思考を鍛える

鏡にまつわるスピリチュアルな雑学集。鏡の神話・鏡の法則・心理学

姿をそのまま映す「鏡」は、神々の時代から人の心と深い関わりのあるスピリチュアルなものでした。

ここでは、鏡にまつわる世界の神話や現代のスピリチュアル界で言われる鏡の法則、そして心理学の実験で分かった鏡が精神に与える効果など、鏡と心についてまとめてみました。

鏡のスピリチュアルな意味を知って、鏡のパワーをもっと活かしましょう。



鏡にまつわる神話

鏡に関係する神話は世界にたくさんあります。

ここでは、日本神話とギリシャ神話から代表的な鏡のエピソード3つをご紹介しましょう。

世界を闇から救った、日本神話の鏡

古代の日本人にとって、鏡は単なる日用品ではなく祭祀に使う貴重なアイテムでした。

日本神話の有名なエピソード「岩戸隠れ」には、八咫鏡(やたのかがみ)が登場します。

八咫鏡の「咫」は長さの単位。一咫は約18㎝ですから、八咫だと144cmと、かなりの大きさですね。

神話の中での鏡の使われかたを見てみましょう。

太陽の神様、天照大神(あまてらすおおみかみ)が機嫌を悪くして岩戸の中に隠れたため、世界は真っ暗闇になってしまいました。

どうにかして出てきてもらおうと、神様たちは岩戸の前で飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをします。

「え、なになに?」と、天照大神が岩戸を細く開けて外の様子を見ようとしたそのとき!

外には鏡があって、天照大神自身の姿が映っていたのです。

興味を持ってちょっと顔を出したところを外に引っ張り出され、世の中は再び明るくなりました。

鏡に神様の姿を映すことで危機を救ったんですね。

この八咫鏡は三種の神器のひとつとして、天照大神から瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に授けられ、歴代天皇に継承されています。

ちなみに、平成の「平」の字は「一・八・十」を組み合わせて作られているため、平成は「岩戸隠れの時代」とも言われています。

確かに平成は昭和に比べると自然災害が多く、経済は低迷して明るい未来の見えない暗い時代でしたね。

天照大神を引っ張り出して明るい世の中を取り戻すには、私たちの心が鏡のように輝いて神様の姿を映さないといけませんね。なんちゃって!



鏡が魔除けになる、ペルセウスの神話

鏡は魔除けになるということで、手鏡や鏡のペンダントを持ち歩いたり、風水としてインテリアに取り入れられたりしていますね。

この根拠は何だろう? と調べてみたら、おそらく元ネタらしき神話が見つかりました。

ギリシャ神話のメドゥーサ退治のお話です。

メドゥーサは、目を合わせた者を石化してしまう恐ろしい魔物です。

そこで、英雄ペルセウスはメドゥーサを討伐しにいく決心をました。

ペルセウス「オレがメドゥーサをやっつける!」

アテーナー「ちょっとお待ち! いくら強いあなたでも石化されたら手も足も出ませんよ。

この鏡のように輝く盾を持っておゆきなさい」

テッテレー!ペルセウスは鏡の盾を手に入れた!

〜メドゥーサのアジト〜

メドゥーサ(・・・すやすや)

ペルセウス「メドゥーサの寝息だ!よく眠っているぞ。鏡の盾に映して、直接見ないようにして近づいて・・・ぐさっとな」

メドゥーサ「ぐえええ! 首だけになっても石化能力は残ってるんだからねっ!」

ペルセウス「まじで? メドゥーサ使えるじゃん、便利!」

その後、ペルセウスは怪物を倒すときなどにメドゥーサの首を使って敵を石化させましたとさ。

鏡を通して見ることで、魔物の攻撃を直接くらわずに済むというわけですね。

実際に私たちが魔物みたいな人を相手にするときは、いちいち鏡に映すわけには行きませんが、まるで鏡に映った像を見るかのように、一歩引いて関わることでダメージを減らせそうです。



鏡を見るのはナルシスト、の語源ナルキッソス

もう一つギリシャ神話から、ナルシストの語源になったナルキッソスの鏡のお話をどうぞ。

若くて美しいナルキッソスは女性からも男性からも(!)モテモテでした。

アプロディーテー「これプレゼント、ナルキッソスにあげる!」

ナルキッソス「は? 要らねーよババア」

アプロディーテー「なんですってぇ!バカにしやがって…。
よーし、お前を愛するものがお前を所有できないようにしてやる。ドドンパ!!!」

ナルキッソス「???」

〜後日〜

狩り仲間・アメイニアス(男)「ナルキッソス! オレはお前が好きだー!!!」

ナルキッソス「うわっ、ないわー」

アメイニアス「絶望だ。自殺しよう、ナイフでぐさっとな。
・・・月の女神アルテミスよ、この恨みを晴らしてくれ!」ガクッ

〜さらに後日〜

森の妖精・エーコー(ああ、ナルキッソス、なんてイケメンなの! でも、私は人の言葉を繰り返すことしかできない!)

