関係を築く

やりたい仕事がない人は幸いである。やりたい仕事という幻想

やりたい仕事がない
この記事を書いた人

高橋久美(たかはしくみ)

月間25万ページビューの人気サイトGLOBOのライター&編集長、複数のメディア運営に関わっている。

過去にスピリチュアルに依存して多額の借金を作った経験から、依存せずに自分で考え体感して実生活を良くするスピリチュアルとの付き合い方を提案。

プロフィール詳細

はじめまして、GLOBOライターの高橋久美と申します。

文章を書くのを仕事にしていますが、これは元々「やりたい仕事」ではありませんでした。

もちろん今は意欲を持って働いていますし、ライティングの技術を磨いたり、あとはいろんな経験からネタ集めもして、もっと読者の皆さんに楽しんでもらえるよう、面白いものが書けるプロの文章家を目指しています。

ですが、もしも「明日からブログはやめてユーチューバーをやれ」とか、「ビルの管理人をやれ」と言われたら、「はい、喜んで!」ってやらせてもらうと思います。

私は「仕事内容」ではなく「人」で仕事を選んでいるからです。

やりたい仕事がない、というか仕事がやりたくない。

子どもの頃から何かにつけて「将来の夢は? やりたい仕事は?」って聞かれますよね。

小学生までは無邪気に「野球選手」だの「ケーキ屋さん」だの言ってられましたが、中学、高校になると、いよいよ「やりたい仕事」に向けた進路選択を迫られます。

京都の舞妓になりたければ中学卒業してすぐ見習いにならないといけないし、美容師になりたければ高校卒業後に専門学校に入らないといけません。

まだ自分が何をやりたいのかわからない大多数の人は、大学に進学して就職先の選択肢を増やし、在学中にやりたい仕事を見つけようとするでしょう。

しかし、その計画が上手く行くことはまれです。就職活動が解禁されてからやっぱり「やりたい仕事がない」と悩むことになります。

私もそのパターンでした。

特に何をしたいという目標がなく、とりあえず田舎から出たいだけで進学し、在学中はバイトと遊びに明け暮れてしまったので、自分は一体何がしたいのかさっぱり分かりませんでした。

これと言ってやりたい仕事はなかったけれど、やりたくない仕事はありました。

転勤がある仕事はイヤ。土日に休めないサービス業はイヤ。公務員や教員は試験勉強をしなきゃいけないし、親がやれって言うから絶対にイヤ。

やりたい仕事がない。正確に言うと仕事がやりたくない。でも、生活するために仕事はしなくちゃいけない。

強いて言えば、普通に生活できるぐらいのお給料がもらえて、あまりキツくない仕事が良いなあ。

できるできないで言えば、文系なので技術系はなし。

経理とか法務とかは専門の学部じゃないとなれないので、たぶん営業とか人事とか…なのか?

本当に自分が営業をやりたいのかは分かりませんでしたが、就職活動では「やりたいアピール」をしなければなりません。

そこで私は、本屋で平積みになっていた営業の本『失礼ながら、その売り方ではモノは売れません』(林文子)を買ってパラパラ読み、感銘を受けたことにしました。

それを面接のネタにしたら、本社が仙台の小さな学習塾の営業職に採用されました。

実際に働いてみると、私は営業がサッパリできませんでした。

営業だから、なるべく高いコースを提案して契約を取るのが仕事なんですが、「とりあえず一番安いコースでお願いします」と言われると、そのまま承ってしまうんです。

すぐ人の意見に流される性格のため、お客さんに「こうした方が絶対いいですよ!」と強く言えないのでした。

営業成績が振るわない私は、2年目の途中で総務に回されます。

普通だったら悔しがるところだと思いますが、私は別に営業がやりたかった訳ではないのでむしろラッキー!ぐらいに思ってました。

かと言って総務も別にやりたい仕事ではなかったんですが、転勤もないし、締め日前以外はそんなにキツくないし、職場の人もいい人たちで働きやすかったので、ダラダラ働き続けました。

