関係を築く

『夫婦の飲み会格差から思うこと』にみる言えないモヤモヤの対処法について

夫婦間の飲み会格差

相手の立場もわかってしまうからこそ言えなくてモヤモヤ悩んでしまうことってありませんか?

自分としては、本当はこうしたい。だけど、相手の事情もわかるし、相手が気遣ってくれていることもわかる。

だから自分のわがままをそこまで通したいわけじゃない。だけれども、やっぱり何かしこりが残ってしてしまう。

気配り上手な人ほど、こんな悩みが多いのではないでしょうか。

相手の立場に立って考えている分、客観的に考えてはいるんだけど、結局のところ悩みそのものは残ったままで、むしろ相手を思いやって言えない分だけぶつけどころのないストレスを抱えてしまいます。

いうなれば、単にワガママが通らなくて悩むよりも次元の高い「メタ悩み」です。

そこで今回は、7闇の特徴と対象方法学まとめてみました。まずは最近話題の夫婦の飲み会拡散事例から見ていきましょう。

「夫婦の飲み会格差」相手の立場が分かるせいで深まる心の闇

まずはこちらのツイートをご覧ください。


話の経緯を渡めると、前提として…

  • ツイート主さん(妻)は会社の飲み会が好で、できれば参加したい
  • 夫婦共働きだが夫は帰宅時間が遅く、平日は妻の「ワンオペ育児」状態
  • 飲み会に出たい時は、夫に早く帰ってきてもらい子守をしてもらう必要あり

そして、妻側の会社で飲み会をすることになりました。

  • 妻は「そこまで無理に都合つけなくていいから」と夫に調整を依頼
  • 内心は「でもめっちゃ行きたい」
  • 今回は、飲み会当日に夫の仕事が立て込んで早く帰るのが難しく調整不可
  • 最初から不参加の返事を出していたので、予定通り
  • 内心は「ありったけの憎しみ!!」

それに対して夫側が会社の飲み会に出たい時は…

  • 「今週と来週のいついつ飲み会だから、夕飯いらないよ」のLINEのみで調整完了

飲み会好きなツイート主さんにとっては、自由に飲み会に参加できることがうらやましく、「(子どもと)二人で好きなもの食べてね」の一言や、飲み会のパフェ画像を送ってくるのも逆に気に障ってしまいます。

しかし…

  • それも夫なりの「気遣い」だと認識している
  • 仕事が忙しいのはわかる
  • 自分も飲み会は好きなので、夫に飲み会を断って欲しいとは思わない
  • 何が何でも自分を飲み会に出させろというほどでもない

ということで、何も言えず。

「『なんで私ばっかり…』というモヤモヤが頭をぐるぐるする」と、夫婦間でのどうにもならない不公平感のようなものを感じているというツイートです。

微妙に不公平感を感じているけれど、相手の立場も気持ちも分かるので、言えずにモヤモヤしてしまう。

夫婦間の他にも、職場の同僚とか友達関係など立場が近い親しい人との間で、似たお悩みは皆さんにも経験があるのではないでしょうか。

「妻はどうした方がいい」とか「育児中の父親を保育園のお迎え時間までに帰宅させない長時間労働の日本はおかしい」とかの議論は他に譲ります。

ここでは、モヤるときの頭の中での戦い「メタ悩み」に着目して、対処方法を考えてみたいと思います。

メタな悩みの構造を分析してみる

モヤモヤの正体、メタ悩みの例

モヤモヤする悩みは、「期待」が原因で起こります。

例えば、私は先日、駅のバス乗り場の先頭から3番目に並んでいたのですが、並んでいなかったおじいさんがスッと横入りしていきました。

このとき、私もメタ悩みでモヤモヤしてしまったのですが、自分が多くを期待していたことにきづきました。

  • 自分が、バスの座席を確保すること
  • みんなが、順番を守ること
  • 列の後ろで本来は座れるはずだった人が、不利益を被らないこと
  • 列の後ろの人たちが、横入りにイラッとしないこと
  • 自分が、横入りを許したどんくさいやつと思われないこと
  • 自分が、横入りぐらいでイライラしない自分でいたいこと

こういった期待が絡み合って、期待が外れるので嫌な気分になって悩んでしまうのです。

もしも「座席に座りたい」という自分目線の期待だけだったら、べつにおじいさん1人に割り込まれても悩みませんね。自分は3番目なので余裕で座れますから。

「後ろで順番を待っていた人が損しないこと」とか「横入りを許しやがって、とイライラしないこと」など、他の人の立場での期待があるので、何か嫌だなあと思うわけです。

更に、自分に対しても「横入りぐらいでイライラしたくない」という高次な欲求からの期待があるため、イライラをおじいさんにぶつけることもできず、ただ自分の中で葛藤するということになりました。