ナルキッソス「誰だお前?」

エーコー「誰だお前?」

ナルキッソス「失礼なやつだな」

エーコー「失礼なやつだな」

ナルキッソス「マネすんじゃねーよ」

エーコー「マネすんじゃねーよ」

ナルキッソス「つっまんね。どっかいけオラ!」

エーコー(わーん、振られちゃった!悲しみのあまり姿を失って声だけの木霊になってしまおう!!)

神を侮辱する人間を罰する神・メネシス(ナルキッソスってやつ、調子こきすぎだろ。一生自分自身しか愛せないようにしてやる!ドドンパ!!)

メネシス「ナルキッソスよ、ムーサの山にある泉に来い」

ナルキッソス「来ましたけど、なんすか? アレ、いないじゃん」

ナルキッソス「あー喉乾いた、泉の水を飲もうっと。
!!!誰、この美しい少年!!好きだー!!!
キミから一生離れないぞ!うふふ、あはは・・・」

ナルキッソスはそのまま泉から離れられず、餓死しました。

この言い伝えから、自分のこと大好きな人は「ナルシスト」と呼ばれるようになったそうです。

魔除けになる鏡も、自分のことしか見えなくなると人を狂わせてしまうのですね。



スピリチュアル視点での鏡

今度は、現代のスピリチュアル界隈ßでよく言われる「鏡」にまつわる法則やジンクスを見ていきましょう。

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鏡とエゴと神

いろんな宗教やヨガやスピリチュアルに共通して、こんな事が言われます。

神様が作った世界とか人の魂は完璧で良いも悪いもないんだけれど、人のエゴ(自意識・我)のせいで目が曇り、ありのままに見られなくなっているのだ、と。

私たちは、物事に善悪の意味付けをして一喜一憂します。それはまるで、幻を見ているようなものなのです。

ここで、鏡の音を分解してみましょう。

「カ・ガ・ミ」から「ガ(我)」を抜くと「カミ(神)」になります。

我=エゴ・自意識をなくして、何の意味付けもせずに真実を見るのが神様の世界、いわゆる「悟り」なのです。

宗教で「何の肉は食べちゃダメ」などという戒律を守って生活したり、ヨガの瞑想やポーズをしたり、断食とか火渡りとかいろんな訳のわからない修行をしたりするのは全て、「我(自意識)」を減らすためです。

波風の立たない静かな心の状態を「明鏡止水」とも言いますね。

かといって、「悟りたい!」と思うのもエゴですから、鏡のような境地には一生修行してもたどり着くかどうかです。がんばりましょう。

鏡の法則

上で述べた通り、出来事そのものには意味がなく、私たちが「良い」「悪い」を勝手に意味づけしています。

「あの人はいい人だ」と思うのも「嫌な人だ」と思うのも、自分の心の作用です。

面白いことに、

  • 疑り深い人ほど人からも疑われているように感じる
  • 人を上手く利用しようと思っている人ほど「騙されている」と思いやすい
  • 人を愛する人ほど「自分は愛されている」と確信を持っている

といった現象が起こります。

自分の心を他人に投影しているため、まるで他人という鏡に自分自身を映しているようですね。

これを「鏡の法則」と言います。

鏡の法則を知っていれば、周りの人の見え方から自分を改めることができます。

たとえば、「夫がちっとも話を聞いてくれないし、気持ちを分かってくれない!!」と思ったら、自分は夫の話を聞いてるかな? ちゃんと気持ちを分かろうとしてたかな? と振り返ってみたら良いんですね。

