キレる人たちは、どういう心理で怒りを爆発させるのでしょうか?
キレる人にも色々なタイプがいて、すぐにキレてしょっちゅうヒステリーを起こす人もいれば、何十年かごとに噴火する火山のようにたまにキレる人もいます。
私の母は後者で、いつもは大人しくし我慢しておいて数年に1回ブチ切れる人でした。
しかも、ムカつく相手ではなく関係ない人に向かってキレるというよく分からないことをやります。
なぜ怒るならその場でそいつにキレずに何年もため込んで関係ない私とかに向かってキレるのか、キレる人の心理が不思議でなりませんでした。
それが田房永子さんのマンガ『キレる私をやめたい』で解説されていて良く分かったのでまとめました。
キレる人の心理
いい人でいなきゃいけないと思っている
実家を出て一人暮らしをしていた私のところに、母が遊びに来たことがあります。
二人でお芝居を観て牛タンを食べて帰ってきたところまでは良かったのですが、家に帰ってからが大変でした。
母は、思い出話のついでにムツムツと「思い出しギレ」を始めたのです。
怒っている相手は小姑。私から見ると父親の妹、つまりは叔母です。
母の供述によると…
- 母方の祖母宅には兄夫婦が同居していて、祖母(母の母)は「オマエがいるとお嫁さんがゆっくりできないから帰れ」と言い、ゆっくり里帰りもできない
- それなのに、姑は小姑がしょっちゅう里帰りしてお金も入れずに何ヶ月も滞在させる。小姑も自己中だが、姑も甘やかしている。
- あるときは深夜にアポなしで職場の上司を連れてきてホテル代わりに泊め、自分の作ったあり合わせの朝食に「こんなものしかありませんが」と文句を言った。非常識過ぎる。
そりゃあ確かにムカつくなあと思うんですけど、だんだん語気が強くなって最後は涙交じりになり、まるで私が怒られてるみたいなのは全く意味がわかりません。
これには私も抗議したくなります。
私「今さら言われたって知らないよ、その時におばさんに怒れば良かったじゃん」
母「嫁の立場で言えるわけないでしょ。それに、ちょっと言うと10倍になって帰ってくるから怖かったんだもん」
私「そんなに嫌なら、別居すりゃよかったのに」
母「お父さんは別居にしようかって言ってたんだけど、お金も節約になるしと思って…」
どうやら、母の中では「いい嫁とはこうあるべき」「同居してお金は節約するべき」みたいなルールがあって、我慢していたらしいのです。おしんじゃないんだから…!
ようするに「いい人」でいたいのでその時々では皆に良い顔をして、何十年もうっぷんを溜めていたんですね。
『キレる自分をやめたい』では、「やさしくしないとダメ、きらわれる」という声が「夫ムカつく」という気持ちを押しつぶそうとする、と表現されていました。
ゲシュタルトセラピー理論では、この2つの心の声のことをトップドッグとアンダードッグと呼ぶそうです。
「良い子ちゃんでいたい」トップドッグよりも「でも、本当は嫌だ」という気持ちのアンダードッグの方がパワーが強いので、押さえつけようとすると反発されてしまう、というわけ。
過去の別の件を投影している
母がキレたので最も意味不明なのが「スイカを食べて逆ギレ事件」です。
とある夏休み、祖母が子供たちを連れてキャンプに出かけ、家には夫婦水入らずになったことがありました。
後日、キャンプから帰ってきて自分の部屋でダラダラしていると、父に「ちょっと茶の間においで」と呼び出されました。
そこには、泣いてブチ切れている母と、祖母と、妹もいて緊急家族会議が始まっていたのです。
事の次第はこうです。
祖母は出かける前、仏壇にスイカをお供えしていました。
留守中にそのスイカを父と母と2人で全部食べました。
戻ってきた祖母が「あら、スイカたべちゃったの?子供たちに食べさせようと思ってたのに」とボソッと言ったら母が泣いて逆ギレしたらしい。
いつも息子や孫にばっかりいい顔して、嫁にはひどいとの訴えでした。
当時はびっくりして「みんななかよくしよう!またスイカ買ってこようよ」とか子供ながらに必死になだめた記憶があります。
しかし、今振り返るとなんでその小言でキレないといけないのか、意味が分かりません。祖母もビックリですよ。
おそらくですが、そのスイカの件だけじゃなく過去の色々なムカつくのに我慢した出来事がくっついて変換されてしまったのでしょう。
田房さんは、過去に親や元恋人から「お前はダメ」「価値がない」と言われつづけてきました。
そのせいで、夫がちょっと「ここに物を置かないで」と言っただけで、心の中では「なんでこんなこともできないの」「ほんとダメだな」と変換され、強烈な衝撃になるのだそうです。
パニック状態になっても自分の心は認識できず、そのエネルギーだけが身体に伝わり「キレて暴れる」ことになるのです。
『キレる自分をやめたい』より
怒る正当性があるとキレる。
キレる人も、ところ構わずキレているわけではないようです。
この間、近鉄奈良線で乗客にキレられ続けた駅員がホームから飛び降りて大けがをした事件がありましたが、「キレる」人って駅でたくさん見かけます。
電車が遅延したことを車掌さんや駅員にキレても意味ないってことは、普通に考えたら分かる。
だけど、爆発しちゃう人はその場では自分にはキレる権利、正当性があると思い込んでしまっていると思う。
母にも近いエピソードがあります。
私が中学生か高校生ぐらいのとき、家族で隣町のイオンに買い物に行きました。
カバン屋さんで3,000円のワゴンセールをやっていて、3,000円ならお小遣いで買えるから欲しいなと思って立ち寄ったのですが、レジで「これは4,000円です」と言われました。
私「あ、じゃあやっぱりいいで…」
母「ちょっと!そこに3,000円って書いてあったんですけど、3,000円にならないんですか?!(食い気味)」
そこには、いつもの気弱な母ではなく、目の据わったおっかないオバハンがいました。
半ギレでゴネても結局安くはしてもらえず、そのバッグは買わずに帰りました。ひたすら恥ずかしかったです。
帰りにチラッと見たら、ワゴンは「3000円〜」とニョロニョロが付け足されていました。
確かにニョロニョロを付けていなかったのは店員のミスですが、そんなに怒ることなの?
しかし、これには私にも思い当たるフシがあって、家に来るピンポン営業の人とかにはけっこう厳しい口調で問い詰めてます。
オートロックだから別に出ないで居留守してればいいんですけど、相手の方が明らかに悪いときに文句言うのって楽しいんですよね。
揚げ足を取って理不尽なキレ方をするクレーマーは、きっと会社とか家庭では弱い立場でストレスを溜めている人なんだろうなあと思いました。
キレる人の心理|まとめ
というわけで、キレる人にはこんな心理があるようです。
- いい人でいなければいけないと思っていて抑圧が強い
- 目の前の現象だけでなく昔のことも投影する
- キレても仕方ない理由があると、ここぞとばかりにキレる
いい人キャンペーンには機嫌があり、些細なきっかけで一気に還元されるというところでしょうか。
最後に、うちの母が上記のようにキレるのは何年かに1回だけであり、普段は至って温厚な優しい人であることを申し添えておきます。
キレる人への対処法はこちら
⇒キレる人への有効な対処法|私がコールセンターで学んだ5つのこと
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
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