 書いていて途中で詰まってしまう
- 全体的に説明調で固く、論文みたいになる
- リズムが悪くて読みにくい
そんな課題のある人は、人と話す機会を作ってトークスキルを磨くと文章スキルも一気に上がります。
1対1でお茶したり、少人数の勉強会や、1対多のセミナーやプレゼンも良い練習です。
独り言のように一方的に話すのではなく、聞き手のリアクションを見ながら話すこと。
そして、文章を書くときも、読む人の顔を思い浮かべてリアクションを予想しながら書いてください。
ぐっとリズムが良くなって、読みやすく、生き生きとした文章になりますよ。
情報収集スキル
書き方がいくら面白くても、中身がスッカスカじゃいけませんよね。
どんなに腕のいい料理人でも、冷蔵庫が空っぽで料理はできません。
逆に、素材がよければ切って並べただけでも美味しく食べられます。
文章のは中身(=コンテンツ)こそが主役。
「どのように書かれているか」よりも「何が書いてあるか」の方が重要です。
そして良いコンテンツを作るには「情報収集スキル」は欠かせません。
情報収集には、たとえばこんな方法があります。
- 取材…現地に足を運び、見聞きしたことや体験したこと、感じたことなどをメモする
- インタビュー…人に質問して、話を聞く
- インターネット検索…下調べには、まず「ググる」
- 文献調べ…より詳しい情報は専門書や雑誌、論文などから
- 統計情報・アンケート…統計局ホームページや企業のプレスリリースから情報を得る、または自分でアンケートを取る
インターネットで調べるのは簡単ですが、それは他の人に取っても同じこと。
たとえば、Yahoo!ニュースのトップニュースになっているようなネタについては、日本中の多くの人が自分のブログやメールマガジンで言及するでしょう。
となると素材そのものではコンテンツで差をつけにくく、考察や解説など情報を加工する腕の勝負になりがちです。
しかし、まだネットに情報が載っていない情報を、現地に行って調べたり、詳しい人に会って話を聞いたり、誰もやったことのない体験をしたりすれば、それだけで価値あるコンテンツを作れます。
「素材」で勝てる文章を書くには、情報収集スキルを高めましょう。
情報編集スキル
素材は加工次第でいろんな料理になります。
たとえば、「大手コンビニチェーンのアルバイト店員が、熱々おでん芸をやろうとして失敗。商品をダメにする一部始終の動画がSNSに投稿され、問題となっている」というニュースの素材があったとしましょう。
新聞やニュースサイトは最もシンプルに「何月何日、何県で、誰が、どうした」という素材をそのまま掲載します。
これが社説やコラム、個人のブログやメールマガジンなんかになると、それぞれ色んな切り口で事件について語ります。
たとえばアルバイトを雇う立場のマネージャーや経営者は「リスク管理」の問題として、原因を分析したり、自社の取り組みについて紹介したりするでしょう。
弁護士は、アルバイト店員の行為の違法性について解説し、法律の専門家の立場から抑止策を提案するでしょう。
心理学者は、「バイトテロ」をわざわざネットに投稿したがる心理を、何かの心理学用語を使って説明するかもしれません。
同じ素材を扱っても、他のどんな素材と合わせて、どう味付けするのかによって、出来上がる料理は変わります。
自分の考え方や生き様までも文章に現れ、書くことの面白さはまさに「情報の編集」にあると言えます!
論理的思考
情報を編集するときに、注意しなければならないことがあります。
「本当に、そのデータから、その結論が導けるのか?」つまり、論理が破綻していないかどうかです。
つぎの文章は論理破綻の例です。どこが間違っているでしょうか?
20代の女性5人で座談会を開いたところ、「女性に好かれるには清潔感を意識するべき」という意見がダントツの1位でした。
だから、女の子にモテるためには、清潔感が最も重要です。
パッと見は問題なさそうですが、ちょっと怪しいですね。
まず、情報源はたった5人の女性ですので、5人中5人が「清潔感が大事」だと思っていたとしても、サンプル数が少なすぎるため、それが女性を代表する意見であるとは言い切れません。
また、彼女たちの言う「好かれる」は本当に「モテる」という意味なのかも怪しいかもしれません。
友達やビジネスの相手として「好ましい」のと、恋愛感情を感じるのとはだいぶ違いそうです。
強引にまとめたり、都合良く解釈していないか、繋がりの変なところはないか、など、「そのことから、それが言えるのか」をチェックして、論理的な文章を目指しましょう。
具体化スキル
よく調べてあるし、論理的でよくまとまっているんだけれど、いまひとつ説得力に欠ける。
ぼんやりして具体性がない。文章が短くまとまってしまう。
そんな文章に足りないのは「具体化スキル」です。
これは、抽象的な概念を具体的にかみ砕く能力のこと。
例えば、「僕の父は子どもっぽい性格だ」という文。意味は分かりますが、それだけだとどんな人なのかイメージは浮かびません。
そこで、具体例を出したり、
僕の父は子どもっぽい性格で、自分の不注意でテーブルの上のコップをひっくり返しても「倒れるように置くヤツが悪い」と人のせいにする。
更に具体的なエピソードを描写したり、
小学4年生のとき、父から将棋を教わった。普通は覚え立ての子ども相手に手加減するものだが、父は違った。本気でボコボコに勝って喜んでいた。僕も負けず嫌いなのでクラスメートと特訓し、ある日ついに父に勝った。ところが父は顔を真っ赤にして、「もう1局」「今のは本気じゃなかった」などと、自分が勝つまで続けようとする。本当にこの人は子どもっぽいなあと、子どもながらに思った。
他のものに例えたり、
僕の父は、クレヨンしんちゃんレベルに子どもっぽい。
とにかく「もっと具体的に、もっと詳しく」書きます。
「たとえば〜」「具体的に言うと〜」「例を挙げると〜」「○○にたとえると〜」などがキーワード。
視覚的な描写を入れて、読者の頭の中で映像として思い浮かぶようにすると、より面白く印象的な文章になります。
文章力がない人に足りないスキル|まとめ
文章力がない人に足りないスキルはこちら。
- バカにされる勇気
- 読書量
- 語彙力
- トークスキル
- 情報収集スキル
- 情報編集スキル
- 論理的思考
- 具体化スキル
優先順位は何よりも「バカにされる勇気」です!
下手でもとにかく書き続けながら、その他のスキルも伸ばして行くと良いと思います。
自分の意見を書くのが苦手なのは、また別の原因があるかもしれません。
実用文は書けるけど、感想分は書けない、訴えたいことがない!
「文章が書けない・意見が言えない」を克服する方法は、以下の記事もチェック!
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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