魂を磨く

幼少期のトラウマを克服するにはインナーチャイルドを癒してあげよう

インナーチャイルドとは、人の心の中に存在する「内なる子供」という概念です。

言葉通り「インナー(心の内側にいる)」「チャイルド(子供)」という意味ですね。

様々な捉え方がありますが、最も一般的な考え方は「子供の頃に傷ついた記憶」が、修復されることなく潜在意識に留まり、成長してからの生き方・考え方に影響を及ぼす……というものです。

特に、親やきょうだいなど家族との関係性の中で受けたトラウマ体験は、成長過程において放置されがちです。

アダルトチルドレンが作られる理由

子供は家から逃げられない

例えば、学校で教師やクラスメイトから「おまえはダメなやつだ」と言われ、傷ついたとします。

しかし、家庭で「あなたはいい子だよ。えらい子だよ」と言われて育てば、外で受けた傷は癒されます。

ところが家族に「おまえはダメなやつだ」と言われた場合、どうなるでしょうか?

子供は、その傷を癒すことができない場合が圧倒的に多いのです。

よっぽど良い先生か、よっぽど優しいお友達がいない限り……いても、その人たちが気づいてくれない限り、誰も助けてはくれません。

行動範囲の狭い子供にとって、親の言葉は絶対です。子供は親の言うことをそのまま信じてしまいます。

「おまえはダメなやつだ」と自分の親に言われれば、子供は「そうか、自分はダメな人間なんだ」と思って育つのです。

子供がそう感じて、親の言葉を受け入れてしまうと、傷つけられた心は放置されたまま記憶に留まり続けます。

愛に満ちあふれた家庭は子供にとって「救いの場」になります。外で誰かに攻撃されても、家に帰れば安心できます。

しかし、針のムシロのような家庭では、子供の逃げ場はどこにもありません。

そういう家庭に育った子供は、自分の心を守るため「我慢する」「耐える」「強引に忘れる」「忘れたふりをする」ことを覚えます。

この「耐えている」苦しい自分の記憶は潜在意識にそのまま刻み込まれ、その後の人生に大きな影響を及ぼします。

機能不全家族

親と子、きょうだいとの関係が著しく乱れている家族のことを「機能不全家族」といいます。

家族間の対立、諍い、喧嘩が頻繁に起こっていたり、モラルハラスメントや虐待、ネグレクトなどが存在する家庭がそれに当たります。

この場合、もっとも深刻な被害を受けるのは子供です。

近年、インターネット上でよく見かける「毒親」という言葉があります。

子供に対して充分な愛を注ぐことなく、日常的に恐怖や不快感を与える親を指します。

このような家庭で育った子供は、成長してもそのトラウマを抱えたまま日常生活を送ることになります。

その結果、会社などの組織の中でうまく活動できない、他者との適切な関係を築けない、などの問題が常に発生してしまう場合があります。

アダルトチルドレン

こういった問題を抱える現象や、抱えている人のことをアダルトチルドレンと呼ぶことがあります。

もともとはアルコール依存症の親を持つ子供のみを指していた言葉ですが、現在はいわゆる毒親など機能不全家族の中で育った子供を指すようになりました。

「別に親に殴られたこともないし、虐待を受けてたってほど大げさじゃないよ」

という人でも、構って欲しい時に親に邪魔にされたり、褒めて欲しい時に無視されたり、家族の誰かの欲望のために何かを我慢させられた(TV番組など)ことのある人は、アダルトチルドレンである可能性があります。

悲しい思いをした回数は問題ではありません。受けた傷の大きさ、深さが重要なのです。

誰も味方がいないまま育つということ

家族が自分を愛してくれないということは、味方にもなってくれないということです。

例えば学校でいじめられているとしても、助けてはくれません。

子供が訴えても無視したり、ひどい場合は「いじめられるおまえが悪いんだ」と罵る親もいます。

子供の顔や容姿、性格などを槍玉に挙げ、それが原因だ、悪いのはおまえなんだからいじめられて当たり前、とせせら笑う親もいます。

このような環境で育った人間は、本当に何もかも自分が悪いのだと信じたまま大人になってしまいます。

それが自尊心の欠如に繋がり、最悪の場合、社会人として世の中で暮らしていくことが困難になることも考えられます。

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何十年も心の奥底で泣き続けている自分がいる

学校のトイレで、あるいは部屋で布団を被って、人知れず涙をこぼした経験はありませんか?

