「新入社員の皆には、それぞれ週1でブログを更新してもらうから、よろしくね!」
いきなり「新入社員ブログ」を任されて戸惑ってしまった、すぐにネタ切れになってしまい何を書けばいいのか分からない、といったことでお困りではありませんか?
私も新卒で入った会社で新入社員ブログを書かされた1人です。
学生のときにも個人ブログは書いたことはあったけれど、企業のブログを書くのなんて始めて。
一体、どんな事を書けば良いの?
毎週のネタに悩み、締め切りはいつも憂うつでした。
どうにかひねり出すのが「受付の観葉植物が新しくなりました!」なんて、どうでも良い社内ニュースばかり…。
その後、色々あって転職したりフリーランスやったりして、今はWebコンテンツ制作会社のライター職で採用され、ブログのような文章を書くのが本業になりました。
今振り返ると、新入社員ブログならもっとあんなこと・こんなことを書いて、面白いことをやるチャンスだったのになあ、ともったいなく思います。
そこで今回は、新入社員ブログを任されて困ってしまった皆さんと15年前の新入社員だった私に向けて、「新入社員ブログの書き方」のポイントをご紹介したいと思います。
目次
新入社員ブログに期待されること
会社は新入社員ブログに何を期待しているのでしょうか?
これを確認しないで文章を書き始めるのは、ゴール地点を知らされないままマラソンをスタートするようなもの。
まずは企業の新入社員ブログの目的を考えてみましょう。
企業ブログの目的の例
企業がブログを運営する目的には主に以下のようなものがあります。
- 読者に役立つ情報を発信することにより見込み客を獲得する(コンテンツマーケティング)
- 信頼性のある情報を提供・拡散し、世間の信頼や知名度を向上させる(ブランディング)
- コメント欄やSNSなどからフィードバックを受け取る(リサーチ)
しかし、これは企業の公式サイトのブログやオウンドメディアの話。
記事を書くには業務知識もライティング技術も必要になりますから、社外の専門家やライターに外注する企業も多いのです。
多くの場合、新入社員に任せるブログには別の目的があります。
会社のイメージアップ【建前】
新入社員ブログは、ホームページのメインコンテンツとは別のコーナーや無料ブログサービスを使用することが多いようです。
つまり、最も読まれる場所とは別に、ひっそりと目立たないように公開されているのです。
わざわざ読むのはよほどマニアックなお客さんか、ブラック企業なのかどうかを確認したい就活生ぐらいでしょう。
建前上の目的は、「新入社員から見た会社の良さを発信してイメージアップに繋げる」など。
建前上、というのは、裏の目的があるからです。それは…
何か仕事っぽいことをさせたい【本音】
はい。企業の本音は、新入社員をとりあえずパソコンに向かわせて、何か仕事っぽいことをさせようと思ってるんですね。
新入社員は主に研修や雑用ばかり。それで「つまらないからやめます」って言われたら企業も困っちゃいます。
クリエイティブな仕事である「ブログ」を半分研修の一環みたいな形で書かせたら面白いんじゃないか、というわけです。
つまり「一生懸命ブログを書いて、ちょっと楽しくなって、会社を好きになってくれればOK! ついでにイメージアップに繋がればなおよし!」ぐらいのノリなのです。
ものすごく面白くてバズって集客力のあるブログなんて最初から期待されていません。
ですから、肩の力を抜いて、楽しみながら書きましょう。
新入社員ブログで気をつけるポイント
肩の力を抜いて…と言っても企業の「顔」として書くわけですから、注意は必要です。
新入社員ブログを書くときに、特に気をつけたいポイントをまとめました。
無難・イズ・ベスト
私が新入社員ブログを書いていた頃に海外でテロがあり、日本に帰ってくる飛行機がストップするなどの騒ぎになったことがありました。
会社の先輩がちょうどテロのあった国に旅行に行っていたのですが、間一髪のタイミングで帰国し無事に出社できた…という話ををブログの記事を書こうとしたら、広報の人からボツにされてしまいました。
NGな理由は、「今まさに帰ってこられなくて大変な人もいるのに不謹慎だ、と叩かれるから」というもの。
新入社員ブログなんて滅多に読まれませんが、アラ探しの好きな暇人はいるものです。
インターネット上に変なことを書けば一気に拡散・炎上する可能性は常に隣り合わせであることを忘れてはいけません。
特にお堅い会社では、時事ネタやゴシップなどは避けた方が無難です。
ステークホルダーを批判しない
