入社して2年目。やっと一通り仕事を覚えた頃、新入社員が入ってきます。
そして「先輩」の立場になったときに多くの人がもつ悩みのひとつが、”新人にどう教えたらいいか分からない”という問題です。
社会人の常識を知らない、教えたことを覚えない、指示通りに動いてくれない、報告が足りない、など、教えなければいけないことは山ほどあるものの、それらをうまく伝えて後輩を成長させるのは思いの外難しいもの。
実際、後輩ができて初めて新人教育の大変さを痛感したという人も多くいるのではないでしょうか。
人に教えるには時間も労力もかかりますが、教えた後輩がいずれ独り立ちしてくれれば仕事は助かりますし、教える側にとっても自分の器を広げて成長できるチャンスです。
そこで今回は、新人教育の心構え「ほうれんそうのおひたし」をヒントに、後輩への上手な教え方を探ります。
目次
困った新人教育係
あなたが新入社員だったころを思い出してみてください。
先輩たちが忙しそうで声を掛けにくかったという経験はありませんか?
- 説明が早くてよく分からなかったけれど、なかなか質問もできず、失敗すると「報連相しっかり!」と怒られてしまう。
- かといって、質問をしに行くと「それ、昨日も教えたよね? 聞いてなかったの?」「そのぐらい自分で考えようよ」「常識だよ」と、また怒られる。
- 良く分からない問い合わせの電話を取ってしまって、先輩に聞いても「知らない」とそっぽを向かれ、誰に相談して良いのか分からず困ったしまった……
そんな先輩が多いと、「また怒られるんじゃないか」と毎日が緊張の連続ですね。
逆に、先輩から丁寧に教えてもらえた人もいると思います。
教え上手な先輩や上司はどんな雰囲気だったでしょうか。
穏やかで後輩の気持ちを汲んでくれる人、厳しいけれどきっちり教えてくれる人、褒め上手な人…色々なタイプがいますが、「話しやすさ」という点で共通しているのではないでしょうか?
新人教育の心構え『ほうれんそうのおひたし』
「報連相」、報告・連絡・相談が新入社員の心構えなら、新人が報告・連絡・相談をしやすい雰囲気を作るのは教育係の役割です。
後輩が話しやすい先輩になるための心構えが「おひたし」です。
お:怒らない
ひ:否定しない
た:助ける
し:指示する
「ほうれんそうのおひたし」と覚えてください。美味しそうですね!
それぞれ、ポイントを紹介していきましょう。
新人教育の心構え「お」怒らない
一流プレーヤーだった人の方が、実は教えるのが苦手だったりします。
自分がそつなくできてしまうので「やらないのは怠けている」と感じてしまうためです。
「どうしてパワポの使い方ぐらい、自分で調べないの?」とイライラする気持ちをぐっとこらえて、怠慢ではなく能力不足である可能性に目を向けましょう。
- 理解力がなく1回言われただけれは覚えられない人
- とんでもなく作業が遅い人
- 斜め上な解釈で違うことをやらかす人
- 周りが見えていない気が利かない人
- ちょっと考えれば分かることを想像できない人
ずる賢く手を抜く人はまれで、皆やらないのではなく本当に分からない、できないのです。
しかしそんな人でも、順を追って仕事を覚えさえすれば頼もしい戦力になってくれます。
ですので、「何回教えたら覚えるんだ!」「はあ〜?」「なにやってるんだ!」などと怒らないで、何回でも教え直してあげましょう。
舌打ち、不機嫌な顔、机を指でトントン叩く、など怒り・イライラを態度で表すのも、後輩を萎縮させてますますパフォーマンスを落とすだけです。
もちろん、間違いやミスをそのままにしては間違ったまま覚えてしまいますので、指摘は必要です。
指摘するときは、淡々と具体的な事実だけを言うようにしましょう。
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新人教育の心構え「ひ」否定しない
絶対にやってはいけないのは、後輩の能力や人格の否定です。
「できない」「できてない」「仕事が遅い」「役立たず」「これだから○○はダメだ」「わざとじゃないの?」「どうしてこんなことも知らないの?」
人間なら誰にでも欠点や変なクセはあります。
しかし悪いところばかりに注目して直そうとすると、その人が本質的に持っている良さまでも消してしまいます。
たとえば、心配性で鈍くさい人は細かいことに気がつく人だったり、適当にヘラヘラしている人が実はコミュ力の塊で後々トップセールスになったり、弱点は強みの裏返しでもあるのです。
今はまだできないことも多いけれど、絶対に克服できる、本質を発揮して活躍する場面がいずれ来る、と未来を信頼してあげましょう。
「さすが○○さん」「センスいいね」「気が利くね」
「場数を踏めばそのうちできるよ」
「今回は上手くいかなかったけど、最後までやり抜くガッツは○○さんの良いところだと思うよ。次もよろしくね!」
「この人はできる人」というイメージを持って関わると、不思議と本人も調子に乗って本当にできる人になってしまいます。
新人教育の心構え「た」助ける
新人さんも少しずつ仕事を覚え、一人でできることが増えていきます。
それでも、まだ1年目は抜けていることがあったり、気持ちもいっぱいいっぱいだったりするもの。
後輩が困っていないか目配りし、必要があれば声をかけて助けてあげましょう。
仕事が分からないままで放置され、簡単な雑用ばかり回されていると、後輩は存在価値や仕事のやりがいを感じられず、転職コースまっしぐらです。
どんなに一生懸命に教えてあげても辞めていく人は辞めていきますから期待しすぎは禁物ですが、せっかくなら何か学んで「この会社で働けてよかった」と思ってもらえたら嬉しいですよね。
後輩がキャパを超えてワタワタしているとき、会議などで緊張しているとき、何か悩んでいるとき、先輩が助けてくれるのは心強いものです。
ちょっと雑談をふってくれたり、ランチに連れてってくれて話を聞いてくれるだけでも救われることもあります。
どこまで手出し・口出しするかは後輩の成長過程を見ながら、状況に合わせて助け船を出してあげましょう。
新人教育の心構え「し」指示する
「それはダメ」「ちゃんとしましょう」だけでは、後輩には伝わっていないかもしれません。
次からどうして欲しいのか、具体的に指示を出してあげましょう。
1〜2割ぐらい進んだところで、いったん報告してね
やってしまったこと責めても仕方がありませんし、聞いても言い訳しか出てきません。
後輩も「次から気をつけます」とは言いますが、それが的外れだったり根本的な改善になっていなかったりもするでしょう。
その時は、後輩の気持ちも受け止めてあげた上で、これからどうすれば良いのかを明確に伝えましょう。
「今から説明することはメモを取って」
「帰りまでにマニュアルの何ページを復習しておいてね」
「ちょっと!勝手なことしないでよ」
「よかれと思ってやってくれたんだと思うけど、事前に相談しなきゃ」
新人教育の心構え「おひたし」まとめ
ほうれんそうにおひたし、怒らない・否定しない・助ける・指導する、あなたの後輩にぜひやってあげてください。
きっと後輩も安心して働けて、あなたもリーダーとしてぐーんと成長できるはずですよ。
ただし、「教え上手で慕われる先輩」と「ナメられる先輩」は違います。
とくに女性の上司・先輩の皆さんは、後輩にナメられると手を焼くことになりますのでご注意を。
ナメられたら言うことは何一つ後輩の頭には入らなくなり、「あの先輩超使えないんだよねー」と陰口を叩かれることになります。
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ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
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といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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