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自分の能力が低い気がするダニング=クルーガー効果|持ち場を守ること。

ダニング=クルーガー効果

ちょっと趣味でかじっているだけなのに「プロになればいいのに」などと言われ「いやいや、そこまですごくないよ」と思ったことはありませんか?

例えば、絵がちょっと描ける人は、全然描けない人から見たら全員「すごい人」に見えてしまいます。

しかし本人からすると、まだまだできてないことがいっぱいあるし、上をみればもっとすごい人たちがごまんといるわけなので「いやいや」となってしまうんですね。

逆に、能力が低い人の方が「自分って天才かも!」と勘違いしていたりしますよね。

自分のことだと自分ではわかりませんが、私は母親を見ていて「能力あるのに勿体無いなあ」と思うことがありました。

自分の能力が低い気がする現象

母は長年、趣味で書道をやっています。

ご祝儀袋の宛名や賞状なんかは、知り合いから代筆を頼まれて書いていました。

アマチュアですが一応何かの資格は持っていて、その気になれば先生もできるらしい。

しかし、母は「自分なんて全然だから」と、書道で人からお金をもらう気はないみたいでした。

素人から見ると普通に上手に見えるし、近所の子を相手に書道教室をやるぐらいいいじゃないかと思うのですが、母からするとそこまでの実力はないらしい。

このように自分の能力が実際よりも低い気がするのは「ダニング=クルーガー効果」という認知バイアス(認知のゆがみ)によるものです。

ダニング=クルーガー効果とは

ダニング=クルーガー効果とは、能力が低い人ほど自分の容姿や発言・行動などについて実際よりも高い評価を行ってしまう「優越の錯覚」を生じさせる認知バイアスの一つです。

能力の低い人は、自分の能力の低さを認識するだけの能力がないため自分を正確に評価できません。

その道で訓練を積んでいる人は、自分の能力の足りない部分を認識できるようになります。

たとえば、映画『アマデウス』にはモーツァルトの才能に嫉妬するサリエリという人物が出てきます。

モーツァルトのオリジナルの楽譜を見たサリエリは愕然とする。

その楽譜はどこにも書き直しの跡がなく、すでにモーツァルトの頭の中で楽曲が完成していること、そしてその楽曲はこれ以上ないほど完璧であること。

『至上の美を見た』

そうサリエリは回想する。

そして神が音楽の才能をモーツァルトに与え、自分には彼の才能を見抜く能力しか与えられていないことに気づき、モーツァルトを潰すことを決意する。

引用:【あらすじネタバレ】アマデウス|MOVIICINE

サリエリも宮廷音楽家、プロなので人並以上の能力は持っているはずですが、それは「誰よりもモーツァルトの音楽を理解する能力」でもありました。

そこそこ能力があるがゆえに、もっとすごい人がいること、自分のできないことも理解できてしまい、「自分ダメだわ」ということがわかるのです。

※いや、本当に何にも才能がないです、という人はこちらの記事をご参考にどうぞ。
才能がない奴ちょっと来い。才能がほしいときの手っ取り早い見つけ方

かく言う私も、一応、文章を書くことを仕事にしているので、読者さんから「こんなに書けるなんて、すごいですね」と言っていただくことがあります。

ですが、自分のこととなると「いやいや、全然ですよ!!」と思います。

これは謙遜じゃなくて、本音です。

単純に執筆の量とかスピードでも、もっと早くバンバン書ける人はごまんといるし、「これは敵わないなあ」と思うような、圧倒的な筆力とか独自の視点を持っているライターさんもたくさんいらっしゃいます。

そんな自己評価の低い私が、母と違って厚かましくも職業としてやっているのは、次のような考えを持っているからです。

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能力が低いことは、やらない理由にならない

母は「自分よりも能力の高い人が大勢いるので、自分はやらない」という考えでした。

これ、結構陥りがちなパターンだと思っていて、私自身も以前は葛藤がありました。

こんなにヘボいのにライターを名乗っていて良いんだろうか、その道のすごいライターさんに怒られないだろうか、恥ずかしいんじゃないか、って「やらない理由」が次から次へと出てきちゃうんですね。

