行動を変える

面接で言葉が出ない、自分の言葉で話せない。必要なのは「開き直り」

自分の言葉で話せない。

学生の頃、あるファンシー雑貨メーカーで新卒採用面接を受けたことがあります。

オリジナルのファッショングッズやインテリア雑貨、ステーショナリーなどを製造・販売している会社で、かねてから顧客として好きなブランドでした。

ホームページで新卒の求人があることを発見し、応募してみました。

面接担当者はロリィタファッションに身を包んだオバサン・・・ではなく、普通にスーツを着た中年の男性でした。

5人の集団面接で、早く着いた私は左端の椅子にすわり、トップバッターで志望動機を話すことに。

ここまでは準備済み。

雑貨が好きで、御社の製品も持ってること。
ただの文具やキッチンアイテムが、ちょっと可愛いだけで幸せになれる。
雑貨で笑顔を増やしたい。

そんなことをスラスラ語りました。

ところが、次の質問で私はフリーズし、言葉が出なくなってしまいました。

「なるほど、雑貨が好きということですが、雑貨は何個持っていますか?」

雑貨は何個持っている・・・?

正直、数えたことなんかなくて、焦りました。

真の雑貨好きは、

「時計が何個、マグカップが何個、ぬいぐるみが何個、と目録でも作っているものなのだろうか?

そこまでしていない自分は雑貨を好きという資格がないのでは?

そもそも、「雑貨」の定義って何だ?

一揃いのティーカップ・ソーサー・ポットのセットは、1個と数えるべきか? 3個なのか?・・・」

一気に緊張が高まり、ぐるぐる考えているのに全く何を言って良いか分からず、言葉が出てきません。

2、3秒だったはずですが、ものすご~く長く感じました。

答えられないと見て、面接官は「では、次の人・・」と他の人たちにも同じ質問を投げかけていました。

みんなも答え方には困ったようで苦し紛れに「数え切れないくらい」とか「6畳間いっぱいに」「腕時計だけでも10本」など答えていました。

どう答えることを期待していたのか、誰が採用されたのかは分かりませんが、ひとつだけ確かなのは固まって言葉が出なかった私は不採用だった、ということです。

面接官は学生に「自分の言葉で語って欲しい」

面接官の真意は分からないけれど、もしかしたら単に準備していなさそうな質問への対応力を見たかっただけで、雑貨の数とか数え方には何の意味もなかったのかもしれません。

準備していない部分に応募者の素の表情や考え方が表れるから。

どうやら企業の面接官たちは、上手なマニュアル通りの受け答えよりも学生の「自分の言葉」を引き出したいみたいなのです。

――面接官の多くが共通して求めるのは「自分の言葉で語ってほしい」ということ。

住宅 マニュアル通りの受け答えしかできなかったり、用意してきた答えしか返せなかったりという学生は印象が悪い。どんな質問をしても、無理やり自分が用意してきた答えに結び付けて返してくる学生が増えている。そういう場合は「あなたの言葉で話してください」ともう一度、やり直します。

娯楽 何をどう聞いてもマニュアル通りにしか答えない就活生がいました。こちらが頑張ってマニュアル以外の答えになるように仕向けても、それを切り返してマニュアル通りの答えに持っていく「強者」。その就活生は「100社受けたがどこも受からない」と嘆いていましたが、当然です。姿が見えないのですから。

引用:面接官が語る「こんな学生は嫌われる」 |日本経済新聞

だから、どれだけ面接で話すことを準備して練習しても、面接官は想定されないような質問のキラーパスを放ってくるのです。

学生が自分の言葉で話すところを見たいために。

面接で言葉が出ない・自分の言葉で話せない原因は?

ならば、あまり気にせずに思ったことをその場で答えれば良いじゃないか、となりますが、実際はなかなか難しいですよね。

だって、採用されたいんですもん。

想定外の質問に対して、面接官が期待している通りのリアクションを返して、「対応力があるな」と思われたいじゃないですか。

だから色んなパターンを想定して、話す内容を準備し、「アドリブ風」の話し方も練習するわけですが、そういう努力は面接官からは「マニュアル通りの答え」と言われて嫌われてしまうのです。

そんなのフェアじゃない!って思いませんか?

就活面接はフェアじゃない。

学校で真面目に勉強してきた優等生の人ほど、就活で戸惑うと思います。

学校にも理不尽なこはあるけれど、試験の点数だけはフェアでした。

定期テストでも受験でも、大まかな試験範囲が示され、過去問や赤本を見ればだいたいどんなことを準備したらいいのか分かります。

また、正答・模範解答と採点基準が存在し、多くの場合は答案が返却され「自分の何が間違っていたのか、どう回答するべきだったのか」を知ることもできます。

だから、受験に落ちたら「自分の答案のここが間違っていて、あと15点足りなかったんだな」と納得できます。

どんな中学・高校の出身でも、お金があってもなくても、顔が良くても悪くても、健常者でも障害者でも、男でも女でも、ただ入試問題の前においてのみ平等です。

同じ条件で同じ問題を解いて点数が取れていれば合格できる、受験は公正・公平なレースと言えます。

(お金を積めば裏口入学できるとか、女子を一律で減点するなどの例外はある。)