家に帰れば自分を愛してくれる家族がいるなら、家族に打ち明け、慰めてもらうことができます。

それができない場合、子供は自分の力だけで立ち直るしか道がありません。

この時の感情は心の傷としていつまでも潜在意識に残ります。

インナーチャイルドとは、この時のあなたそのものだと考えても良いでしょう。

この時の傷を癒すことで、今のあなたの思考や生き方も変わってくるはずです。

インナーチャイルドを癒す方法

絶対にできると信じること

インナーチャイルドの癒し方をネットで検索してみると、様々なサイトがヒットします。

しかし、それぞれ書いてあることが少しずつ違っていて、どれを試せば良いのかわからない人も多いと思います。

中には、インナーチャイルドは癒せない、癒すのは不可能だなんて根拠もなく決めつけている情報もあり、混乱してしまいますよね。

正しいやり方を知りたい、間違えたくないと感じる気持ちはわかりますが、まずは落ち着いて深呼吸しましょう。

そして、自分で強く信じるのです。

「私は必ず自分のインナーチャイルドを癒すことができる」

と。

他人が何を言ってこようと、自分にはできる。

何があっても自分は、自分の心を救済するのだ。

その決意が何よりも大事です。

自分で、自分の心に働きかけることなんですから、できると信じれば大抵のことはできるのです。

この時点で不安を感じる人は、まず不安を取り除くところから始めてください。

呪いの言葉に惑わされないで!

インナーチャイルドを癒すのがうまくいかないと感じている人は、以下のような考えを持っていませんか?

  • どうせ私には無理。うまくできっこない。
  • 私がやることなんて失敗するに決まってる。
  • こんなことやったってどうせ何も変わらない。
  • 友達に知られたらきっとバカにされる。
  • なんか宗教みたい。うさんくさい。
  • 有り得ない。こんなことで解決するなら苦労しないよ。

それらの言葉は、あなたの潜在意識が発しているものです。

幼少期に心に傷を負った時にあなたが周囲の誰かに植え付けられた考えが、ブロックとなっているのです。

「自分がバカだから叱られるんだ」「自分がダメだからいじめられるんだ」「全部、自分が悪いからなんだ」……子供の頃、そう信じ込まされてしまったはず。

「どうせ私なんて何をやってもダメ」という今のあなたの考えは、その思考が元となって生み出されているものです。

気づいてください。それは「呪い」なのですよ。

今まさに、あなたのインナーチャイルドはその呪いで苦しんでいるのですから、大人になったあなたが解呪してあげなければなりません。

昔から、何かをしようと思うたびにネガティブな考えが浮かんできませんでしたか?