このように、いろんな期待が複雑に絡み合って起こるのが「メタ悩み」です。

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飲み会の格差問題に見るメタ悩み

改めて、「飲み会の格差問題」を見てみましょう。

1番最初のピュアな期待は、「飲み会に出たい」です。

「不参加で出した」と期待していなさそうではありますが、悩んでしまうということは、やっぱり根本的な「飲み会に出たい」という期待は手放しきれていない状態と思われます。

これだけのシンプルな悩みであれば、解決方法は簡単です。

何がなんでも飲み会に出るか、飲み会に出たいという期待を完全に手放すか、のどちらかになるでしょう。

ところが、周りの人への期待が絡んでくると、悩みは複雑化します。

単に自分が飲み会に出たい、だけでなく、次のような期待が出てきているようです。

  • 夫が、無理には仕事の調整をしないこと(仕事での成功・出世)
  • 夫が、飲み会に出たくても参加できない自分を配慮してくれること
  • 夫が、夫婦の飲み会格差を理解して「飲み会は当たり前に行けるもの」と思わないこと
  • 自分が、飲み会に参加できない不満を夫にぶつけないこと

飲み会には、出たい。でも、夫には無理に仕事を調整してほしくない。ただ、飲み会に行きたいのに行けない自分にはもっと配慮をしてほしいし、飲み会に行けるのが当たり前だなんて思わないで欲しい。けれども、そんな不満を夫にぶつけるような自分にはなりたくない。

こんな感じで、自分の中だけでグルグル回ってしまい、モヤモヤしてしまうということですね。

「ただ自分が飲み会に行きたい」だけよりも、相手を思いやっている分だけ精神的に大人であるからこその悩みと言えます。

では、この「メタ悩み」、どのように対処できるでしょうか?

モヤモヤ!言えない「メタ悩み」の対処法

歪めずに、シンプルに相手の気持ちを受け取ってみる

メタ悩みの特徴は、考えすぎることです。深読みしすぎるせいで、問題をややこしくしてしまうのです。

そうすると、相手の気持ちを汲み取ろうとしていたはずが、いつの間にか歪めて受け取ってしまう場合があります。

  • せっかく相手が褒めてくれたのに、嫌味と受け取ってしまう
  • こんなに負担をかけたら相手が大変だろうと思っていたら、実は大して気にしていなかった
  • 相手がやりたいだろうと思って譲っていたら、実は特にどちらでもよいと思われていた

このように相手の本心が見えず、自分の中で相手のイメージ作り上げてしまっているのです。

まるで、イメージ上の相手と自分だけで、ぐるぐる一人芝居をしているようになり、目の前にいる本物の相手が見えなくなってしまいます。

これを解決するには、相手の言葉や態度を歪めずに、シンプルにそのまま受け取る必要があると思います。

「相手は良い意図を持ってその言動をしているという」前提を持ち、ピュアに受け取ってみると全く同じ出来事でも印象がガラッと変わります。

褒めもらったなら純粋に喜んでみたり、ありがた迷惑でも親切心を受け取ってみたり、相手の真意を良い方に取ってみると精神衛生上は良い気がします。

また、自分のイメージで「これは嫌がるだろう、これは迷惑だろう」と決めつけずに、目の前の相手の気持ちを見ることではないでしょうか。

「飲み会格差」の奥様も、夫の「好きなもの食べてね」発言や、飲み会のデザート写真を送ってくることについて「気に触る」としながらも、夫の気遣いであることは受け止められています。

確かに超絶に気が利かない配慮なので、私が同じ立場だったら1週間くらいスネるだろうと思います。

でも、気遣いを素直に受け取ってみると、きっとこんな真意が背景情報としてキャッチできるはずです。

  • いつも働きながら、子守もしながら、夕飯を作ってくれてありがとう。外食でもして、ちょっと羽を伸ばしてきてね。
  • 会社の飲み会で、留守にはしているけど、心はいつも家族を思ってるよ。見て、すごいデザート来たよ!写真を送るから、飲み会の雰囲気だけでも楽しんでね。

夫が事実としてそう思っているのかどうかは分かりません。ただの勘違い、希望的観測かもしれません。

人の気持ちなんか、どうやったって分かりようがありませんから。

ですが、同じ勘違いならば、「嫌味だなあ」と歪めて悪い方に受け取るよりも「こんなに良くしてくれようとしたんだね」とアホみたいに良い方に受け取っていたほうが、自分が幸せでいらると思います。

