人と比べる癖は多くの人が持っているものです。
癖というからには、自分で意識せずにやってしまっていることです。
そして、それに気づかないことも多いでしょう。
「人は人、自分は自分」と言われるように他人と比べる必要はないと分かっていても、なかなかこの癖を直すことはできません。
直すことができない理由としては、
- 何が原因か分かっていない
- 分かっていても気づいたら繰り返している
- 本気で直そうと取り組んでいない
- 直すのは大変だと感じ諦めてしまう
- 明日から始めようとしているが明日が来ない
といったものがあります。
確かに癖を直すことは時間がかかったり、面倒だと感じることが多いですが、それを永遠に繰り返すことを考えると早めに直してしまいたいですよね。
そのためには、具体的にどうすればいいのでしょうか?
目次
なぜ他人と比べてしまうの?
目に見えるものが大事だと思ってしまう
一番大事なものとはなんでしょう?
答えは人によって違うかもしれませんが、お金や車や家を、「命に代えても守りたい!」という人は少ないのではないでしょうか。
そもそも死んでしまっては、物を所有している意味もなくなってしまいます。
頭ではもっと大事なものがあると分かってはいるものの、実際は外見に表れることばかりを意識してしまうということがあります。
例えば、会社で同期の人が自分より出世して給料も上がって妬むとか、自分と同じくらいの年齢なのに若々しい人を羨むとか、自分より新しいスマホを買った人を見て嫌な気分になるといったことです。
こういうことは多くの人が経験していることで、そう感じてしまうのは、ステータス・年収・地位・学歴・容姿といった「目に見えるもの」に価値を認めているからなのです。
自己肯定感が低い
自己肯定感とは、簡単に言うと「自分の価値を自身がどう感じているか」ということです。
自己肯定感が高い人は自分の価値が高いと感じており、低い人は「自分は価値が低い人間だ」「自分には価値がない」と感じているということになります。コンプレックスをたくさん持っている人がこういう考えになりやすい傾向にあります。
自己肯定感の低い人の多くは自分の価値を低く見ますが、そういう人は他人についても価値を判断しています。
要するにこれが人と比べてしまう原因になっています。
そしてその差を感じて相手が自分より価値が低いと感じれば安心し、自分より価値が高いと感じれば不安になります。
また、自分がそういうことをしているにもかかわらず他人に自分を判断されることを嫌ったり、恐れたりという傾向もあります。
プライドが高い
プライドが高い人の特徴として、「こうあるべき」「こうでなくてはならない」という考えを強く持っている人がいます。
もはや古い日本の慣習とも思えるこの考えは「男はより多く稼がなければならない」とか「女は家事ができなければならない」といったものがあります。
これを信じ込んでいる人が、稼いでいる人や家事ができる人を見ると、「自分より稼いでいる」「自分より家事ができる」というように比べてしまう原因になります。
ですが、それをバネに頑張れる人もいますので、その点に関しては悪いことではありません。
そして、プライドが高い人の中には、「私があの人に劣っているはずはない」と他人を自分より下に見る人もいます。
一見自尊心があっていいことのようにも思えます。自分をもっとレベルアップさせようと思うだけなら、他人は関係ありませんから問題ありません。
ですが「私は他人より優れている」と言う人は、その瞬間に低俗な人になってしまいます。
プライドが高いと比較をしてしまう以外にもこういったデメリットがあるので、できればなくしてしまいたいものです。
これらは信念から来ているもの
よくよく考えてみるとこれらは自分の考え(本当は他人の考えですが)を始めとして起こっていることがわかるでしょう。
そうです、これらの考えは自分の信念から来るものです。
信念とは自分が「これはこういうものだ」と信じるもののことです。
例えば、「ある程度の年齢になったら、出世して収入が多くなくてはならない」というのが信念になります。
こういう信念が先ほどの例で挙げた「会社で同期の人が自分より出世して給料も上がって妬む」というふうに人と比べる原因へとつながっていきます。
「背が高い人はモテる」というのは、あなたがそう感じているからそう見えてしまうだけで、そう感じていない人もたくさんいます。
そして、実際には背が高くてもモテていない人もいます。
あなたが今まで生きてきて、そう信じるようになったのです。
別の言い方をすれば、世間に「背が高い人はモテる」という認識があって、次第にあなたもそう刷り込まれていったとも言えます。
要するに、他人と比べることに問題があるのではなく、自分の基本の考え方が問題だということになります。
自分の中にあるそういった信念をなくしていくことで、自然と比べることはなくなります。
人と比べるとどんなことが起こる?