しかし真面目な記事ならなんでもOKというわけではありません。
「この業界は腐ってる!消費者も目を覚まさなければいけない!自分が変えていく…!!」
若者の勢いで野望を語るのは良いのですが、お客さん・見込み客や地域の人、株主、取引先、同業他社など、利害関係のある人々を批判するのはダメです。
お客さんや株主はお金を出してくれる人っりですから当たり前ですね。
また、ライバルの会社を下げて自社を上げるのはダサいので、イメージダウンになります。
もちろん、自分の社内の人を批判すると怒られるのでやめましょう。
周りも褒めつつ、自社の良さも伝えていけると良いですね。
新入社員の立場にふさわしい発言
ちょっと似ていますが、上から目線の偉そうな意見・正論にならないようにも要注意です。
イノベーションだ、ビジョンだ、人間力だ、と経営者目線で語っても、有能アピールできるどころか「お前は何様だ!」と思われてしまいます。
何も、頭が良さそうな小難しい事を書く必要はありません。
新入社員だからこそ気づけること・考えられることがあります。
「なぜ、マニュアルではこういう手順になっているんだろう?」というような新人の素朴な疑問から、会社の安全へのこだわりが見えてくるかもしれません。
とにかく謙虚に、フレッシュな目線で書いた方が、新人らしく好印象になりますよ。
機密情報・個人情報の取り扱いに注意
社外に出せない機密情報や個人情報の扱いにも気をつけましょう。
取材の段階で「これって、どこまでブログに書いて大丈夫ですか?」と現場の人に確認を取り、原稿を公開する前には必ず上司に目を通してもらうこと。
勝手に公開してトラブルになったら自分の責任ですが、上司に確認を取ったのにトラブルになったら上司のせいにできます。
また、ブログ用の写真を撮る場合は映り込みそうな従業員やお客さんに一声かけ、ネットに顔を出したくない人に配慮しましょう。
業務 8:趣味 2
すっかり温かくなってきましたね。私はバードウォッチングが趣味なのですが、この時期は桜の木にウグイスやメジロが止まっているのが見られます。(・・・以下、ずっと鳥の話)
最初から最後まで仕事に関係ない趣味の話では、「個人ブログじゃないんだから」と上司からツッコミを入れられてしまいます。
かといって、業務に関する専門的な話ばかりだと、社内や同業の人しか分からない内輪ネタになりがちで、一般の読者にはウケまえん。
理想は、たまたま見かけたブログをきっかけに一般読者や就活生が会社に興味を持ってくれること。
なので最初のツカミなどでちょいちょい流行りのネタや趣味の話を入れるのはアリですが、メインは会社や業務についての話をするのがおすすめです。
業務 8:趣味 2 くらいがちょうど良いバランスではないでしょうか。
でも、業務のネタってどんなことを書いたら良いのか難しいですよね。
次では仕事の中からブログのネタを見つけるアイディアをご紹介します。
新入社員ブログにおすすめのネタ
新入社員ブログのネタに困ったら、こんな手を使ってみてください!
オフィス・店舗・工場などを紹介
就活生向けのブログなら労働環境の良さをアピール。
見込み客がターゲットなら、品質管理やホスピタリティなど素敵だなと思われそうなポイントを紹介しよう。
研修で店舗や工場を見学したり、営業に同行したりするときはネタ集めのチャンスです!
先輩の鮮やかな仕事ぶりを紹介
仕事を教えてくれる先輩を見て「すごい!」と思ったこともネタになります。
オムレツの作り方や麻雀牌の「洗牌」など、職人技な動画はYouTubeやSNSでも人気。
ベテラン社員のスゴ技を見つけたら、写真や動画を交えてブログにまとめると面白くなると思います。
社長や社員にインタビュー
ランチ時はブログ取材のチャンス!!
「新入社員ブログの取材でお話を聞きたいので、ランチをご一緒させてもらえませんか?」と先輩や上司などをランチに誘いましょう。
食事しながらメモを取るのは大変ですので、スマホで録音して気軽に雑談するような感じでインタビューするのがおすすめ。
「今はどんな仕事をされてるんですか?」「これまでで印象に残っている仕事は? 大失敗したことは?」「将来の野望を教えてください!」
など、いくつか質問を用意しておき、「へぇ〜」「さすが!」「それで、どうなったんですか?」「そこ、詳しく教えてください」のように少しオーバーなくらいリアクションをしながら聞きましょう。
だいたい10分の会話で1,000文字ぐらいの記事になります。
気分良く話してもらえれば、ランチもご馳走になれる…かも?!
