仕事ができる人、スポーツや勉強に秀でた人は、なぜ同じ時間を与えられても他の人より高いパフォーマンスを発揮できるのでしょうか?
その秘密は「集中力」にあります。集中して取り組んでいるので、同じ時間でも密度を濃くできるんですね。
嬉しいことに、集中力の良し悪しは先天的に決まっているものではなく、脳の使い方を知ってトレーニングすれば誰でも改善できるのだそうです。
しっかり集中して、無駄なことに時間を費やすのをやめられれば、仕事はきっちりこなして定時退社、趣味でも「いつそんなに練習したの?」と仲間を驚かせ、恋人や家族との時間も大事にできます。
自分をコントロールして、やりたいことに集中できる意志の力があったら良いと思いませんか?
そこで今回は、集中力の源「ウィルパワー」についてまとめてみました。
集中力をアップして、デキる人になっちゃいましょう!
目次
ウィルパワーってどんな意味?
ウィルパワーとは、その名の通り「意志の力」です。
額の奥、数センチのところにある脳の前頭葉は、思考や感情をコントロールする機能を担っています。
この前頭葉こそが自分を操る集中力の源であり、ウィルパワーは前頭葉の体力のようなものです。
肉体の体力に限界があるように、ウィルパワーの量にも限りがあります。
意思決定や感情にウィルパワーを使えば使った分だけ消耗しますが、睡眠や食事で回復できます。
ウィルパワーの仕組みを知ってトレーニングを積めば、誰でも集中力を高めて圧倒的にパフォーマンスを上げることが可能です。
私は自分の身の回りにあるものすべてに注意力を奪われ、その結果、なにひとつ集中できなかった状態から、目的からやるべきことを絞り込み、的を絞って集中する術を身に着けたことで、集中力をコントロールできるようになりました。
すると、同じ1時間でも処理できる「量」が、格段に上がったのです。
出典: 『自分を操る超集中力』メンタリストDaigo
私も子供の頃から非常に気が散りやすく、常に頭の中が「忙しい」状態で、なかなか1つのことに集中するのが難しい質でした。
たとえば、こんな文章を書いていて「あ、この漢字って同音異義語があるけど、どっちが適切なんだろう?」と辞書を調べようとしてインターネットブラウザを開いたら、途中まで見ていたYouTube動画を見始めて何時間も戻ってこなかった…なんてことはザラでした。
それが、ウィルパワーを意識して使うようなって劇的に改善されました。
1本のブログを座ったまま集中して書き上げることができますし、人生レベルでも、いろんな趣味を中途半端にやっていたのをやめて、「今はライティングだけ!」という風にエネルギーを集中することができるようになりました。
では、このウィルパワーの仕組みと、鍛え方、無駄遣いしない方法を見ていきましょう。
意志力が弱いんじゃない、無駄遣いしているんだ!
まずはウィルパワーの基本性能として、以下の2つが重要です。
- パワーの出どころは1つしかない
- 使うと減る
集中してやりたいと思っている仕事にはウィルパワーが必要ですが、そうじゃない関係ない物事にも消費されてしまいます。
たとえば、朝、目が覚めたときに「起きようかなぁ…いや、あと5分」と悩むのにも、起きてから着る服を「今日はこっちの気分かなあ、やっぱりこっち?」と迷うのにもウィルパワーは使われています。
全てパワーの出どころは同じですから、どうでもいいことにウィルパワーを使えば使うほど、本当に集中したいときにエネルギー切れになって注意散漫になってしまいます。
起きるときは起きる、服をパッと選んで着る、みたいにシュババっと迷わずに决めてしまったほうがウィルパワーは温存できます。
集中力があってパフォーマンスが高い「できる人」とそうでない人の差は、生まれ持った才能でもなければ脳の出力の差でもなく、ウィルパワーを無駄遣いしないで使いたいときに使えるかどうかの違いなのです。
スティーブ・ジョブスが同じタートルネックとジーンズばっかり着ていたのは有名ですが、あれは服を選ぶウィルパワーを節約するためだったそうです。
じゃあ、私たちも同じ服を毎日着ればいいというわけではなく、「人生で一番、大事にしたいこと」にフォーカスできるように、自分なりの優先順位を作っておけば良いと思います。
ファッションを大事にしたい人なら、むしろそれ以外で節約して、服選びにウィルパワーを注ぐべきです。
次では、更に具体的にウィルパワーを鍛える方法・温存する方法をご紹介します。
ウィルパワーを鍛える方法
ウィルパワーを鍛える方法とは、ウィルパワーの総量の限界値を上げる方法です。
たとえばゲームのキャラクターにHPを全回復できるアイテムを使っても、HPの限界値が低ければそれ以上には増やせませんよね。
敵を倒したりしてレベルアップすると、HPの総量を増やすことができます。
ウィルパワーをレベルアップするのに効果的なのは、普段無意識にやっていることを「やらないようにすること」です。
たとえば、いつもは猫背で姿勢があんまりよくない人なら、「背筋を伸ばしていい姿勢を保とう」と意識してみましょう。
気を抜くとすぐ戻ってしまうので、キープするのは思ったより大変ですよね。
無意識の行動に「はっ」と気付き、改めるという行動をくり返せばくり返すほどウィルパワーを鍛えることができるのです。
これは、「セルフモニタリング効果」と呼ばれ、自分で自分の行動を客観的に「観察」して、「うまくいった・いかなかった」と評価し、そこから生じる達成感や反省によって行動をさらに強化できるという働きです。
出典: 『自分を操る超集中力』メンタリストDaigo
他にも、腹式呼吸に変えてみる、利き手と逆の手を使ってみる、なども同様の効果があります。
元から姿勢がいい人など、既にやり慣れていることだと意味が無いので、「ちょっと気をつけないとできないこと」を何か見つけてチャレンジしてみてください。
鍛えて総量を増やしたウィルパワーも、無駄遣いしていたらあっという間に無くなってしまいます。
今度は、ウィルパワーを温存する方法です。
ウィルパワーを温存する方法
人生の優先順位を考える
まずは、人生を長い目で見てみましょう。
残りの人生の限られた時間を何に使いたいか、優先順位を决めます。
仕事、家族、趣味、勉強、etc…
これをやっておかないと後悔しそうなこと、逆にこれをやっていたら時間が無駄だったと思いそうなことは何でしょうか?