3つのパターンに分かれる
他人と自分を比べたときに起こることは大きく分けて3つあり、2つは優越感を感じるか劣等感を感じるかです。
優越感を感じるのは自分が相手に勝っていると感じたときで、劣等感を感じるときはその逆になります。
どちらにしてもあまり良いとは言えません。
3つ目のパターンで、中にはそれ以外のことを感じる人もいます。
例えば、「私はまだまだだから、あの人のようになるためにもっとがんばろう」という具合です。
比べたとしても、そこから生じるものがポジティブならむしろメリットになります。
あなたが自分より勝っている人を見て、自分も負けたくないと努力しようとするだけなら、人と比べる癖を持っていてもそこまで悩むことでもないのかもしれません。
ですが、「自分はなんてダメなんだ。あの人にとても追いつけやしない」といったネガティブな考えが生まれるならば、デメリットになります。
人と比べるのをやめるには?
人と比べる癖を直したいと思っても、これは簡単なことではありません。
いつから人と比べるようになったのかを思い出してみれば、かなり長い間それを繰り返してきたことがわかるでしょう。
そして、何度もやめようとしてうまくいかなかったことも。
簡単に解消できるものではないのですね。
ですが、決して無理なことではありませんのでじっくり腰を据えて取り組んでみるといいでしょう。
これから改善策をご紹介していきますので、できそうなことから始めてみてください。
自己肯定感を高めるための2つの方法
子供の頃に「お前はダメな子だ」と言われて育った子は、大人になっても自分に価値を認められず、ダメな人間なんだと思うようになります。
育った環境などに影響を受けて長年をかけて形成されるものです。
ですが大人になってからでも、自己肯定感を高めるのに遅すぎるということはありません。時間はかかりますが、可能です。
改善策はたくさんありますが、今回は2つをご紹介します。
先ほど、自己肯定感の低い人はコンプレックスが多いとお伝えしました。
ですからコンプレックスをなくしていくことで、だんだんと自己肯定感を高めていく方法があります。
まずは自分がどんなことにコンプレックスを感じているかを、紙にリストアップしてみましょう。
- 顔身長が低い
- 太っている
- 胸が小さい
- 貯金(お金)がない
- 学歴がない
- 恋人がいない
考え始めるといくらでも出てきてキリがないかもしれません。
顔にしてもホクロが多いとか、一重だとか、鼻が大きいとか、丸顔だとかたくさん出てくると思います。
意外と自分が意識していなかったことも、紙に書き出すことではっきりしてくるかもしれません。
まずは自分の中にこういうものがあるのだと認識することが大切です。
こうやって書き出してみるとどれも「表面に表れているだけのもの」という感じがしませんか?