子は親を映す鏡

「子供は親を映す鏡」ともよく言われます。

親子なのに性格が全く違う、という人が多いんですが、これにはスピリチュアル的な理由があります。

たとえば、親がものすごく厳しく育てられてキッチリしていると、子供は自由気ままだったりします。

これは、親の抑圧してきた性質を子供が開放してくれているんです。

親なら誰しも、最初は子供に自分の人生を投影して、「こんな風に育ってほしいな」とか「子どもの幸せ=自分の幸せ」と思うでしょう。

それが、子供に期待を裏切られ続けるうちに「あーもう、無理っ!」と、コントロールするのを諦めるようになります。

「諦める」は仏教では「明らかに見る」の意味があり、自意識をひとつ手放して悟りに一歩近づいた、ということになるんですね。

子供の魂は親を成長させる役割を持って生まれて来るのです。

鏡は霊の通り道?

昔の人は「鏡は霊の通り道だから」と、使わないときは鏡台にカバーを掛けていました。

本当に霊が出てきているかどうかは置いておいて、夜中に人影が見えてビクッとしたら、なんだ鏡に映った自分だった…なんてことはよくありますね。

鏡にカバーをかけるのは、心を乱さないための知恵だったのかもしれません。

また、深夜に合わせ鏡をすると守護霊が見えるなど、鏡にまつわるオカルト・都市伝説も多数あります。

合わせ鏡をすると普段は見えない自分の背中が見えて、幽体離脱したかのような不思議な感覚になりますね。

守護霊なら怖いものではないはずなので、守護霊に会ってみたい人は合わせ鏡を試してみてはいかがでしょうか。



鏡の精神的な効果

鏡は精神に様々な効果を与えることも心理学の実験で分かっています。

代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

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理想の自分を叶える! 鏡と自己認識力

鏡には、理想の自分を叶えてくれる力があるのをご存知でしたか?

たとえば、仕事や勉強をするとき、机に鏡を置いておくと集中力が高まることが知られています。

疲れてだらけてきた時に、チラッと鏡を見ると気の抜けた自分の顔が映っていて、「あ、いけない、いけない」と気がつくわけですね。

こうして自分で自分を客観的に見る力のことを、心理学では「自己認識力」と呼びます。

鏡を置いておくと自分自身をを客観的に見つめることができ、理想の自分に近づいていけるように微妙に行動が修正されていきます。

白雪姫の継母が鏡を見つめて「世界でいちばん美しいのはだあれ?」と言っていたのも、実は本当に美しくなる効果があったようですね。

きれいになる他にも、食事中に鏡を見ると暴飲暴食を防いでくれるなど、いろんな使い方ができそうです。

ナルシストじゃない人も、鏡を見て理想の自分に近づきましょう!

絶対に真似しちゃダメ。ゲシュタルト崩壊

鏡の実験には、下手すると精神崩壊してしまう恐ろしいものもあります。

その実験とは、人を大きな鏡に向かわせて「お前は誰だ?」と毎日言い続けさせるというもの。

被験者は1週間後には独り言が増え、2週間経つとまるで誰かがそこに居るように会話を始めました。

3週間目には意思疎通が困難になり、1ヶ月後には完全に発狂してしまったのだそうです。

正常な認知ができない「ゲシュタルト崩壊」が起こったのです。

ゲシュタルト崩壊は、よく同じ文字をずっと見続けていると「あれ、こんな形だっけ?」って変な感じになるアレのことです。

自分の顔をずっと見て暗示をかけ続けると、自分がゲシュタルト崩壊して分からなくなってしまうとは、恐ろしいですね。

絶対に真似しちゃダメですよ!

鏡の精神安定効果

ハーバード大学の研究によると、仕事中にイライラしたときに鏡を見ると精神が安定するそうです。

この理由は、鏡を見るといい顔を作ろうとするので、自分のいい顔を見て自信が増幅されるため、と考えられています。

たしかに、写真に映っている自分の顔よりも鏡の中の自分の顔の方が良い顔な気がしますよね。

イラっとした顔ってブサイクですから、鏡にそんな自分が映ったら反射的にいい顔を作って、それが気分にも影響するのかもしれませんね。

ということは、職場にたくさん鏡を置いておけば皆でニッコニコになれるかも!

まとめ

鏡の神話やスピリチュアル、心理的な意味には、ポジティブなものもネガティブなものもありましたね。

どちらにしても、鏡には不思議なパワーがあり、神様の時代からずっと人は鏡を見つめ続けてきました。

鏡のスピリチュアルなエネルギーと上手に付き合って暮らしに役立ててくださいね!

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