人生の大きな転機が訪れたのは30歳の時です。

一生、関わっていきたい人との出会い

細かい経緯は省略しますが、当時の私はある人物にお金を貢ぐのが生きがいでした。

しかし、会社のお給料だけではお布施のお金が足りなくなってきます。

そこでもっとお金を稼ぐために、独立して自分でビジネスをやろうと思い立ち、まずは副業からスタートしました。

この時も「やりたい仕事」は特になく、「稼げそう、かつできそうだから」という理由で、士業を目指します。

社労士とか行政書士とか、資格を取って一人で事務所をやろうと思ったんですね。

ですが、途中から資格がなくても稼げるらしいと聞いて、ライター業にあっさり路線変更。

ライターなら、名刺を作れば誰でもすぐに始められるのです。(クラウドソーシングの仕事なら、名刺すら不要。)

ビジネスの勉強と人脈づくりを兼ね、仙台で開催される異業種交流会やセミナーの類にはスケジュールが合えば片っ端から出て名刺を配り、ぼちぼち仕事ももらえるようになりました。

そのころに、セミナー講師をしていた佐藤想一郎さんという人に出会います。

ビジネスをやってる経緯を想一郎さんに話したら「人に貢ぐためにお金を稼ぎたいなんて、そもそもおかしいですよ。そのおばさん、詐欺じゃないの?」とバッサリ。

信じていた人を悪く言われてショックでした。

でも、他の人は私の技術やスキルだけを見てそもそも興味がないか、知ったところで表面的に「頑張ってねー」と言うか、のどちらかで、嫌われる覚悟で人生に踏み込んでくれたのは想一郎さんだけだったんです。

何度かセミナーを受けてからコーチングをお願いし、アドバイスを受けて仕事も人間関係も一旦全部リセットすることになりました。

当時はメンタル的にもだいぶ落ちていて、外に出て知り合いに見つかったらどうしよう!?みたいな状態だったので、今みたいにブログを書いてネットで顔出しするなんてとても無理です。

なので、ひとまず近所のファミレスでアルバイトをしつつ、少しずつリハビリしました。

一筋縄では行かず、時間もかかりましたが、今では別人のように明るくなりました。

人とも普通に関われるし、いろんな依存も克服できたし、仕事にも打ち込めます。

めちゃくちゃ成功してバンバン海外旅行…みたいな派手な生活をしている訳ではないですが、毎日おいしいご飯を食べて、同じ方向を目指して一緒に成長できる仲間がいて、とっても充実して幸せな日々を過ごしています。

ただ、そこで自分だけ幸せで終わらせちゃいけないな、という使命感も出てきました。

私が想一郎さんに出会って人生が良くなったから、教わったことを独り占めしないで他の人にも伝えて、人生を良くする人を増やしたい。

別にセミナーに参加しなくても良いけれど、知らないままで苦しんでいる人には、知るキッカケを作りたい。

ブログを読むだけでも、ちょっと気持ちが明るくなったり、クスッっと笑えたり、何かのヒントをつかんでもらえたら良いな。

そんな思いで、私が想一郎さんから学んだことや、経験から得られた気づきをブログにして、発信しています。

今はこのサイトの他にいくつかのサイトを運営し、新人ライターさんに教えたり、想一郎さんのセミナーやイベントの手伝いなんかもしています。

別に「ライティングの仕事だから」やりたいのではなく、想一郎さんを手伝いたいのが最初にあって、その手段のひとつがたまたまライティングだったのです。

今のところは文章を書くのがもっとも役に立てそうだからブログをやってますが、時代の流れや状況に応じて「仕事内容」は変わっても良いと思っています。

実際そういう働き方をしてみて、実は「人」から選ぶのがストレスのない働き方なんじゃないかな、と思うようになりました。

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「やりたい仕事幻想」が離職の元凶

保育士になりたい、プログラマーになりたい、商品企画をやりたい、etc…

せっかく夢が叶ってやりたい仕事ができるようになっても、「職場の人間関係」を理由に退職する人は多いようです。

リクナビNEXTによる「転職理由と退職理由の本音ランキングBest
10
」には、

  • 上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(1位)
  • 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(3位)
  • 社長がワンマンだった(6位)
  • 社風が合わなかった(7位)

