私は、音楽を聞きながら仕事ができません。特にボーカル入りの曲は気が散って作業が手につかなくなります。
会社員時代、事務所でいっつも洋楽が流れていて、「ユアービュティホー、ユアービュティホー♪」にめっちゃイライラしてました。
カフェとかで静かにBGMが流れて人の話し声とか全体的にザワザワしていると、なぜか大丈夫なんですけどね。
でもやっぱりシーンと静かな方が集中できます。
音楽とかラジオを聞きながら作業ができる人を見ると、なんで気にならないんだろう…と不思議に思っていましたが、その謎が溶けました。
脳が情報をキャッチするときには人によってクセがあり、得意な感覚の違いによってインプットの仕方が違うんだそうです。
というわけで今回は、脳のクセ、「優位感覚」についてまとめてみました。
目次
視覚・聴覚・身体感覚、得意な感覚は?
脳のクセを診断する質問
まずは、あなたの脳の癖のタイプ診断から行ってみましょう。
あなたがディズニーランドにいるところを想像してください。
そして、その様子を詳しく教えてください。
どんな説明になったでしょうか?
「エントランスにキャラクターがいる、シンデレラ城があって、ミッキー耳のカチューシャを付けた女子高生がいて…」などと、
目で見えるものについての言及が多い人は「視覚優位」タイプです。
「ショーやパレードの歌やセリフ、BGM、アトラクションで悲鳴が上がっている」など、
耳から聞いた情報が多い人は「聴覚優位」タイプです。
「キャラメルポップコーンの匂いがする、ワクワクする、アトラクションめがけて走る」など
体の感覚に関する説明が多い人は「身体感覚優位」タイプです。
いかがでしょうか?
もうひとつ、別の質問も試してみてください。
優位感覚が違うと使う言葉など表現方法も変わってきます。
あなたはディズニーランドで、友達とケンカをしてしまいました。
大人気なかったなあ、と思い反省しています。
仲直りしたい気持ちを表現するために、どんな行動を取りますか?
- 申し訳無さそうに手を合わせてテヘペロみたいな表情を見せる、LIMEスタンプで謝る(視覚優位)
- 「ごめんね」と声をかける(聴覚優位)
- 肩や手に触れる、美味しい物を食べさせる(身体感覚優位)
のように、おそらく最初は自分の優位な感覚から考えるでしょう。
自分がこうされたら嬉しいだろうな、と相手の気持ちを予想するからですね。
優位感覚の3分類
このように、優位感覚には、
- 「視覚優位」…視覚情報の処理・表現が得意
- 「聴覚優位」…聴覚情報の処理・表現が得意
- 「身体感覚優位」…身体感覚情報の処理・表現が得意
の3つのタイプがあります。
自分自身や周りの人がどのタイプなのかを把握しておくと、勉強や仕事でのコミュニケーションがスムーズになります。
たとえば、相撲中継でアナウンサーが勝利力士にインタビューをしているとき、リポーターが「あれはどうでした?」といろいろ質問しても、力士は
「あ、はい。よかったです」
みたいにボソボソしゃべってますね。
おそらく、声を使う仕事のアナウンサーは聴覚優位、体を使う仕事の力士は身体感覚優位の人が多いのでしょう。
お互いに相手の得意な情報や表現に配慮すると、伝わりやすくなります。
脳のクセとは優位感覚の偏り
もちろん3つの感覚は全員が持っていますので、「全部使ってるなあ」とか「時と場合によって変わるよ」という方は、バランスが良い人です。
全員ではありませんが、ADHDや広汎性発達障害など、発達障害を持つ人は得意不得意が極端な人もいるようです。
昔から、何かを朗読されるのが苦手でした。
本を朗読されると、中身が頭に入ってこない。自分ひとりで読む方が、ストンと内容が理解できるのです。
私は授業が大嫌いでしたが、その理由はそこにもあると思います。
教師は教科書を口に出して読みながら説明します。それがとても苦手だったのです。
また、フォトリーディングも可能であり、本を ”絵” として認識し、後から読み返すことができます。これも、視覚優位ならではの特徴だと思います。
もちろん、視覚優位の人全般に当てはまるわけではありません。
優位感覚は鋭いセンスとして役に立つこともありますが、同時に弱点になることもあります。
それぞれの優位感覚にどんな特徴があるのか、得意なことと苦手なこと、勉強や仕事をするときに配慮するポイントをまとめました。
脳のクセを理解した勉強・仕事・コミュニケーションを
視覚優位タイプの特徴
視覚優位あるある
- 無性に絵や図をかいて説明したくなる
- プレゼン資料はワードよりもパワポ
- 「〜なように見える」
- 「〜って本に書いてあった」
- 「〜っていうイメージ」
- しゃべってるとジェスチャーが多くなる
- 早口だ
- 面食いである、見た目で人を判断する
得意なこと・苦手なこと
- 目から入ってくる情報の処理能力が高く、本を読むのが速かったり、人の顔をよく覚えていたりします。
- 絵や写真、デザイン、空間把握能力に長けています。
- 人と会話をするときにも音声からイメージを作りながら聞いています。
- 早口で指示されると追いつかず、聞いたことがすっかり抜けてしまうこともあります。
- 周りがうるさくても勉強できますが、散らかっているなど目に入ってくるものが多いと意識があちこちに飛んでしまいます。
勉強や仕事でのポイント
- 音声よりも画像や文章からのインプットが得意です。
- 学校で先生の話は全然聞けていなくても、教科書や本を視覚的に記憶してリカバリーできます。
