せっかく働くなら、社会貢献度の高い仕事ができたら嬉しいですよね。
ところで「社会貢献度が高い」とはどういうことなのでしょうか?
今回は、仕事を通じて社会貢献する方法、そして個人がごく普通の会社で社会に貢献するにはどうしたら良いのか、いろいろ調べてまとめてみました。
目次
仕事と社会貢献3つの考え方
仕事と社会貢献については、いくつかの考え方があります。
仕事でお金を稼ぎ、余暇でボランティアをする
仕事そのものの社会貢献度は問わず、生活するためのお金を稼ぐものとして、社会貢献は余暇の時間を使って行う、という発想ですね。
たとえば、週末に地域のゴミ拾いをする、児童館で本の読み聞かせをする、災害被災地に行って片付けを手伝う、など。
仕事でお金を稼ぎ、納税・寄付をする
どんな仕事でも、お金をたくさん稼いだら、いっぱい税金を納めることになります。
利益をださないで税金を払わない会社より、がんがん儲けて法人税や従業員の所得税をいっぱい払っている会社の法がよほど地域に貢献している、とは考えられないでしょうか?
税金を納めても、なおお金が有り余っている会社は、そのお金を寄付などに使って社会貢献していますね。
例えば、東日本大震災のときには、名だたる企業が義援金や物資の寄付を行いました。
日本コカコーラ社 ・米ザコカコーラカンパニー社は義援金6億円に加え、700万本を超える飲料を無償提供、さらに「コカ・コーラ 復興支援基金」より総額25億円を支援。
また、ニトリホールディングスは社長の個人資産を含め10億円相当の義援金と毛布や布団などの支援物資を寄付しました。
その他、数々の企業から億単位での寄付が集まっています。
仕事そのものによって社会に貢献する
最初から社会貢献度が高い仕事に就くというのもアリですね。
公共の利益に貢献している団体と言えば、パッとこんなものが思い浮かびます。
ユニセフなどの国連機関
UNICEF(国際連合児童基金)やUNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)などの国連機関で働く「国際公務員」になるには、外務省の国際機関人事センター経由で求人やインターンに応募します。
NGOやNPO
国境なき医師団やグラミン銀行を代表とする国際NGO(非政府組織)やNPO法人(非営利組織)、財団法人等も社会貢献度の高い活動を行っています。
求人情報は各団体のホームページや新聞広告等でチェックしましょう。
有償ボランティア
青年海外協力隊はボランティアなので厳密には仕事ではありませんが、往復の渡航費や現地での生活費が支給され帰国後の進路支援も受けられます。募集は春と秋の年2回。
その他、福祉関係などの有償ボランティアが活躍しています。
社会貢献度の高い仕事、企業の取り組み
利益を出す=世の中に必要とされている証
伊藤忠商事のルーツ、近江商人には「売り手によし、買い手によし、世間によし」の「三方よし」という商売の考え方があります。
近江商人とは、全国各地を行商して歩きながら各地のニーズや価格差などの情報を仕入れ、全国規模の商品流通をおこない日本経済の発展に大きく貢献した人たちです。
商売は菩薩の業(行)、商売道の尊さは、売り買い何れをも益し、世の不足をうずめ、御仏の心にかなうもの(初代・伊藤忠兵衛の言葉、近江商人と三方よしより)
たとえば、北海道にはカニは豊富だけどマンゴーが不足しています。
そこで、商人が北海道からカニを輸出して、他からマンゴーを仕入れて不足を補ってあげるわけですね。
マンゴーを食べたい北海道の人は喜んでお金を払うし、商人も儲かるし、宅配業者とか梱包材を作ってる会社とか、小売りの八百屋も潤って、世の中みんなにとって良くなります。
なるほど、人の役に立っているから、お金が儲かるんだね
『都鄙問答』商業が世の役に立つ証明
ところが、商人がこのように活躍しても、17世紀末の節の時代には士農工商の身分制度では最下層に位置づけられていました。
農民は米や野菜を生産するけれど、商人は売り買いだけで楽して利益を得ている!と見られていたためです。
その商人の地位を高めたのが、石田梅岩でした。
梅岩は『都鄙問答』の中で、このように述べています。
商人の売買の利益は、武士の俸禄えと同じである。売買の利益がなければ、武士が俸禄なしで仕えるようなものである
商人は、左の物を右へ取り渡しても、正直に利益を取る。不正をして取るのではない。鏡に物をうつすように、隠しだてすることはない。商人は、正直に利益を取ることによってなりたち、正直に利益を取るのは商人の正直である。利益をとらなければ、商の道ではない。
この教えにより、商人たちは自信を取り戻しました。
CSRからCSVへ、仕事で社会貢献を
CSRとCSVとは?
