思考を鍛える

意味がないとは言わないけれど、私が資格を取るのをやめた理由

資格って意味あるの?

資格を取る意味があるのかないのか、よく議論になるようです。

医師や弁護士などの業務独占資格はさておき、あってもなくても仕事はできる調理師や簿記、IT関連、その他多くの民間資格は「実務経験がなければ意味のない資格」としてやり玉に上げられます。

私が取ろうとして結局やめた資格は、行政書士・司法書士・税理士などの「士業」系の資格でした。

実際に士業で働く方で成功している人にも、そうでない人にも会ってみて、「私個人の目的」にとっては資格は意味がないなと思ったためです。

なぜなのか、資格をやめてどうなったのか、その経緯をご参考までに書いておきます。

資格で稼げるらしい!

私はもともと、小さな会社の総務の仕事をしていました。

(あ、最初は営業職で入社したのですが、営業ができなくて総務に回されました。)

中小企業でしたが、やすみはいっぱい取れるし、転勤もないし、社長がいっつもお菓子を配ってるし、待遇は悪くないところでした。

ただし、給料が安いことを除けば。

入社当初は、お金がいっぱいもらえても激務だったり、東京とかに住んで家賃が高かったり、田舎に転勤になったりするのが嫌だなあと思っていたので、お金は少なくても仙台のまあまあの都会で、通勤は徒歩5分という生活に満足していました。

ところが、だんだん事情が変わっていきます。

あるスピリチュアルの先生に貢ぐために、お金が必要になったのです。

事あるごとに10万単位でお布施が飛んでいくので、とても年収300万円の会社員の給料ではやっていけません。

それで転職しようか、公務員試験を受けようかとボンヤリ考えていたある日のことです。

会社の仕事で、雇用関係の助成金を申請することになり、「行政書士・社会保険労務士」を名乗るおじさんとやり取りをすることになりました。

なんとなくその名称は聞いたことがありましたが、何をする人なのかはこのとき初めて知りました。

どうやら、このおじさんは役所とか労働基準局関係の超めんどくさい書類を代わりに作ってくれる人らしい、と。

名刺やホームページなどを見る限り、どうも会社ではなく個人事務所っぽい雰囲気でした。そして、ひらめきました。

「書類を作る仕事だったら、私でも独立してできるんじゃ…?」

そこで、年収とか、どのぐらい難しい資格なのかとかを調べてみたところ、ネットではめちゃくちゃうまく行っている人と、全然食えない人と両方いるらしく、情報が錯綜していました。

資格で実際食えるんですか? 調べてみた結果

資格で収入は増えるのか

資格起業スクールで話を聞いてみた

そこで、実際に資格で起業している人の話を聞いてみようと思い、ちょうど近々やる予定の起業スクールの説明会に参加してみました。

そこでの講師の話は、資格「だけ」では食べていけませんよ!というものでした。

  • 資格の業務だけだと一回きりで終わりで稼げないので、コンサルティングなどの継続業務を取りましょう。
  • そういう意味で、士業の中では決算業務があって毎年継続になる税理士のビジネスモデルが優秀ですよ。
  • お金だけで見たら税理士がおすすめだけど、お金の計算が好きじゃない人がなっても地獄だからね。