- 参考書などカラフルすぎると情報過多で見づらいと感じることもあります。
- 視覚タイプの人への配慮は、口頭で打ち合わせをしたり、何かお願いをしたときには、後でまとめたメモやレポートなどの文書にしてあげると喜ばれます。
- 話している途中で目が泳ぎ始めた時は、話している内容にイメージが追いついていないかもしれません。
- 「ここまでイメージできてますか?」と確認してペースを合わせてあげましょう。
- また、パッと見で覚えた気になって細部が抜け落ちていることが多いので、具体的なところは言葉で書いてもらったりして確認が必要です。
- 能力が活きる職業は、写真家、画家、デザイナー、作家、編集者、建築家、パイロット、ホテルマン、外科医、機械技術職、舞台製作者、テレビカメラマンなど。
聴覚優位タイプの特徴
聴覚優位あるある
- ガンガン、バキーン、シュワッ、など擬音語を多用
- 大きい音にビビる
- 人が言った事をいつまでも覚えている
- 本を読んでも頭に入らない
- 検索して調べるより人に聞いちゃいたい
- 「◯◯さんが〜って言ってたよ」
- 「聞いた話だと〜」
- 店を評価すると「うるさい」「しずか」が入る
得意なこと・苦手なこと
- 音楽や語学など、音を扱う分野は得意です。
- タモリさんのように、全然知らない言語でも音で覚えてリピートできる能力があったり、ダジャレや言葉遊びがうまかったりします。
- 人から聞いて学習することにも長けており、学校の先生が言ってたことや、誰かに言われた言葉などをずっと覚えていたりします。
- その半面、「あの人が言ってたから」と権威に弱かったり、ちょっと理屈っぽくなったりもしがちです。
- 音に敏感なため、うるさい場所や大きな音は苦手です。
勉強や仕事でのポイント
- 本を読むよりも、学校の授業やセミナーを聞いたり、人から直接話を聞くなど耳から学んだほうが覚えやすくなります。
- 可能であれば、講義などの音声を録音して後から聞き直すとノートを見直すよりも覚えやすいです。
- 苦手な教科書やマニュアルは、「音読」で理解が促されます。
- 聴覚タイプの人とやりとりをする場合は、メールよりも電話か直接会って口頭で伝えたほうがコミュニケーションロスを減らせます。
- 細部に意識が行きやすいので、全体像の話をしてあげましょう。
- また、大声が苦手だったりするので、声のボリュームやトーン、リズムなどは相手に合わせて上げると信頼が深まります。
- 適正の高い職業は、弁護士、教師、落語家、アナウンサー、ラッパー、作詞家、モノマネタレント、通訳、ミュージシャンなど。
身体感覚優位タイプの特徴
身体感覚優位あるある
- ぐいっと、えいやっと、スッと等の動きの表現
- レスポンスがゆっくりで相手から「聞いてる?」と言われる
- 「〜と感じる」
- 「なんか臭う」
- 「まったりしてました」
- ふわふわ、ツルツル、暖かい、冷たいなど感覚の表現
- 足が速い、スポーツ得意
- 手先が器用
得意なこと・苦手なこと
- 体の動きの感覚に優れている、運動能力の高いスポーツマンに多いタイプです。
- 実際にやってみるとあっという間に要領をつかんでしまいます。
- 目や耳から入ってくる情報よりも、その場の雰囲気や感じ方を記憶しています。
- 早口で説明されたり、スライドをパッパと切り替えられると情報の処理が間に合わず、もうちょっと味わいたいと思います。
勉強や仕事でのポイント
- 長々と説明するよりも「一回やってみよう」と体で感覚を掴みながらのほうが理解・記憶がしやすくなります。
- ノートを書き写す等、手を動かすと覚えやすいタイプです。
- 身体感覚タイプの人に教えるときは、とにかく経験を積んでもらってやりながら感覚を共有していきましょう。
- 感覚でものごとをとらえがちなので、具体的な数字や固有名詞はしつこく確認が必要です。
- 向いている職業は、スポーツ選手、ダンサー、料理人、整体師、エステティシャン、職人など。
※典型例を示したもので、すべての特徴に当てはまるとは限りません。
脳のクセに合わせる・いろんな人を想定する
人とコミュニケーションを取るときは、自分の優位な感覚に表現が偏らないように、相手にも分かりやすいように合わせてあげる必要があります。
相手をよく観察して得意なタイプを見極め、伝わりやすい言葉や表現方法を選びましょう。
その人の口グセや話し方、ジェスチャー、何かに反応するときの視線や表情、雰囲気からも多くのことが読み取れます。
その瞬間に五感を総動員して、相手を理解することに努めましょう。
集団の授業やセミナー、不特定多数がよむ文章など、一対多での情報発信をする際は、視覚・聴覚・身体感覚の情報をなるべくバランスよく入れましょう。
まとめ
- 人が情報を受取る時に最も得意な感覚を「優位感覚」と呼びます。
- 視覚優位タイプ…目で見たビジュアル情報に強い
- 聴覚優位タイプ…耳から聞いた音情報に強い
- 身体感覚優位タイプ…体で感じた体感情報に強い
- 自分の優位感覚に合わせて、勉強や仕事のやり方を工夫しましょう。
周りの人が得意な感覚を把握して少し配慮してあげると、コミュニケーションがスムーズになりますよ。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
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