CSR(Coporate Social Responsibility)は、初期の段階では「公害を出さない」など、「利益のために何でもして良いわけじゃいよね、悪いことはしないようにね」というような消極的な考え方でした。
それがバブル期には、本業で得た利益を社会に還元しよう、という積極的な考え方に変わります。たとえば寄付したり、社員が地域でゴミ拾い活動をしたり。
それが今度は、「本業を通じて社会問題を解決しよう」というCSV(Creating Shared Value,共有価値の創造)という考え方に移行しつつあります。
CSVとは、世の中に貢献する活動によって、企業としての競争力を高め、持続的な成長を目指すもの。
たとえば、こんな事例があります。
日本企業のCSVの事例
『午後の紅茶』のキリングループでは、美味しい茶葉を将来も持続的に仕入れるために、スリランカの紅茶農園と付属学校を支援する活動を行っています。
活動内容は、スリランカ紅茶農園の子どもたちが通う学校へ図書と本棚を寄贈する「キリンライブラリー」と持続可能な農園認証制度「レインフォレスト・アライアンス認証」を取得するための支援の二本立て。
CSVのポイントは、縁もゆかりもないどこかの国に適当にお金を寄付するのではなく、日頃から取引のある産地の人たちを支援することで、よりよい製品作りを目指している点かと思います。
個人が普通の会社でできる社会貢献
ここで改めて、これから社会の一員として働く個人として、どのように社会貢献ができるのかを考えてみましょう。
社会貢献度の高い団体や企業などに、希望通りに就職できれば仕事にまい進していけば良いですが、ごくごく普通の会社とかで特にCSR部門でも何でも無いところに配属される可能性もありますよね…
利益を追求する
民間企業の場合は、難しく考えずに、まずは目の前のお客さんに貢献することを第一に考えましょう。
お金を稼ぐことは、イコールお客さんの「ありがとう」の感謝の気持ちを集めることです。
「こんなにお金をもらったら悪いなあ」と思うのは、その人への貢献度が低いとき。
お客さんに喜んでもらうために、自分にできる最大のサービスを提供して、やりきったと思えれば、そこに感謝された対価は堂々と受け取って良いんです。
それでも「自分ばっかり儲かって悪い」と思ってしまう人は、こんな風に考えてみてください。
自分がお客さんのために最高に良い仕事をするためには、体も健康じゃなきゃいけないし、ちゃんと風呂に入ったり、きちんとした服装や髪型をしていなきゃいけないし、仕事中に「家賃が払えなくてどうしよう」みたいな余計な事は考えていられません。
良い仕事をするためには自分を整えていなければなりませんが、そのためにはお金がかかります。
お客さんに喜んでもらって、お金を受け取る。そして、そのお金で衣食住をちゃんとして、また良い仕事をする、という循環が起きるわけです。
みんなにとって良くなることを考える
目の前のお客さんが良くなるよう全力を尽くすのと同時に、「みんなにとって良いか」を考える事も大事です。
近江商人の「世間よし」になるかどうかですね。
たとえば、麻薬をほしがっている中毒者に麻薬を持って行ってあげれば、喜んで大金を払ってくれるでしょう。
でも、それでその人の周りの人とか、地域が良くなるかと言ったらよろしくなさそうです。
麻薬で精神も体もボロボロになったら家族は悲しむでしょうし、それで働けない病人みたいな人が増えたら世の中的にも大きな不利益になります。
お客さん本人だけではなく、周りの人とか地域の人にまで範囲を広げて「皆が良くなるように」考えるのがポイントです。
あと、自分の家族や職場の人など、周りの人も忘れてはいけません。
ボランティア活動にのめりこみすぎて家族を犠牲にしていたら、ケンカが絶えなくなり離婚騒動で大変なことになり仕事に差し障る…なんてことにもなりかねませんから。
知識・スキル・人間性を磨く
最後に、自分が成長することが何よりも貢献度を増やす、というお話しです。
どんなに人を助けたいという優しい気持ちと熱意を持っていても、知識やスキルがなければ人を助けられないことがあります。
ONE PIECEより
また、どんなに知識やスキルを身につけても、人間性が伴っていないと道を踏み外して使い方を間違えてしまうことがあります。
なので、より社会に貢献できる自分になるには、勉強し続けるのはもちろん、仕事で色んな人に関わって経験を重ねて、人として成長していかなければなりませんね。
そういう人に「なる」ことができれば、ふさわしい仕事のチャンスは向こうからやってくるものです。
まとめ
社会貢献度が高い仕事をするには、非営利団体などで働くだけでなく、商売そのものを通して社会に貢献することもできます。
どんな仕事でも、目の前のお客さんのために最高の仕事を目指して、その周りの人のことまで考えて、自己研鑽を続けていけば、貢献度を高めていけます。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
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