私は速攻で感化されて「よっしゃー、税理士になるぞ!」と思い、とりあえずスクールの入会申込書にサインをして帰りました。

まだ資格も取っていないのに早すぎる気はしないでもなかったですが、月額は安いし、何かと相談できる人がいるのは良いと思ったためでした。

TAC予備校に説明を聞きに行ってみた

私はその足で今度は仙台駅前のTAC予備校に税理士コースの説明を聞きに行きました。

税理士って経済学部の先輩が在学中に取ってたし、そんなに難しそうなイメージが無かったのですが、説明を聞いてみたら、どうも思ったより難しそうな雰囲気でした。

行政書士や司法書士の過去問は、見た感じゴリゴリ暗記すればなんとかなりそうでしたが、税理士はちゃんと理解して計算できないといけません。

簿記の2級に落っこちている私には、独学は不可能そうです。

受講料がけっこういいお値段なので、悩んでそこは保留にして帰ってきました。

士業スクールの方からはドサッと教材が送られてくるので、起業家のマインドセットとか、事務所の開業に必要なもの、従業員の採用方法とか、だいぶ先取りして勉強しました。

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資格がなくても独立して食える仕事を発見

コピーライターになったよ

起業スクールの方では、集客方法について悩む人が多いようで、マーケティングとかコピーライティングはかなり重点的に扱われていました。

特に広告に頼らない集客方法として、ブログやメールマガジンが推奨されていました。

私はまたすぐに感化されて(笑)、「よっしゃ、ライティングをもっと勉強するぞ」と思い、そのスクールとは別のコピーライティングのセミナーに参加してみました。

『今日からあなたもコピーライター』という題で、ベテランライターの講師の方がライターという仕事の醍醐味や、なり方について話してくれる、初心者向けの内容です。

そのセミナーで私の運命を変えた一言がありました。

「コピーライターになるには、資格もなんにもいらない。『コピーライター』と書いた名刺だけ作ればいい」

もちろん、技術は要求されると思いますが、その先生は次のようにも言っていました。

「これできる?と聞かれたら、間髪いれずに『できます』と言って仕事を受けること。技術は後から付いてくる」と。

しかも、ライターというのはなかなか稼げるらしいことも。

私は、思いました。

独立して稼ぐだけだったら、もしかして士業じゃなくてもライターが本業で良いんじゃないかな、と。

ライターの名刺を配ってみた

まだ半信半疑でしたが、その講座で教わったとおり、まずは手始めに新聞の投書欄に500字ぐらいのエッセイを送ってみました。

そうしたら、1回で掲載され、謝礼として日専連ギフトカードが3,000円分送られてきました。これが、私のライターとしての最初の報酬です。

お、これは!と思い、本当にコピーライターの名刺を印刷して、セミナーや交流会などで配ってみました。

未経験なので、自分がどんな文章を書くのかサンプルを置いておくだけのブログを新しく作り、士業スクールのツテで何人かインタビューさせてもらった記事を掲載しました。

さすがに未経験でいきなり仕事を頼む人はいないだろう、と思っていましたが、「イベント集客用のランディングページのセールスコピーを書いて欲しい」とか「ニュースレターの代筆を頼みたい」、「SEOコンテンツライティングできますか?」「保険のコラム書ける?」などと、ボコボコ仕事が舞い込んできました。

何だか良く分かってませんでしたし、いま思うと無謀だったのですが、教わったとおり「はい、できます」と言って受けてから、誰かできる人いませんか?とか頼んだりして乗り切ってました。

私の疑問は、確信に変わりました。ライターはいける!と。

「独立してお金を稼ぐ」目的なら、わざわざ資格を取る必要はない、と結論づけて資格の勉強はすっぱりやめました。

ライターの仕事は資格は要らないので誰でも始められる一方、やっぱり技術は奥深くて、1個目の山をやっと3合目まで登ったら隣にもっと高い山が何個も見えた!みたいな感じで終わりがありません。

資格ではないですが、ライティング技術の勉強・修行は今もずっと続いています。(スピリチュアルの先生に貢ぐのはやめました。)

分かれる明暗、資格の意味とは?

資格、どれがいいの?

二種類の資格

話を資格に戻しましょう。

皆さんがご存じの通り、資格には2種類があります。

  1. その資格がないと業務を行えない業務独占資格(医師・看護師・弁護士・保育士・美容師・理容師など)
  2. その資格を持っていても独占してできる業務のない資格(調理師・各種セラピスト・◯◯アドバイザー・簿記・◯◯検定・IT系など)

前者はその仕事をするには絶対に取得しなければいけない資格です。

該当する資格については当然ですが、その仕事をしたい人には大いに意味があります。

後者は、特に資格がなくても実力があればできるけれど、資格があったら履歴書に書いて「勉強してますよ」アピールができて多少は有利になるものです。

板前の修業をして美味しい料理を作れるようになった人は、調理師の資格なんか今さら意味がありません。

他方で、まったく実務は未経験の新卒の人だったら調理師学校を出て調理師免許を取っておく意味はあります。

同じ未経験者どうしを比較したら、何も資格がない人よりも勉強して資格を取った人を採用しよう、となるでしょう。

経理が未経験だけど日商簿記の3級・2級を持ってます、となったら経験者ほど即戦力にはならないものの、まあできそうな人という期待を持たせるはずです。

盲点なのは、そっちではなく、業務独占資格の方です。

業務を独占できる資格をゲットした人たちでも全員が安泰で食えるわけではない、というのが忘れられがちなんです。

資格で食える人・食えない人

士業向けの起業スクールには、「個人で億を稼いでます」っていう羽振りの良い人から、「スーパーの鮮魚売り場でアルバイトをしながら士業の業務もやってます」という駆け出しの人までいました。