など人間関係の理由4項目がランクインしています。

ちなみに「仕事内容が面白くなかった」は5位でした。

職場で働く時間は1日の起きている時間の大半を占めますから、一緒に働く人たちとの関係がうまくいかないのは苦痛ですよね。

逆に、人間関係さえ良ければ、どんな仕事でも楽しみを見出すことはできます。

私の友人に旧帝大の農学部を出て「メーカーの営業」をやっていたのが、結婚を機に「野菜を洗う仕事」のパートに転職した人がいます。

せっかく学歴もキャリアもあるのに、なんかもったいないような感じもしますよね。

でも、本人は

「なんもストレスない!ストレスなく育った家畜は、美味しくなるんだよ。だから、私、今食べたらめっちゃ美味しいと思う!!」

と言って、嬉々として働いています。

一緒に働く人たちは上は70代から一番若い人でも55歳で、20代の彼女は孫娘のように可愛がられているんだそうです。

そして、誰も愚痴を言ったりせず一生懸命に働いているので、職場の雰囲気がめちゃくちゃ良いらしい。

大量の野菜を処理するのは身体的にはハードだけれど、仕事に行くと気持ちは元気になれる、と言います。

たぶん彼女にとって野菜を洗う仕事は、兼業主婦にならなかったらやっていなかった仕事で、学生時代には考えてもいなかったと思います。

旦那さんの仕事の関係で引っ越して、出会った人たちと一緒に働きたいと思ったら、それがたまたま野菜だった。

それで生き生きしている彼女を見ると、「やりたい仕事」よりも「一緒に働きたい人」なんだなあ、と感じます。

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やりたい仕事がないなら、一緒に働きたい人を探そう。

だから、自分の中で「やりたい仕事」がないのは、良いことです。

だって、大学生とか20代、30代で「自分にはこれが向いてると思う、この仕事がやりたい」って思っても、それが本当に向いてるかどうかなんて分からないですよね。

もう一人、別の友人の例を紹介しましょう。

その人はもともと会社員をしていましたが、一緒に働きたい人を手伝って動画編集の仕事をするようになりました。

ところが、周りの人から見ると、動画の仕事をしているときは眉間にシワが寄って険しい顔をしていて、人と話しているときの方が楽しそうに見えたそうです。

「人と直に接するの方が向いてるんじゃない?」と声をかけられ、今はお店に立って接客をしています。

やりたい仕事にこだわりすぎず、一緒に働く人やお客さんのために「なんでもさせてもらいます」の精神で色々やってみると、意外な才能を発見してもらえるかもしれません。

もちろん、いきなり「何でもやります」だけだと、雇う方も困っちゃいますので、

「自分はこういう勉強をしてきて、今まではこんな経験があって、自分ではこれが得意で、こういうことでお役に立てると思います。でもそこにこだわってはいないので、やらせてもらえるなら何でもやりたいです」

ぐらいのスタンスが良いんじゃないかなと思います。

また、「一緒に働きたい」の基準ですが、性格が合うかどうかよりも、目指す方向性が合うかどうかを重視するべきです。

性格が合わなくてケンカばかりでも、同じゴールを目指していればそれは「意見調整」になり、最終的には一致団結して進んで行けます。

でも、見ている方向がバラバラだと、仲良しになっても距離は離れていってしまいます。

その会社は、そこで働く人たちは、究極、何を目指しているのか。どんな世界を理想としているのか。

そういった抽象的なゴールに共感できること、社風や空気感を「良いな」と思えることが、実はすごく大事なのです。

まとめ

やりたい仕事がない、自分に何ができるのか分からない、という人は、まずは一緒に働きたい「人」から考えてみましょう。

人間関係さえ良ければ、どんな仕事も楽しめるもの。

言い換えれば、どんな人と出会うかによって、働き方も人生も大きく変わります。

あなたも方向性を同じくできる企業や仲間に出会い、本当の「やりたい仕事」に出会えますようにお祈りしてます!

ABOUT ME
高橋久美
会社を8年でやめてフリーライター4年目。たまたまブログから見つけた佐藤想一郎さんのご縁で最高の仲間たちと出会い、WEB媒体の他、最近はブックライティング、雑誌の編集など忙しくも充実した毎日を送っている。読んだ人の心が明るくなって、人生まで良くなってしまうような文章を目指して修行中。→ 詳しいプロフィールはこちらから
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ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。

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よろしければ読んでみてくださいね。

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