進学・就職で他県に移った人、特に関東と関西をまたいで移動した人は、言葉の違いによるコミュニケーションの壁を感じることでしょう。
明らかに知らない言葉は「方言かな?」と察しがつきますが、同じ言葉なのに標準語とは全く意味が違う・逆になる方言は、とんでもない誤解を招いてしまうことも!
今回は、標準語と関西弁(大阪弁)で意味が違う言葉・単語と、おまけで仙台弁バージョンもご紹介します。
東京から大阪、仙台に移動する方、逆に関西・仙台方面から上京する人は、要チェックですよ!!
*私は仙台人なので、大阪限定の方言なのか、広く関西方面でも言うのか、良く分からないので広い心で読んでもらえると幸いです。
では行きましょう!
目次
関西弁・大阪弁の方言と標準語で意味が違う言葉
まずは、登場人物を紹介しましょう。
タコ先輩:新入社員のキチオくんが研修で訪れた大阪本社の先輩。
くろすけ:仙台生まれ仙台育ちの生粋の仙台っこ。自分では標準語を話しているつもり。
また○○しよう
新入社員研修の初日が終わりました。
また飲みに行こな
「また」方言と標準語の違い
標準語では「また○○しよう」の「また」は、「もういちど」「再び」(again)の意味となり、既にいちどは行っていることが前提となります。
大阪弁で「また○○しよう」は、「また今度○○しよう」「いつかまたの機会に○○しよう」(somedey)の意味で使われます。
そのため、まだ1回も行っていないこと、これから初めてやる予定のことであっても「また」なんですね。
このような違いがあるため、タコ先輩から大阪弁で「また飲みに行こな」と言われたキチオくんは、「あれ?この人と前にも飲みに行ったことあったっけ?」と混乱してしまったのです。
また○○しよう
標準語:ふたたび、もう一度○○しよう
大阪弁:また今度、別の機会に○○しよう
なおす
研修2日目は、画用紙や色ペンをたくさん使って何やら楽しそうなワークをやったようです。
「なおす」方言と標準語の違い
標準語で「(物を)なおす」は「壊れた物を修理する」または「乱れた状態を元に戻す」の意味です。
大阪弁では「片付ける」「しまう」の意味で用いられます。
なおす
標準語:修理する/整える
大阪弁:片付ける・しまう
ほっとく
「ほっとく」方言と標準語の違い
標準語で「ほっとく」は「放って置く」「放置」の意味です。
それ「ほっといて」と言われたら、「触らずにそのままにしておく」と解釈します。
関西では「放る」「ほる」「ほかす」は「捨てる」の意味。
「ほっといて」は「捨てておいて」となります。
だから、関西で「ほっといて」と言われて放置しておくと、「言ったのにほってないやん」と行き違いが発生します。
ほっといて
標準語:放置しておいて
大阪弁:捨てておいて
えらい
研修も3日目。タコ先輩にも、新入社員のみんなにも疲れが見え始めました。
「えらい」方言と標準語の違い
大阪弁で「えらい」は標準語の「すぐれている」の意味の他に「(程度が)はななだしい」、「疲れた」の意味でも使います。
タコ先輩は、威張っているわけでも、自分を褒めてあげたわけでもなく、ただお疲れなのです。
えらい
標準語:すぐれている、立派だ
大阪弁:(程度が)はなはだしい、疲れた
おとす
今日は研修室から移動して、工場見学に行きます。
「鍵を落とす」方言と標準語の違い
奈良と大阪の一部では、鍵を閉める・施錠することを「鍵を落とす」と言います。
標準語では「鍵を落とす」は「(どこかに)落とす=紛失する」または、「(手元から床に)落とす」の意味しかありません。
真逆の意味になってしまいますね!
鍵を落とす
標準語:鍵を(どこかに/手から)落とす
奈良弁:鍵を閉める
さら
研修の最終日。新入社員のみんなと研修チームで懇親会が開かれました。
おっちょこちょいのくろすけは、シャツの袖にソースをひっかけてしまったようです。
「さら」方言と標準語の違い
新品のことを関西弁で「さら」と言います。
お皿の皿ではなく、「まっさらな」とか「更地」の「更」ですね。
「この商品さらですか?」「さらのタオル」のように使います。
「新品」の意味が通じなかったくろすけ、思わず「皿」を取り出してしまいました。
さら
標準語:皿(dish)
大阪弁:更、新品(new)
さらう
新入社員のみんなは、まだお互い遠慮があるみたいでお皿にはちょっとだけ料理が残っています。
「さらう」方言と標準語の違い
大阪で「さらうで」は「残ってる料理を全部食べちゃうよ」の意味。
標準語では「人さらい」の「さらう」が真っ先に浮かびます。
大阪弁の「さらう」は「川底をさらう」など、「底に溜まった物を取り除く」の意味に近いかもしれませんね。
さらう
標準語:(人・金などを)持ち去る
大阪弁:(残った料理を)全部食べる
おまけ・標準語と仙台弁の方言で意味が違う言葉
大阪での研修が終わったくろすけ、配属先の地元・仙台支店に戻ってきました。
研修でも一緒だった同期の江戸くん(東京出身)とは、プライベートでも遊びに行くほどすっかり仲良しに。
江戸くんは、生まれてから大学まで東京墨田区の実家で暮らした生粋の江戸っ子です。
自分では訛っていないつもりのくろすけですが、実は標準語と意味が違う「仙台弁」をそうと知らずに使っていたようです。
だから・だがら
配属されたばかりの2人。上司の得意先回りを見学について行くことになり、緊張している様子です。
「だから」方言と標準語の違い
長年に渡り誤解していた、というケースも見られる仙台弁の「だから」。
標準語で、他の人が話したあとに「だから」と言うと「だから(どうした? オチは?)」という否定的な意味になりますので、言われた人はムッとしてしまいますね。
一方、仙台弁の「だから」は「だから(本当にそうだよね!)」という強い共感を示す肯定を表します。
最近の若者言葉だと「それな!」に近い意味合いです。
仙台人から「だから」と言われたら、決して話の続きやオチを求められている訳ではなく、「そうそう」「それな」と相づちを打ってるぐらいに受け止めてください。
だから
標準語:だから何?