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期待せずに、待つ

自分の中だけで完結するもう1つの対処方として、非常に消極的ではあるのですが、「ただ期待しないで待つこと」があります。

モヤモヤしたまま、自分ではどうにかしようとせずに、ただ流れを待ってみます。

そうすると、いろんな人や世の中が動いたり、自分も相手も成長したりして、いつの間にか勝手に解決してしまうことがあります。

私がバスに横入りされた事例で考えてみましょう。

まあよくあるコミュニケーションのテクニックとして「最後尾はあちらですよ」などと角が立たないように声をかける方法があります。

でも、私はあまりの突然の出来事に呆然として、いろんなモヤモヤを頭の中でぐるぐる引っ掻き回した結果、何もしないことを選択しました。

並ぶ習慣のない国から来た人なのかもしれない。足が悪くてどうしても優先席をゲットしたかったのかもしれない。私の知らない事情が何かあるのかもしれない。

こんな風に、なるべく好意的に受け取ることにして、知らんぷりしてモヤモヤしながら放置しました。

すると、おじいさんは席に座らず、運転士に話しかけました。

おじいさん「このバスは、●●は通りますか?」

運転士「いえ、●●行は次のバスに乗ってください」

おじいさん「そうですか、どうも」

というと、おじいさんはバスを颯爽と降りていきました。

私は、拍子抜けしてしまいました。

横入りだ、いや違う、どうしよう、とモヤモヤ考えていたことは、ぜんぶ私の妄想で、現実には何の問題も起こっていなかったのです。

自分の頭の中だけでグルグルしても考えても仕方がないので、期待せずに待つのが良いこともあると思います。

飲み会格差についても、もしかしたら…

  • 「残業を減らそう」という世の中の流れで夫が早く帰宅できるようになるかもしれません
  • 自分が成長して、そのうち「飲み会なんか別に出ても出なくてもいいや」と本心から思えるようになるかもしれません
  • 子どもが大きくなれば、割と自由に飲みにいける日も来るでしょう

モヤモヤしても、しなくても、勝手に解決するときはするのです。

あんまり期待せずに、自分から動かずに「待つ」という選択もありだと思います。

モヤモヤしていることを、そのまま相手に公開する

モヤモヤ思っていることを、そのまま、相手に公開することによって、新たな道が開ける可能性があります。

関係性しだいにはなりますが、信頼関係ができていれば、「正直こんな風にモヤモヤするんです」と言ってしまえば良いのです。

このときに、相手を変えようとしたり、何かしてもらおうとすると争いの火種になります。

これは、愚痴って共感してもらうのとも違います。

女性にありがちな、「ただ聞いてほしかっただけなの」というのも、「もっと気にかけて欲しい」という相手への要求です。

そうではなくて、ただ、気持ちをシェアすること、感情を相手にぶつけずに公開することです。

まずは、相手と落ち着いて話せる場を作りましょう。

「言いづらいことを言い合うミーティング」みたいに、定期的なイベントにしても良いと思います。

お互いに、普段は言いづらくてモヤモヤしていることをシェアしましょう。

実は不満に思っていることや、気になっていること、逆に気恥ずかしくて伝えられない感謝の気持ちや、相手を尊敬しているところなど、ポジティブなことも伝えます。

出てきた声に対して、意見やアドバイスを言う必要はありません。

ゴールは問題を解決することではなく、状況を把握して同じスタートラインに立ち、これから一緒にゴールに向かっていけることです。

自分一人ではなく、相手にも協力してもらえれば思いがけない解決方法が出てきます。

理解してもらうだけで気持ちが満たされるかもしれないし、相手に頼めないと思っていたことが実は相手にとっては簡単にできることかもしれません。

モヤモヤ「メタ悩み」対処法まとめ

相手の立場に立って気配りができる人ほど陥りやすい、「メタ悩み」の対処法は…

  1. ちょっとアホになって、相手の言動を深読みせずに、そのまま好意的に受け取ってみましょう
  2. 自分の力だけで解決しようとせず、期待しないで流れが変わるのを待ちましょう
  3. 信頼関係がある人には、悩みをそのままシェアする場を設けましょう

みんなのモヤモヤが快方に向かいますように…!

ABOUT ME
高橋久美
会社を8年でやめてフリーライター4年目。たまたまブログから見つけた佐藤想一郎さんのご縁で最高の仲間たちと出会い、WEB媒体の他、最近はブックライティング、雑誌の編集など忙しくも充実した毎日を送っている。読んだ人の心が明るくなって、人生まで良くなってしまうような文章を目指して修行中。→ 詳しいプロフィールはこちらから
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ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。

私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。

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といったことにも触れています。

よろしければ読んでみてくださいね。

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