それが今は、「能力が低いことは、それをやらない理由にはならなない」という考え方に変わりました。

ずっと関わらせてもらっている人に、「なんで私なんですか? もっと上手に書く人いるのに」とぶっちゃけて聞いて見たことがあります。

そうしたら、「逆の立場で、言われたらどう思いますか!」と、ちょっと怒られました。

その人にお願いしたいことがあるのに「もっとすごい人いるじゃないですか〜」って断られたら、しょんぼりですね。

全く出来ないことを無理やりやれと言われたなら別ですが、自分なりにできること、自分だからこそできること、というのは必ずあるはずです。

実際、他にも書けるライターさんは大勢いますけど、こんな私にもご縁があって指名してくれるお客さんや、記事を読んでくれる読者さんがいます。

「この記事のおかげで、こんな気づきがありました」「高橋さんがブログを書いてくれてたおかげで、素晴らしいご縁に繋がりました」と言ってくださる人がいます。

読者さんにもっと喜ばれる記事を書くために、もっと感動してもらうために、もっと気づきや成長につながるように、能力を磨いていく必要は痛感しています。

だから、文章の中身についても、テクニックも勉強しています。

学んだことを活用して、生地をより面白くできるように工夫も重ねています。

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能力が低かろうと、なかろうと、持ち場を守る

がむしゃらにやってきて気づいたのは、能力を磨くのは同業者から「すごい」と認められるためではなく、読者さんの役に立つためなんだ、ということでした。

至らなさを認識してスキルを向上することはは必要ですが、それはいまよりももっとお役立ち度を上げるためです。

今もちょっとはできるのなら、できる範囲ででもやった方がよく、「まだ未熟だから、今はやらなくていい」ということにはならないと思うのです。

もしも全然能力がなくて、でも頼ってくれる人がいるなら、他にできる人を紹介してあげられるかもしれません。

たとえ能力がゼロでも、できることはゼロではありません。

今の自分の能力で、全力で持ち場を守ることが大事だと考えています。

映画『アマデウス』の終盤には、瀕死でペンを持つこともできないモーツァルトの代わりに、サリエリが譜面を書くシーンがあります。

この時のサリエリは、恍惚として、とても嬉しそうな表情をしているのです。

最初はモーツァルトの曲を自分が書いたことにして、ウィーン中から認められたいと思っていたサリエリですが、音楽を作り上げる作業を共にしているうちに、ライバルであったことも嫉妬も忘れてしまうのです。

それはサリエリが書いた曲ではないけれど、もう人のもの、自分のもの、という区別もなくなって、ただ美しい音楽の前に一体感があるだけ。

自分が一番になりたいとか、認められたいとか、そういた「自分が」を手放して、与えられた持ち場を守ることに徹すると一人では得られないようなすごい喜びを感じられることがあります。

私も完全にオリジナルでバンバン書けちゃう天才タイプではなく、だれかに教えてもらったこととか、情報を集めて再構成しているだけに過ぎません。

それは、いろんな人と一体感を感じられる美味しいポジションだと思っています。

あなたも才能を発揮して、持ち場を守ろう

もしもあなたが「自分は能力が低い」と感じているなら、その分野はむしろそれなりにスキルを持っていて「人並み以上」かもしれません(ダニング=クルーガー効果)。

上には上がいるものですから、上の人と比べたらできていないこともあるし、「自分なんて」と思ってしまうでしょう。

ただ、今のあなたのレベルでも何かできること、能力を生かして人の役に立てることはあるはずです。

人から頼まれたこと・なぜか自分がやるハメになってしまったことなど与えられた役割・持ち場は才能を発揮するチャンスです。

まずは今持っているものを出し切って持ち場を守り、足りないところはもっとスキルを磨いたり、できる人の力を借りたりすればいいと思います。

「自分よりもすごい人がいる」は、あなたがやらない理由にはなりません。

せっかくご縁があって頼んでくれる人がいて、チャンスに恵まれたのなら、飛び込んでやってみたら良いんじゃないでしょうか!

あなたの能力がますます発揮されますように。

ABOUT ME
高橋久美
会社を8年でやめてフリーライター4年目。たまたまブログから見つけた佐藤想一郎さんのご縁で最高の仲間たちと出会い、WEB媒体の他、最近はブックライティング、雑誌の編集など忙しくも充実した毎日を送っている。読んだ人の心が明るくなって、人生まで良くなってしまうような文章を目指して修行中。→ 詳しいプロフィールはこちらから
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