インナーチャイルドを癒せば、そのような考えからもいずれ脱却できると言われています。

だから一秒でも早くその呪いを頭から振り払い、「私は必ず自分のインナーチャイルドを癒すことができる」と信じてください。

一日で信じきれないなら、何日かけても構いません。

自分はできると決意できたら、次に進みましょう。

いきなり難しいところから始めない

まずは、落ち着ける環境に身を置いてください。

座るのでも寝るのでも構いません。ほんの数分でもいいですから体の力を抜いて楽な姿勢でいてくださいね。

部屋は無音でもいいですし、ゆったりできる音楽をかけてもいいです。こだわらなくても大丈夫です。

書籍やネットにある情報を鵜呑みにしたり、きっちり守らなくてもOKです。

正しい手順なんてありません。自分がやりやすいやり方でいいのです。

ただ心と体を落ち着けて、ゆったりと脱力して深呼吸して……イメージしてください。

子供の頃のエピソード、好きだった場所、好きだった服……などを思い出してもいいですし、ぼんやりと浮かんできたイメージから、漠然と子供の姿を作り出しても構いません。

子供の姿がイメージしにくかったら、子供の頃にいた部屋や、使っていた食器、おもちゃなど、周囲にあった「物」などを思い出してもいいです。

そして、無理のない程度に「傷つけられたこと」や「悲しかった時の出来事」などを思い出してください。ゆっくりでいいですよ。

トラウマがよみがえって涙が出てきたり、辛い、不愉快だと感じたら、やめてしまっても大丈夫です。

途中でやめたら危険かも……なんて不安に思わなくてもOK。危険なんてことはありませんから。

難しいことから始めようとしなくていいんです。最初はこれだけでも充分なんです。

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ふと頭に浮かんだことに注意を向ける

「インナーチャイルドを癒すためには、こうやって、こうやって、こうやらなきゃいけないんだ。間違ったら危険なんだ」なんて思わないでください。

どんなやり方でもいいし、一分で終わってしまっても構わないのです。

続きは後でやればいい。また明日、ちょっとだけやろう。それぐらいの心づもりで取り組んでもOKです。

それよりも、毎日の生活の中でふと頭に浮かんだことや感じたことに少しだけ注意してみてください。

「そういえばいつもこういうこと感じてるな……これってもしかして子供の頃にこう言われて育ったせいかな?」

例えば親に「無駄遣いするな」と言われて育った人は、大人になってからも、買い物することになんとなく恐怖を感じます。

結果、無駄遣いをしないためにはお金が無ければいいと、無意識に手持ちのお金が少なくなる生き方をしてしまったりします。潜在意識がそう働いてしまうのですね。

普段、自分が不自由に感じていることについて「あれ? ひょっとして子供の頃のあれが原因?」と、気づくことがあったら、そこに意識を向けてみてください。

あなたのその記憶の中には、トラウマとなった出来事が起こったその時、耐え忍んだ子供の頃のあなたがいるはずです。

最初はそのことに「気づく」だけでいいのです。簡単でしょう?

誰かにしてもらいたかったことをする

自分の人格を形成しているものの中に幼少期のトラウマがあることをきちんと意識したら、次はそれに耐えた子供の頃の自分を労ってあげましょう。

「よく頑張ったなあ。あんなに辛かったのに」

「誰も味方がいなかったのに一人で耐えてた。すごい!」

「毎日泣いてたけど、友達にはそれを見せなかった。えらいなあ……」

本来なら傷ついた子供を癒してあげるのは親の役目です。

しかしそれをしてもらえなかったあなたは、たった一人で苦しみを乗り越えてきたはずです。

そのことを褒めましょう。

この時に、泣いている子供のイメージや、自分自身の子供の頃のイメージなどを思い出してみてください。

子供の頃の自分の顔や、当時遊んでいた場所、お気に入りだったおもちゃなどをイメージしながら、思ってみてください。

「辛かったよねえ。でも頑張ったねえ。えらいねえ」

これがインナーチャイルドを癒すということです。

慣れてきたら本格的に取り組んでみる

子供の頃の自分自身のイメージと接することに慣れてきたら、多めに時間を取ってやってみましょう。

ゆっくりとリラックスして、深呼吸します。お気に入りの音楽や香りに包まれてみたり、好きなお菓子をそばに置いてみても良いです。

瞑想をするみたいに意識を静かに保ち、子供の頃の自分に優しい言葉をかけてあげてください。

「悲しかったね。でももう大丈夫だからね」

実際に声に出したりしなくても、心でそう思うだけで伝わります。

頭を撫でてあげたり、抱き締めてあげたりするイメージも効果的ですよ。

精神的に余裕がある時にやるよりも、余裕がない時に行うことをおすすめします。

なぜなら、あなたの現在の心の問題は、インナーチャイルドの癒しを行うことで改善される可能性があるからです。

一回やって終わり、ではなく、できれば定期的にインナーチャイルドと向き合う時間を作ってみてくださいね。

まとめ

インナーチャイルドを癒す方法の、ひとつのやり方を書いてみました。

注意すべきことは以下の点です。

  • 絶対にインナーチャイルドを癒せると信じる
  • 否定的な言葉は呪いの言葉なので無視してOK
  • 一回で終わらせようと思わない
  • 心を落ち着けて過去の出来事と向き合う
  • 普段の何気ない自分の思考や行動に目を向ける
  • 幼い頃の自分は頑張ってたんだなあと認識する
  • 頑張っていた子供の自分に声をかけてあげる

子供の頃に自分がして欲しかったことを、イメージの中でインナーチャイルドにしてあげましょう。

「一緒にお菓子食べよう!」「ゲーム一緒にやろっか」など、楽しいことをするたびにほんの少しだけインナーチャイルドを意識してみると良いかもしれませんね。

あくまでも、

  • 無理をしない
  • うまくやろうと思わなくていい
  • できる時だけでいい
  • やり方など気にしなくてOK

なので、頑張りすぎないでくださいね。

あなたは子供の頃に充分すぎるほど頑張って生きてきたのですから。

ABOUT ME
高橋久美
会社を8年でやめてフリーライター4年目。たまたまブログから見つけた佐藤想一郎さんのご縁で最高の仲間たちと出会い、WEB媒体の他、最近はブックライティング、雑誌の編集など忙しくも充実した毎日を送っている。読んだ人の心が明るくなって、人生まで良くなってしまうような文章を目指して修行中。→ 詳しいプロフィールはこちらから
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