それに比べて、面接はちっともフェアじゃありません。

赤本みたいに「過去に面接でどう答えた人を採用しています」なんて情報は公開されていません。

「こういう人物を求めています」という採用基準は抽象的で不明瞭ですし、努力が反映される学力ではなく、「適性検査」という名の性格診断で弾かれます。

採用されるかどうかは面接官のさじ加減であり、不採用のときには「何がまずかったのか、どうしたらよかったのか」は教えてくれません。

その上、「顔採用」や「コネ入社」がまかり通り、「学歴フィルター」で説明会にすら参加させてもらえないこともあります。

まるでルールも自分の得点も分からない状態でゲームをさせられているようなものです。

それが仕方の無いことなのは分かります。

ルールや正解を教えてしまったら、対策されてマニュアル化されて応募者の「自分の言葉」ではなくなってしまうからです。

そもそも仕事をしていく上では、答えのない問いや理不尽にも対処していかなければなりませんから、面接はほんの入り口に過ぎないのかもしれません。

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私たちは、正解があることを学習してきた

義務教育から大学受験まで、私たちは「正しい答えが存在すること」を前提に勉強してきました。

算数ドリルの最後のほうには必ず「答え」が書かれていて、国語の作文ですら「こういう風に書くと先生は喜ぶんだな」というような正解パターンが存在します。

正答や解法パターンを覚えてしまうことは、天才でない子どもにとって(天才でない子どもに点数を取らせたい先生にとっても)魅惑的な方法です。

自分で考えても分からないし、バツを付けられる。

でも、教科書ガイドの答えを覚えて正答できれば、マルがもらえる。点数が取れる。褒められる。

自分で考えられなくても、手っ取り早く「正解」を手に入れて暗記しテストのときに答えを思い出して再現することさえできれば良いのです。

決して地頭はよくなくても、正解を記憶すればテストでそこそこの点数は取れるし、そこそこの大学にも行けてしまいます。

このように「正解が存在する」前提にどっぷり浸かっていた「優等生」だった私は、大学に入ってから落ちこぼれ、就活で完全に挫折しました。

レポート・論文で「自分の意見を述べなさい」「○○について論じなさい」と言われると、困ってしまいます。

どんな意見を書いたら正解なのか、なんて答えはありません。

それでも文章ベースなら誰かの意見を切り貼りして、正解っぽい答案を書くことはできました。

ところが、就活の面接となるとその場でパッと答えなければならず、誤魔化しがききません。

私は冒頭の雑貨メーカー以外にもいろんな会社の面接を受けましたが、とっさに何と答えて良いか分からず言葉が出ないことが何度もあり、結果は悲惨でした。

面接で自分の言葉で話すには?

やっと内定が取れたのは、小さな学習塾の会社です。

既に夏休みは明けて、秋口に差し掛かったころの面接でした。

小さな会社の狭い事務所の一角を間仕切りで区切っただけの応接スペースで行われ、一次面接が社長面接でした。

「零細企業だ」と思って舐めてかかってたので、話すことはほぼNO準備。

御社の理念に共感しました、今の学校教育とか塾業界はこういう問題があると思うから、御社でこういうことをやっていきたいです。

…みたいなことをアドリブで口から出任せにペラペラしゃべったら、なぜか採用されました。

うまく話せた勝因は、それまで一生懸命準備した他の会社と違って、力が抜けて自然体だったことがひとつ。

もうひとつは、その業界について深く考えていたことだったと思います。

深く考えていることは、自分の言葉で話せる

私は、教育学部の学生でした。

少し前までは自分が受験生だったし、塾や家庭教師でバイトもしてるし、もちろん大学で教育の理論も学んできました。

教員をやっていた父の姿も見ていたし、大学の教授や院生の先輩から話を聞くこともありました。

やる気の無い学生なりにも、教育の現場を経験して「それはどうなんだろう?」「もっと、こうだったらいいのに」と憤ることもありました。

たとえば、バイト先の塾には学校が荒れていて授業がまともに受けられない、という中学生がいました。

子どもに義務教育を受けさせる義務があるから、授業妨害をする生徒を追い出せないのか?

じゃあ、真面目に授業を聞きたい生徒の権利はどうなるんだ?

塾に来られる子はいいけど、貧乏な家の子はそのまま勉強が遅れるんじゃないか?

