頭の中がぐちゃぐちゃで考えがまとまらない。そんなことはありませんか?
ぐるぐる考えて結局分からなくなってしまったり、自分の中で何か矛盾してモヤモヤしてしまったり、次から次へといろんな妄想が浮かんできて収集がつかなくなったりしますよね。
思考の整理ができない人、悩みを複雑にしてしまいがちです。
思考の整理術として、ノートに図をかく、フレームワークやアプリなどのツール使う、といった方法が多数ありますが、書き出してみたところで結局うまくまとまらないこともあります。
そもそも頭に入れる段階での認識違いや、思い込みがあると、頭の中からそのままアウトプットしてもその情報そのものが既に歪んでいるので、結論も正しく導けません。
だからと言って、何か難しく考えなければならないのかというと、そういうわけでもないのです。
今回は、誰でも簡単に思考の整理ができるようになる「メタモデル」の考え方を紹介します。
目次
なぜ頭の中がぐちゃぐちゃになるのか? 3つの原因
私たちは通常、何か思考する時には「言葉」を使っています。
何か頭のなかで「ああでもない、こうでもない」と1人でブツブツ言ってしまいますよね。
実は、この「言葉」が思考をごちゃごちゃさせる原因なのです。
なぜなら私達が言葉を使うとき、事実をありのままに詳細にとらえることはせず、一般化、歪曲(わいきょく)、省略が行われるからです。
一般化
1つの物事から、全部がそういうものだと当てはめてしまう「一般化」が起こっています。
無意識に限界を定める
「〜できない」「〜は無理だ」などの言葉を使って、無意識に限界をつくってしまいます。
例)今よりも給料の高い会社に転職するなんて無理だ。今の激務の中で転職活動はできない。
必要性を決めつける
「〜すべきだ」「〜すべきではない」と、必要性を決めつけています。
例)新卒からお世話になった会社なんだから、最低でも3年は勤めるべきだ。恩を仇で返すことはするべきではない。
例外を認めない
「全て」「いつも」「誰でも」「皆が」「決して〜ない」「1つも〜ない」など、例外を認めずに肯定、または否定します。
例)自分は何かに挑戦すると、いつも上手くいかない。今までの人生で良かったことなんか1つもない。
歪曲
違う意味にとらえる
事実や意図を歪めて別の意味にとらえます。
例)上司は私に困難な仕事ばかり指示するので、音を上げてやめるのを待っているのだと思う。
隠れた前提
言葉の中に、何らかの前提が隠されています。
例)どうして自分はもっと努力できないんだろう。(努力していないことが前提)
おかしな因果関係
原因と結果の関係がズレている、または飛躍があるパターンです。
例)学歴が低いから、同僚と比べて出世が遅い。
人の気持を憶測する
まるで読心術を持っているかのように、人の気持ちを憶測して決めつけます。
例)上司は私のことを憎んでいる。
省略
あいまいな名詞
「誰が」「いつ」「何が」「どこで」「誰に」などが省略されて、名詞をあいまいになります。
例)仕事を早く終わらせたら、誰かの仕事が回ってきてやることが増えるだけだ。(何の仕事? 誰? 何をやるのか?)
あいまいな動詞
抽象化されて、具体的なところが抜け落ちています。
例)頑張ります。(何をどのように行なうのか?)
比較
無意識に何かと比べています。
例)私は営業が下手だ。(誰かと比べている)
名詞化
名詞と一体化して、言葉のイメージに引っ張られます。
例)私はクズだ。(クズとは具体的に?)
いかがでしょうか? 無意識に頭の中で使っている言葉ですが、情報を極端に一般化する、歪めて受け取る、具体的な部分が欠落する、などの「思い込み」が含まれているということが分かりますね。
「メタモデル」は、こういった思い込みを排除するための考え方です。
メタモデルとは?
