関係を築く

誰かの特別になりたかった|特別な人になりたい承認欲求という心理

特別な存在になりたかった

誰かにとっての特別な人になりたい、と思ったことはありますか?

親、友人、恋人…世界中に誰かたった1人でも、自分のことを特別に思ってくれる人がいるのなら、それはきっと幸せなことなんだろうと思っていました。

誰かの特別になりたかった

特別な存在とは、

  • その人が土砂崩れの下敷きになったら何時間でも必死に掘り返して助けたい人。
  • 世界中を敵に回しても自分だけはその人の味方でいたいと思う人。
  • その人のためだったら親兄弟でも殺せるぐらいに好きな人。

そんな「特別な人」に憧れていました。

しかし現実の私は特別な人にはほど遠く、割とどうでも良いその他大勢、どちらかというと「よく忘れられる人」でありつづけました。

友達3人で歩いていたら、2人が前を歩いて私は1人後ろから付いていくような子供でした。

クラスで「好きな人どうし」のグループを作ったら、別に好きでもない知的障害っぽい子とかの「余った人」グループに入れられます。

高校の時は、いつも教室で一緒にお弁当を食べていたグループが「今日は学食に行こう」ってときには私には声をかけ忘れて教室にぽつんと置き去りになったことがあります。

卒業アルバムの寄せ書きページはほぼ真っ白。

大学でサークルとかバイトとかで関わる人はできたものの親友と呼べるような友達はできず、卒業パーティーはずっと手持ち無沙汰で終わりました。

彼氏ができたこともありますが、1人目は実は私が浮気で本命がいたパターンで、2人目はネトゲ廃人で全然構ってもらえず、3人目は遠距離になって仕事の方を取られて別れました。

1人でも楽しいことはいっぱいあるので、不幸だとは思いません。

でもふと、どうして私じゃないんだろう? と腹立たしく思うことがあります。

確かに私は性格が悪いしブスだけど、もっとトドみたいな人だって結婚して愛されてる人はいっぱいいるのにどうして私が選ばれないんだろう、と。

私が土砂崩れの下敷きになっても、いなくなったことすら誰にも気づかれないし、わざわざ掘り起こしてくれるのは自衛隊の人だけなんだろうな、と。

死ぬことが悲しいんじゃなく、誰にも特別に思われてないことが悲しいのです。

そういう「見捨てられ不安」みたいなものの源泉は、おそらく幼少期の母との関係にあるのかもしれません。

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母の「好きじゃない方の子ども」だったトラウマ

私は長女で、3歳までは家族親戚みんなの愛情を独り占めしてワガママに育ちました。

ところが妹ができて、母が出産で入院している間は祖母宅に預けられ、やっと母が戻ってきたと思ったら今度は赤ん坊に付きっきりです。

今まで自分に向けられていた注目が全部妹の方に持って行かれ、プライドはズタズタになりました。

「妹と私、どっちが好き?」と母に聞くと「どっちも好きだよ」と言います、妹を抱っこしたままで。

でも、私は「2人とも好き」なんかじゃ嫌でした。

「くみちゃんが一番好きだよ」って言って妹なんかどこかに捨ててきて欲しかった。

そのうっぷんを晴らそうと、ヨチヨチ歩きの妹を後ろから突き飛ばしたことがあります。

怒った母親は、私を玄関の外に放り出しました。

母は私が泣いて謝ると思ったらしいですが、私はそのまま道路の方に歩いて行くので慌てて連れ戻したらしいです。

このとき、裸足で歩いたアスファルトのゴツゴツした感覚と、自分は要らない方・選ばれない方の子供なんだという惨めさだけは今も忘れられません。

私の方がお姉ちゃんでいっぱい我慢して頑張ってるのに、上手にできることもいっぱいあるのに、どうして私じゃないの? なんで妹なの?

そういうことが何度かあって、私は仲間はずれにされること、見捨てられることに対して異常な恐怖心を持っています。

見捨てられるぐらいなら自分から関係をぶち壊してしまおう、という発想で相手を試すようなわざと怒らせるような言動をすることも多々ありました。

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特別な人になりたい心理

友達にも恋人にも、相手が嫌がること傷つくことをわざとやってしまう「試し行為」のせいで嫌われてしまうことばかりでした。

でも、たった1人、普通なら1発で絶縁だろうってことをやらかしても「それは本心じゃないから」と変わらず信頼を寄せてくれる人が現れました。

ところが4回目ぐらいでついに「自分がどんだけ愛されるべき存在だと思ってるんだ!」と怒られました。

そして、気づいたのです。

ああ、結局その人にとっての私は特別でも何でもなかったんだ、生きてようと死んでようとどうでもいい「その他大勢」だったんだ、と。

ちょっとでも自分が選ばれた、特別だ、と勘違いしてたのが恥ずかしくて、悔しくて、もう消えてなくなりたいと思いました。

それと同時に、「私は特別に思ってたのに、ひどい、もう知るか!」という恨みのような無関心のような感情も湧いてきました。

そこで少し冷静になれて、考えてみればひどい話だなとも思いました。

私は自分が「特別な存在」として認められるために周りの人を利用していたのです。

まあ、そんな自意識まみれの面倒くさいヤツだから嫌われても仕方ないよなあ、と納得しました。

誰かの特別になりたかった誰かへ

特別扱いされることって、人それぞれ違うイメージがあると思います。

それは兄弟の中でひいきしてくれることだったり、困った時に飛んできてくれることだったり、ハリーウィンストンのエンゲージリングかもしれません。

でも相手の立場になってみれば、その期待に100%答えるってとても難しいことですよね。

自分では「えっ?」となることでも、もしかしたら相手はそれなりに大切に思ってしてくれたことかもしれません。

ある人は母親から「高校生になったら自分でお弁当を作るんだよ」と小学校に上がる前から言われて家事を仕込まれて育ったそうです。

面倒だな、と思うこともあったけれど、社会人になってから1人でもちゃんと生活ができるのは母親が教えてくれたおかげで、感謝していると言います。

特別扱いしてもらえないのも、期待していた形とは違うけれど、成長して欲しいという一つの愛の表現の形なのかも知れません。

親とか友達、恋人も、きっと彼らなりに愛を表現してくれていて、それを受け取ってあげていなかったのかも知れません。

私達は誰かの特別にはなれなくても、数え切れないほどの愛をすでに受け取っています。

ABOUT ME
高橋久美
会社を8年でやめてフリーライター4年目。たまたまブログから見つけた佐藤想一郎さんのご縁で最高の仲間たちと出会い、WEB媒体の他、最近はブックライティング、雑誌の編集など忙しくも充実した毎日を送っている。読んだ人の心が明るくなって、人生まで良くなってしまうような文章を目指して修行中。→ 詳しいプロフィールはこちらから
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ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。

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