そういえば、イギリスでも教育格差が大きいって講義で習ったなぁ・・・

などと、なんとなく普段から勝手に考えていたんですね。

純粋に興味を持っていて知識の引き出しが多かったのが、アドリブでも話せた大きな要因だったような気がします。

自分の言葉で語るとは、抽象的な言葉を、自分の経験を伴って具体化することだと思います。

たとえば、自己PR で「私は面倒見がよいところが長所です」と言うとき、「面倒見がよい」は抽象的な概念です。

それよりは、「両親が共働きだったので、いつも下の兄弟と遊んだり、宿題を見てやったりしていました。自分自身はそんなに成績がよくなかったのですが、なぜか『教え方が上手い』と言われて同級生にも勉強を教えてました」みたいに、面倒見が良さそうなエピソードを語った方が具体的ですね。

自分が経験したこと、または、直接は経験していなくても深く考えたことは、生き生きと語れる「自分の言葉」となります。

普段から興味があることについては、放っておいても色んな経験をしたり、情報を集めて考えたりするので、引き出せる自分の言葉のエピソードも自動的に増えるのです。

逆に「自分の言葉」で語れないことは、元々あまり興味がないことなのかもしれません。

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面接で自分の言葉が出てくる方法

自分の知識や経験が生かせることで、なおかつ興味や意欲がかき立てられ、給料もよい仕事だったら最高ですが、3拍子揃っている仕事に出会えることはまれですね。

(私は「給料」が犠牲になりました。)

聞いたこともない会社や業界で、業務内容は大学の研究とも関係がなさそうなんだけれど、めちゃくちゃ給料が良い、なんてとき。

「正直あんまり興味はないんだけれど、面接を突破するために自分の言葉である程度は語れるようにしたい!」という場合は、どうしたら良いのでしょうか?

となると、やっぱり「準備」するしかありません。

演技でも良いので、その会社・業界に惚れ込み、徹底的に勉強しましょう。

このとき、調べたことを「暗記」するのではなく、本気で興味を持つことが大切です。

その業界や企業情報をよく調べて頭に入れておくのは、「聞かれたら答えられるようにするため」ではありません。

たとえば、その会社の株価をチェックする目的は、「面接官によく調べたことをアピールすること」ではないですね。

その会社に自分の人生を預けて長く働くわけですから、自分の時間や労働力を投資するようなもの。投資先として、業績が好調で将来性もある優良企業を選ぶのは当然です。

じゃあ、どのぐらい事業が上手く行ってるのかな?と調べようと思ったら、株価が気にならないワケはありません。

「興味を持つぞー」と思って調べるというよりは、自然に興味を持ってしまう、というのが本来です。

そして繋げられそうな自分の体験や大学での研究、一般のニュースや聞いた話などのエピソードもたくさん準備しておきましょう。

こちらも原稿のように一言一句覚えるのではなく、「自分の経験がどう繋げられるかな?」と深く考えてることが大切です。

いっかいよく考えておけば、細かいところは吹っ飛んでも、頭の中に本質は残っていますからその場でちゃんと話せます。

面接で言葉が出ないのを克服するには|まとめ

就職面接は試験というよりも、お見合いみたいなものです。

いちおう、こういう人と働きたいなって基準はあるけれど、なんとなくで断っちゃうときもあるし、能力も人間性も申し訳ないけれどウチで活躍させてあげられる場が無いから、って不採用にすることもあります。

だから、不採用を気にすることはありません。

新卒なんて能力に大差はなく、ただ合わなかっただけですから。

「どうしてもこの会社に受からなきゃ」と思うと、義務教育から培った「正解探し」のクセが発動して、出口の無い迷宮に迷い込んでしまいます。

そもそも正解はない、ということを思い出しましょう。

どうしても入りたかった会社が正解かどうかも分かりません。

その後どうなるかは誰にもわからないし、受かってみたら思ってたのと違った、というのもよくある話です。

私を不採用にした雑貨メーカーは、それから十数年後、雑貨部門から撤退し店を畳みました。

もしも採用されていたら、今ごろは人員整理で解雇されていたかもしれないし、雑貨と全く関係ない部署に異動になっていたかもしれません。

「答えはない」「分からない」を受け入れて、不採用を恐れないこと。

開き直って就活マニュアルを手放せば、きっとあなたの言葉が出てくるはずです。

取り繕っても、自分は自分。演技でよく見せようとしても、百戦錬磨の面接官には見抜かれます

だったら逆に本音で行っちゃってもいいんじゃない?

志望動機に「家から近い」「福利厚生がよい」「独立したい」だってアリ! 本音を言っておいた方が働くときに楽だよ。

就活の志望動機は本音が良い
志望動機は本音を言っておいた方が、働いてから絶対に楽になる。就職活動のエントリーシートや面接で必須の「志望動機」は、落とされる覚悟でも本音で書いたほうが良いと思うんだ。ウソの志望動機を書いて入社してから苦しんだ体験談、志望動機を聞かない会社に給与も交渉して採用された話、「家から近い」「給料が良い」本音の志望動機で受かった人々、他。...
ABOUT ME
高橋久美
会社を8年でやめてフリーライター4年目。たまたまブログから見つけた佐藤想一郎さんのご縁で最高の仲間たちと出会い、WEB媒体の他、最近はブックライティング、雑誌の編集など忙しくも充実した毎日を送っている。読んだ人の心が明るくなって、人生まで良くなってしまうような文章を目指して修行中。→ 詳しいプロフィールはこちらから
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ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。

私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。

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といったことにも触れています。

よろしければ読んでみてくださいね。

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