仙台弁:それな!
いきなり・いぎなり・いぎなし
動向に連れて行ってもらったくろすけと江戸くん。ランチは上司が「今日だけだぞ」と牛タンカレーをご馳走してくれました。
「いきなり」方言と標準語の違い
江戸くん、くろすけ謎の発言にモヤモヤしてカレーを味わえなかったみたいです。
仙台弁で「いきなり」は「急に」「突然」の他に「すごく」「とても」と程度が著しいことを表すのにも使われます。
若者言葉出言うと「めっちゃ」、大阪弁で言うと「えらい」ですね。
いきなり
標準語:とつぜん
仙台弁:とても、すごく
なげる
新入社員の2人用に、新しくパソコンが届き配線や設定などやってくれました。
「なげる」方言と標準語の違い
ゴミを捨てることは、大阪弁では「放る(ほる)」でしたが、仙台弁では「投げる」になります。
ゴミ捨てのことは、「ゴミ投げ」。
仙台で「ゴミ投げてー」と言われて、ボールのようにゴミをぶん投げてはいけません。ゴミ捨て場に捨てましょう。
なげる
標準語:放り投げる
仙台弁:捨てる
どけて
くろすけは、女性社員の前で良いカッコしようとウォーターサーバーのボトル交換を買って出たようです。
でも12キロのボトルは重くてフラフラ・・・
「どけて」方言と標準語の違い
「どける」は標準語では、「荷物をどける」のように目的語を伴う他動詞として使われます。
自動詞は「どく」なので、当人が邪魔なときは「どいて」と言いますね。
ところが、仙台では「どけて」を自動詞として使います。つまり「どけて=(お前が)どいて/どけ」の意味です。
どけて
標準語:(邪魔な物を)どけて
仙台弁:(お前が)どいて
したっけ
週末。くろすけと江戸くんは2人で居酒屋に飲みに行きました。
「したっけ」方言と標準語の違い
会話はなんとなく成立してしまいましたが、意味は通じていなかったようです。
標準語で「したっけ」は「あれ、最後いつオイル交換したっけ?」のように、「あれやったかな?」の意味で使うぐらいですね。
仙台弁で「したっけ」は「そうしたら」「〜したら」の接続詞になります。
したっけ
標準語:〜したかな
仙台弁:そしたら
こわい(こえー)
上司に頼まれて、若者2人が倉庫の片付けをすることに。
薄暗い倉庫の中から、古いパンフレットやガラクタを運び出します。
「こわい」方言と標準語の違い
「こわい」は標準語では「恐ろしい」「恐怖を感じる」ですが、仙台や東北地方で「こえー」は「疲れた、しんどい」の意味で使われます。
東北でお婆ちゃんが「あ〜こわい」と言っていたら、それはオバケを見ているのではなく疲れているのです。
こわい
標準語:恐ろしい
仙台弁:疲れた
標準語と方言で意味が違う言葉|まとめ
いかがでしたか? 同じ単語でも、こんなに意味が違ってしまうんですね!
知っている言葉だからといって、相手が自分と同じ意味で使っているとは限りません。
これは方言の違いだけでなく、人と人とのコミュニケーション全般に言えることです。
使っている言葉が違う前提で、「相手は、どういう意図でその言葉を言ったんだろう?」と相手の真意や気持ちに注目していれば、あらぬ誤解をすることは減らせるかもしれません。
男女間のコミュニケーションにも地域性に負けない隔たりが存在します。
「これは、エッチオッケーってことでしょ!」と思っていたら、相手は全くそんなつもりがなかった、なんてことも。
暗黙の了解に頼らない「性的同意」とは? 大切な人を傷つけないために、同意を取る大切さを知っておこう!
大阪弁変換
「大阪」の方言|全国方言辞典|goo辞書
「奈良」の方言|全国方言辞典|goo辞書
方言の部屋(仙台弁)
関西や九州方面で使う言葉「なおす」は関東方面では意味が通じない方言だった、というお話に双方びっくりで「うそだろマジか」|togetter
東北出身の方『”だから”が方言だと知って驚いた』意味や使う地域の情報が集まる様子「沖縄や鹿児島でも同じニュアンスで使われてましたよ」|togetter
#関西人が標準語だと思ってる言葉 が面白い|togetter
関西の「また遊ぼう」は関東では意味が通じない場合がある、というお話に衝撃を受ける人々「うそやろ!?」|togetter
東北人が使う独特の相槌『だから』→標準語で『それな』という意味でケンカを売っている訳ではありません|togetter
【ものを】#実は方言と知って衝撃を受けた言葉 【「なおす」】|togetter
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
(下のボタンを押すとフォームが開きますので、情報を入力して〝送信する〟ボタンを押してください。メールにてレポートをお届けします。)