難しい人は、後から変えても良いことにして「今は」で决めてオッケーです。
「これでいいのかな?」と迷っていると、迷うこと自体にもウィルパワーを使ってしまいます。
仮に間違った選択だったとしても、集中して全力でやってみたら絶対に学びは得られます。
優先度の高いことに集中してやってみて、飽きてしまったり、やっぱり違ったりしたら、また別のことに集中すれば良いだけです。
「やろうか、やめようか」と迷っている時間がいちばん、ウィルパワーも人生も無駄にしてしまいます。
物理的に気が散る要素を無くす
気が散るとウィルパワーが消費されますので、あらゆる面で「気が散らない」環境を作ることが重要です。
まずは物理的に気が散る要素を、できるだけ排除しましょう。
仕事場がごちゃごちゃ散らかっていたり、関係ないものがたくさん置いてあったりしたら、集中なんかできませんよね。
要らないものを片付ける、作業しているときの視界に入らないようにする、などの工夫をしましょう。
現在の私の執筆デスクはこんな感じで、パソコン以外は何も置かないようにしています。
飲み物が入ったマグカップとかも、デスクの上で視界に入るとやっぱり気になりますが、死角にある棚の上に置いておけば、飲むのも忘れて没頭できます。
パソコンの中も、使わないデータがごちゃごちゃ入っていたり、メールの届いた通知がピロンピロン出てきていたら、集中を削がれてしまいます。
私の場合はデスクトップには作業中のファイルだけを置いて、通知は全部オフにしています。
Wi-Fiもオフなので、ネットサーフィンできません。
また、過去の取材データなど保管用のものはクラウドにアップロードしたら本体からは削除し、「今使うものだけ」を残しています。
もちろんスマホも通知オフで視界に入らない場所に起き、音が鳴るのは仕事関係の電話だけです。
デスクの前に座れば、もう書く他にやることがなくなってしまうので、だいぶ集中して書けます。
精神的に気が散る要素を無くす
せっかく物理的に片付けても、心の片隅で気になっていることがある精神的に気が散ってしまいます。
まるでバックグラウンドで動いて少しずつバッテリーを減らしていくスマホアプリのように、「気になること」はウィルパワーをじりじり減らしてしまうのです。
対策としては、未完了のものをサッサと終わらせてしまいましょう。
たとえば、こんなことはありませんか?