ブログをアップしたら、インタビューさせてもらった先輩にお礼がてら報告メールを送り、次に会ったときにひと言お礼も忘れずに。
社内の面白エピソード
普段の雑談からもブログネタはたくさん見つかります。
- キャラが立っている同期や先輩
- 笑える失敗談
- 子育て中の社員の育児ネタ
ただおバカなネタだとバカな会社だと思われて終わってしまうので、フォロー体制や社風の良さをさりげなくPRすると良いでしょう。
新入社員ブログの書き方のコツ
最後に、ブログを無理なく書き続けるためののコツをいくつかご紹介しましょう。
良い文章を書こうとしない
「良い文章を書かなければ」と思うと、肩に力が入ってしまい逆に書けなくなります。
そもそもライターとして採用されたワケはないので、文章は上手くなくても別にどうってことはありません。
明らかな誤字脱字がなければ、最低限は大丈夫。
文章のうまさよりも、中身で勝負しましょう。
目的と読者ターゲットを確認する
新入社員ブログの執筆を命じられたら、必ず次の2点を確認します。
- ブログの目的・ゴール
- 主な読者ターゲット
これらを明確にしていないと、何を書いたら良いか分からなくなったり、見当違いな記事になってしまったりします。
たとえば、
ターゲット:就活生
なら、新入社員の目線で働きやすい環境への取り組みや社風を発信し、新卒の求人応募を増やす目的で新人にブログを書かせるパターンです。
仕事の内容だけでなく、社内のコミュニケーションや休暇の取りやすさ、福利厚生など、応募する人の不安がなくなるような記事が期待されます。
または…
ターゲット:顧客・見込み客・取引先
「ウチの新入社員はこんなに頑張ってますのでよろしく!」と対外的にアピールし、顔を覚えてもらって信頼を作り、取引をスムーズにする目的です。
研修内容や、先輩・上司に教わったこと・フォローしてもらったこと、仕事にかける思いなど、「こんなにしっかり教育されて、フォロー体制も整っているなら、担当者が新人でも安心して任せられるな」と思ってもらえるような内容を発信しましょう。
このように目的とターゲットの違いで、書くべき内容も全く変わってしまうんですね。
目的や読者ターゲットがわかれば、どのように書けば良いかも自ずと決まってきます。
今日は何を書こうかな?と迷ったときは、読者ターゲット層にあたる人を1人、具体的に思い浮かべてみましょう。
「大学の後輩で就活中の山田くんがこのブログを読んでいるとしたら、どういうことを読みたいかな? 何が書いてあったらこの会社を受けてみようと思うかな?」
そんな風に「読者が読みたいこと」から考えてみると、良いネタが思い浮かびますよ。
前もってネタ探し・取材をしておく
パソコンの前に座って、MicrosoftWordを開いてから「何を書こうかな、最近何か面白いことあったかな」とネタ探しを始めても、なかなか良いアイディアは出てこないし、ブログを書くのにものすごく時間がかかってしまいます。
パパッと書くためには、普段からアンテナを張って「これはブログのネタになるぞ!」と思うことをメモしておきましょう。
いつでもメモできるスマホのメモアプリや、メールの下書き保存が便利です。
いろいろ書くより1つを詳しく書く
今日は一日、ルートセールスの先輩に着いて、ショップを3か所見学して店長さんたちの話を聞いてきました。いろいろ勉強になりました。
のように、全体をまとめて書くと、数行で終わってしまいます。
「いろいろ」をもっと分解して、1つのエピソードを詳しく書くともっと面白くなりますよ。
今日はルートセールスの先輩にショップの見学に連れて行ってもらったのですが、そのショップのひとつがエリアでナンバーワンの売上げを3年連続で更新し続けているすごいショップなのです。
いったいどんな工夫がされているのでしょうか? 新入社員・伊藤がレポートします。・・・
のように、ブログのテーマを1つに絞って詳しく書くと、上司にも参考になるような、面白いコンテンツが作れるかも!
新入社員ブログの書き方|まとめ
というわけで、実はあんまり期待はされていない新入社員ブログ。
作家のように上手に書く必要はありませんが、しっかり取材して面白いネタを盛り込むと、お客さんにも「あのブログの新人さんだ!」と覚えてもらえたり、上司からも「あの記事、すごく参考になったよ」と喜んでもらえたりして、ぐーんを株を上げるチャンスにもできます。
ぜひ楽しんで書いてみてください!
入社したての頃は、ブログ以外にも慣れないことだらけで大変ですよね。
新入社員が気をつけた方がいいことは以下の記事でまとめてあります。
先輩をイライラさせずに質問するコツって? スキルアップの勉強は何から始めるべき? 上司が残業してるけど、先に帰って大丈夫?
そんな疑問は今すぐ解決!
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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