資格を取って独立開業といっても、黙っていても依頼が来るわけではなくマーケティングとかセールスとかをちゃんとやらなければいけません。

資格があっても稼げるかどうかは、商売の知識とセンス、そしてどれだけの価値を提供できるのかという実力が問われます。

話を聞く限りでは、上手くいく人は最初からやることがダイナミックというか、経営者のマインドなんですよね。

国から500万借りてきて半分以上を広告費に使い、あっというまに事務所を大きくしてしまった人、優秀で安い人材が豊富な海外に拠点を作ってしまう人、などなど。

私みたいな普通の人が「ホームページどうやって作ろう」「名刺どうしよう」と悩んでいる間に、スケールの大きいことを考えているんだなあと衝撃を受けました。

そして、そういうマインドを持ってる人たちは、たまたま資格を持ってて士業をやっているだけであって、別に資格を奪って別の事業をさせても上手くいくんだろうなあとも思いました。

これは、同じように資格で独立して開業する歯科医院や、美・理容院、治療院、みんなに言えることです。

特定の仕事で稼ぐために、資格は必要条件ですが、十分条件ではありません。

資格で成功するにも、それ以外の商売と同じように経営者のマインドが求められるのです。

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雇われるための資格は有力

独立して大きく儲けてやろう、というのではなくて、雇われでもいいので手に職を付けて食いっぱぐれないようにしたい、というのであれば、また話は違ってきます。

私の叔母は看護師をしていて、子育て中に10年以上のブランクがあったのですが、いとこの大学進学に合わせて復職しました。

昔と違ってカルテが紙から電子カルテに変わり、パソコンの操作は大変だと言いながら現場でバリバリ働いているそうです。

しばらく主婦をやっていた50代女性が難なく職場に戻れるとは、看護師資格ってすごいですね。

医療系の資格、保育士、介護関係の資格は取得するのに時間もお金もかかり、仕事自体も大変で、給料が高いとも限りませんが、取ってしまえば職に困ることは、まずないでしょう。

民間資格で同じような謳い文句の資格はたくさんありますが、本当に仕事に困らない資格かどうかを見分ける方法は簡単です。

それは、あなた自信がその資格を持っている人に仕事を頼んだ(世話になった)ことがあるかどうか、を見ることです。

ほとんどの人が病院で看護師の世話になり、保育所に我が子をあずけ、デイサービスに親を預け、資格を持っている人のお世話になっているはずです。

あなたがキャリア・アップのために取ろうとしている、その資格を持っている人に何か頼んだことは今までに一回でもありますか?

これが絶対ではありませんが、考え方として持っておくと悪質な資格ビジネスに騙されずに済むかと思います。

あなたにとって、資格の意味とは?

資格の意味はあるのか?

あらためて、あなたが挑戦しようとしている資格について、果たして本当に意味があるのか考えてみましょう。

質問1 その資格を取得して、最終的に得たいものは何ですか? 正直に書いてください。

例)社内での出世、資格手当、未経験の業界への就職・転職、独立起業、単に自信を付けたい、ただ勉強が楽しい、難関資格を取ってすごいと思われたい

質問2 あなたが得たいものは、その資格を取ることで本当に得られますか?

例)はい、その仕事をするのには必須です/いいえ、なくてもできます

質問3 あなたが得たいものは、その資格以外の手段でも達成できますか? 可能なら、どんな手段がありますか? 実際にやるかどうかは別にして、アイディアを書いてみましょう。

例)営業で結果を出す、未経験OKのところで修行を積む

質問4 資格を取得するための具体的な費用と期間を計算しましょう。

例)2年間、約240万円

質問5 資格を取得したことで増える収入と、取得にかかった費用を回収するための期間を計算しましょう。

例)年間300万円アップ、1年弱で回収

質問6 資格をとってできる仕事は、仮に資格がなくてもできる仕事だったとして、収入も今と変わらないとしたら、それでもやりたいと思いますか?

例)はい/べつにいいです

いかがでしたでしょうか? あなたにとって、その資格は意味がありそうでしょうか?

資格って意味あるの?まとめ

私の場合は、独立起業してお金をいっぱい稼ぎたい目的で、資格取得を考えましたが、他の手段を見つけたのでやめました。

独立する系の資格は、仕事をするに資格が必須の独占業務資格であっても、最終的に稼げるかどうかは経営センスの問題になります。

雇われて働く系の独占業務資格は、やっぱり就職・復職には強いみたいです。

自分にとって意味のある資格なのか、しっかり吟味して人生の時間を大事に使いましょう。

ABOUT ME
高橋久美
会社を8年でやめてフリーライター4年目。たまたまブログから見つけた佐藤想一郎さんのご縁で最高の仲間たちと出会い、WEB媒体の他、最近はブックライティング、雑誌の編集など忙しくも充実した毎日を送っている。読んだ人の心が明るくなって、人生まで良くなってしまうような文章を目指して修行中。→ 詳しいプロフィールはこちらから
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ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。

私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。

・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣

といったことにも触れています。

よろしければ読んでみてくださいね。

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