リストアップが終わったら、このコンプレックスを解消するのですが、やり方は2つあります。
コンプレックスについて深く考えて折り合いをつける
1つ目はそのコンプレックスに対して深く考えてみることです。
書き出したコンプレックスを一つ選び、「どうしてこれにコンプレックスを感じるのだろう」と問いを発してみます。
例えば「どうして身長が低いのがコンプレックスなんだろう?」という具合です。
そうすると答えが思い浮かぶと思います。
それは「ただ漠然と嫌だから」という想いかもしれませんし、「中学生のころ、背が低いのを馬鹿にされてとても嫌な気分になったから」とか「背が低いのを理由に振られたことがある」というトラウマに起因するものかもしれません。
漠然と嫌という答えならコンプレックスにはならない可能性が高いので、もう一度考えてみましょう。
トラウマのような原因が浮かんだら、今度はこれを解消しなければいけません。
さらに深く考えていき、自分の中でうまく折り合いをつける必要があります。
例えば、中学のころ馬鹿にしていた人はもう自分の周りにはいないとか、背が低いというだけで振る人とは付き合わなくて良かったとか、自分が納得できる方法で考えてみてください。
万人に有効な「ただ一つの答え」というものはありません。
じっくりと自分の内側と向き合うことで、解消することができるようになっていきます。
リフレーミングで自分を好きになる
2つ目は、そのコンプレックスに対して今までと違う枠組みで考える方法で、これをリフレーミングといいます。
具体的には、身長が低いということに対して長所を見つけるというやり方です。例えば、
- 天井が低くても頭を打たない
- 本屋やスーパーで棚の下の方にある物を取りやすい
- 背が低くて可愛いと言われることもある
- 背が低くてもモテている人はいる
- バスタブを広く使える
といった具合です。ちゃんと考えてみるとどんどん出てきます。
考えれば考えるほどポジティブな思考になり、さらにポジティブな思考が生まれます。
そうなってくるととても簡単です。
ついでにリストアップしたものに関係なくても、自分の長所や好きな所を一つ見つけて、挙げていくのです。
それをきっかけに「自分にも意外と長所があるんだな」と気づき、自分を好きになることができます。
自分が素晴らしい人なんだと思えれば、比べる必要がないとわかり、比べる癖もなくなっていくでしょう。
カウンセリングもおすすめ
カウンセリングについては誤解が多い
人と比べてしまうのは、コンプレックスなどの悩みが原因となっています。
悩みを解決する方法の一つに、人に相談するというものがあります。
日本人は仕事や人間関係でストレスを感じやすい割に、なぜかカウンセリングを受ける人はあまりいません。
そして自分で抱え込んでしまい、解決策もわからずどんどん精神的に落ち込んでいってしまい、うつ病になってしまうケースもあります。アメリカではカウンセリングはごく一般的なもので、多くの人が利用して立ち直っています。
日本では、カウンセリングと聞くと「うつ病の人が行くところ」というイメージが強くなっています。
心の弱い人が行くところだから自分が行くのは情けなく感じるとか、行っているのを知られるのが嫌だとか、人にどう見られるかといった心配もあり、そういった誤解から利用する人が少ないのが現状です。
ですが、実際は多くの人が行ってよかったと感じているため、試してみる価値はあると思います。
人と比べてしまう原因、自己肯定感の低さやコンプレックスなど、これらのものをこれから先も抱えて生きていくのはメリットのあることでしょうか?
カウンセラーの探し方
カウンセリングに行くことで自分を変えることができたなら、一生悩まなくて済むかもしれません。
そうなれば、カウンセリングに通うことを恥じていたことなど笑い話になるでしょう。
興味が出てきたら、まずは近くのカウンセラーを探してホームページを見てみてください。
大抵はカウンセリングを受けた人の体験談が載っています。
それを読んだりカウンセラーのプロフィールを確認して、信頼できそうなら一度試してみるのもいいでしょう。
近場にカウンセラーがいなければ、スカイプや電話でのカウンセリングも受け付けてくれるところがありますので、探してみてください。
あなたはどうありたいですか?
自分がどういう人になりたいのか、具体的にイメージできている人は少ないでしょう。
人は自分が考える自分になります。
自分が持っておらず、他人が持っているものを見て落ち込むのであれば、逆を言えばそういう自分を望んでいるということになります。
生きていれば悩むことはたくさんあります。
やっと解決できたと思ったらまた次の悩みができてキリがありません。
ひとつひとつ潰していくのは途方もない作業ですが、これを一掃できる方法は自分がどんな自分になりたいのか、どんな自分でありたいのかをはっきりさせることです。
その考えを掴んで離さず、その考えにそって生きれば自然と悩むことはなくなるでしょう。
もしよかったら、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
・想像すら超えた未来を引き寄せる、運命を変える秘訣
といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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