- 開封していない請求書やDMが積み上がっている
- 本棚に読みかけor買って読んでいない本がいっぱいある
- 誰かに謝るのを先延ばししている
- 粗大ごみをとりあえず押入れに隠してある
- 治療していない虫歯がある
すぐにできることは、一気に終わらせてしまいましょう。
時期を待たなければできないものや、量的にすぐにできないものは、やるスケジュールを決めるだけでもスッキリしますよ。
私も先日、ずっと先送りにしていた親知らずの抜歯と、2年分の副業の確定申告の記帳をやっちゃいました。
やらなきゃ、でも面倒だなあ、と思ってるとすごく気になりますが、いざやってしまえば「なんだ、こんなもんか」で終わりますし、気分はも軽くなります。
「やること」と「やらないこと」を決める
一日単位でも、今日やること・やらないことを予め决めてしまったほうがウィルパワーの節約になります。
シンプルな方法をひとつ、ご紹介しましょう。
前の晩に、次の日にやることと優先順位を付箋にメモしておき、翌日は絶対にその通りに実行するようにします。
優先順にやっているので、全部終わらなくても残るのは優先度の低いものだけです。
同時進行でやらなければいけないことが色々ある場合でも、「今日はこれに重点を置こう」とテーマをひとつ决めるのと、「今はこれはやらない」という項目も决めてしまいます。
ウィルパワーを分散しないほうが、結果、同時にやるよりも速くできることになるでしょう。
つい最近のことですが、自分でブログを書くのを2つやって、更に人に教えながら教材を作り、Facebookとかラジオ動画とかもやる、と自分のキャパに対して広げすぎてしまったことがありました。
そこでGLOBO(ここのブログ)だけに絞って、1ヶ月チャレンジしてみることにしました。
そうしたら、ちゃんと毎日アップできるだけでなく、記事のクオリティも上がり、パフォーマンスがぐーんと上がったのが感じられました。
「やらなきゃ、でも、できない…」とフワフワしているよりも「今はやらない」と决めてしまったほうがずっとパワフルなんですね。
習慣化する
毎日やることは、順番を决めて「考えなくてもできる」まで習慣化してしまうのがウィルパワー温存の秘訣です。
たとえば、車の免許を取り立ての人が発進するときは、いちいち「シートベルト、ミラー、サイドブレーキ…」と考えながらの動きになるでしょう。
それが何年も毎日通勤で運転して慣れてしまったら、車に乗ってから発進するまでの動作なんて、何も意識しなくても流れるようにササッとできてしまいます。
それ以外の普段の行動でも「次どうしよう?」と考えなくて済むぐらいに決まったルーティンにしてしまえば、ウィルパワーを使わずに仕事をこなすことができます。
特に、最もウィルパワーが回復している朝は大切です。
起きてすぐの時間の過ごし方によってその日一日が決まると言っても過言ではありません。
実際やってみると、最初は大変ですが、「起きて、歯を磨いて、水を飲んで…」という流れを体が覚えてしまえば、寝ぼけながらもシャキッと動けるようになりますよ。
最後に、ウィルパワーの回復方法をチェックしましょう。
ウィルパワーを回復する方法
良質の睡眠と食事で体調を整える
脳も体の一部ですから、脳の働きを良くするためには体調を整えることが何よりも大切です。
健康法を挙げればキリがありませんが、絶対にダメなのは「不眠不休」です!
ウィルパワーは睡眠で回復できますが、睡眠時間が足りていなかったり、眠りが浅かったりすると、朝起きても頭がボーッとしてフル回復していないことがあります。
可能な範囲でいい寝具を使い、自分の体質に合った睡眠時間をしっかり確保しましょう。
眠りの質を上げるためには、寝る前に以下のことに気をつけましょう。
- 風呂に入って体を温める
- 寝室を予め薄暗くし、気温と湿度を適切に保つ
- パソコンやスマホのディスプレイの光を避ける
- ゆったりとポジティブなことを考える
食事の面では、血糖値が穏やかに上下する低GI食品が集中力には良いとされています。
白米よりも玄米、うどんよりもソバ、パンなら食パンよりも全粒粉パン、砂糖たっぷりのお菓子よりもナッツ、の方が血糖値の乱高下を抑えてくれます。
食事の中に低GI食品を取り入れると、集中の持続力がアップしますよ。
また、体が水不足になると脳の働きも悪くなることが分かっています。水や白湯をこまめに飲みましょう。
私はどーうしてもご飯は白米を食べたいので、野菜を先に食べて血糖値の上昇を緩和しています。
かんたん呼吸瞑想
疲れてきて頭の中が散らかってきたな、というときには瞑想がおすすめです。
タスクがいっぱい動いてフリーズしたスマホを再起動して直すのと同じで、ごちゃごちゃした頭の中をいったんリセットできます。
瞑想にちゃんと入ることができれば、短い時間で睡眠以上の回復効果でスッキリできますよ。
ただ、瞑想の方法によっては逆にダメージを受けるなどの危険もありますので、本格的にやりたい場合は適切な指導者の元で行ってください。
ここでは、安全で比較的かんたんな「呼吸瞑想」の方法をご紹介します。
やることは簡単で、姿勢を正して自分の呼吸に意識を集中するだけです。
腹式呼吸をしながら、お腹に風船が入っているイメージをして、その風船をゆっくり膨らませたり、しぼませたりしてみましょう。
目は開いていても、閉じていても、やりやすい方で大丈夫です。
雑念が思い浮かんでも無理に消そうとせず、イメージの中に入っていかず、呼吸に意識を戻しましょう。
寝ると意味がありませんので、集中をキープして眠らないようにだけ注意が必要です。
朝起きてすぐの時間や、大切な仕事の前に、瞑想を取り入れてみてはいかがでしょうか?
ウィルパワーの使い方まとめ
まとめると…
- ウィルパワーとは、思考や感情をコントロールする脳の部位「前頭葉」の体力のことです。
- 限られたウィルパワーを有効に使えば、集中力を高め、目標に向かって自分の行動をコントロールできます。
- ウイルパワーの総量を増やすには、姿勢を正すなど「ちょっと意識しないとできないこと」をやりながら過ごすのが有力です。
- 無駄な意思決定を減らし、ルーティン化・習慣化することでウィルパワーは温存でき、睡眠や食事、瞑想の質を上げることで回復もできます。
ウィルパワーを活用して集中力を発揮し、思った未来を引き寄せましょう!
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
(下のボタンを押すとフォームが開きますので、情報を入力して〝送信する〟ボタンを押してください。メールにてレポートをお届けします。)