メタモデルは質問話法
メタモデルは、もともとビジネスやカウンセリング、セラピー、教育の現場などで用いられるコミュニケーションツールです。
前述のように、私達が言葉を使う時には情報の一般化、歪曲、削除が起こっていますので、相手が話すことを言葉通りにそのまま解釈すると真意を汲み取れません。
そこで、相手が言葉の背景に持っている意図をより具体的に引き出すための質問話法として「メタモデル」が作られました。
メタモデルでは、4W1H(いつ、どこで、誰が、なにを、どのように)を質問することで、言葉を具体化していきます。
メタモデルの目的
メタモデルは、次のような目的で使用されます。
- 言葉と体験を再統合する
- 情報を収集する
- 言葉の意味を明確にする
- 制限しているものを発見する
- 選択の可能性を広げる
メタモデルを自分に使うという発想
一般的には、人との会話で使われるメタモデルですが、自分の頭の中の会話「セルフトーク」にも使えます。
私は、コンサルタントの人にビジネスの悩みを相談していたことがあるのですが、「これって、こうじゃないですか?」などと何か質問すると、たいてい「どうしてそれが分かるんでうか?」と質問で返されて、「あっ!」と解決してしまう、ということが多いです。
思えば、メタモデルの質問話法を使われていたのですね。
後にとあるセミナーで「メタモデル」にのことを知ってからは自分でメタモデルをやってかなりのことが自己解決してしまうようになりました。
メタモデルを自分自身に適用することにより、自分では気づかなかった思い込みや、間違った前提、ボンヤリとしたまま不安になっていたことなどを発見し、思考を整理できます。
やってみると、悩みの多くは問題ですらなく、ただ自分の思考でこねくり回していたことに気づくでしょう。言葉が抽象的だから悩むのです。
どんなに考えても答えが出ずにぐるぐる堂々巡りになる悩みは、そもそも前提や「問い」そのものが間違っているかもしれません。
セルフ・メタモデルの方法は簡単で、ぐるぐる考えて悩み始めたときに、自分にいくつかの質問をしてそれに答えるだけです。
次では、具体的な質問の方法を見ていきましょう。
実践! メタモデルによる思考の整理
過度な一般化を解消する質問
- ほんとうに、いつもそうか?
「ほんとうに、いつも不幸だったか?」 - 誰か、例外はいないか?
「低学歴でも出世している人が1人でもいないか?」 - もしも、そうするとしたらどうなるか?
「もしも、転職したらどうなるか?」 - あえてそれを、しないとしたら?
「あえて、上司の期待に応えないとしたら?」 - 〜〜なときが、一度でもあったか?
「何かを達成したことが、一度でもあったか?」
歪曲された事実を元に戻す質問
- ◯◯がどうして✕✕なことになるのか?
「困難な仕事を任せることが、どうして辞めさせたいことになるのか?」 - どうしてそれが分かるのか?
「自分が努力していないと、どうしてわかるのか?」
「どうして、自分のことを上司が嫌っているとわかるのか? - それがどのように原因になっているのか?
「学歴が低いことが、どのように出世の妨げになっているのか?」
省略した情報を復元する質問
- 具体的に言うと?何が?
「具体的に、何をどう、頑張るのか?」
「クズとは具体的にどういう状態を指すのか?」 - 何と比べているのか?
「誰と比べて営業ができないと思うのか?」 - 誰が、どういう根拠で言っているのか?
「自分がクズだとは、誰が言ったのか? 根拠は何か?」
※注意…メタモデルを人に使うときは、これらの質問をする前に相手との信頼関係(ラポール)が必要です。急にやるとただのウザい人になるのでお気をつけください。
まとめ
思考が整理できない3つの原因
ぐるぐるして思考が整理できないとき、次の3つの原因でそもそもの認識が間違っている可能性があります。
- 一般化…いつも・みんなそう、と過度に一般化する
- 婉曲…情報をゆがめて受け取る
- 削除…不都合なことをないことにする
メタモデルとは
メタモデルとは、コミュニケーションの場面において言葉の一般化・婉曲・削除により欠落した情報を補うための質問話法です。
言葉の意味を明確化したり、可能性の拡張したりする目的で、ビジネスや教育の場で用いられます。
メタモデルを自分自身に対して使うことにより、ぐちゃぐちゃして整理できない思考をすっきりまとめることが可能です。
メタモデルのセルフ質問リストまとめ
- ほんとうに、いつもそうか?
- 誰か、例外はいないか?
- もしも、そうするとしたらどうなるか?
- あえてそれを、しないとしたらどうか?
- 〜〜なときが、一度でもあったか?
- ◯◯がどうして✕✕なことになるのか?
- どうしてそれが分かるのか?
- それがどのように原因になっているのか?
- 具体的に言うと?
- 何が?
- 何と比べているのか?
- 誰が、どういう根拠で言っているのか?
あなたもメタモデルを使って、思考の整理をしてみてください。きっと、スッキリしますよ。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
(下のボタンを押すとフォームが開きますので、情報を入力して〝送信する〟ボタンを押してください。メールにてレポートをお届けします。)