断食、最近は「ファスティング」とも呼ばれますね。断食の身体面での効果には、
- 断食をしている間は消化にエネルギーを使わずに温存できるため、病気や怪我の回復を早められる
- 腸内環境をリセットして整える
等があります。
それ以外にも、断食には驚くべき精神的(スピリチュアル的)な効果があったんです。
断食をすると肉体感覚が変化してが研ぎ澄まされ、霊的な感覚も冴えるということで、宗教の修行でも断食が行われます。
目次
1か月間の日中断食ラマダンの精神的効果
イスラム教では、ラマダン月に1か月間、日の出から日没までの断食をします。ラマダンとは、太陽暦のイスラム歴で9番目の月、の意味で時期は毎年変わります。
断食の義務は「サウム」と呼ばれ、イスラムの5つの柱のひとつ。食事だけでなく、水分摂取、喫煙、性交渉も禁止です。
ラマダンの目的は、世俗的なよくを捨て、神への献身と奉仕に没頭すること。断食を行うことによってイスラムに背く堕落的な考えや行いから自らを清めることができると考えられています。
ラマダン月の間、イスラム教徒は日の出前と日没後に食事を摂ります。大相撲の力士・大砂嵐もイスラム教徒、本場所とラマダンが重なるときは、日本の暑い夏でも断食を行っていましたが成績は好調だったようです。
例外として、妊婦や授乳中の母親、従業者、健康リスクのある人、貧困の中にいる子供は断食をしなくてよいとされています。
断食で、腸だけでなく精神もデトックスできるようです。1日食事を我慢したら、美味しさはひとしおですね。丸一日の断食よりは取り組みやすいかもしれませんが、脱水症状に気をつけて、無理は禁物です。
ユダヤ教の25時間断食ヨム・キプール
ユダヤ教にも断食がありました。ヨム・キプールは、一日断食して神様に罪の許しを願う祈りをする日で、水も飲んではダメ、顔を洗っても、歯を磨いても、髭を剃ってもいけないのだそうです。
ヨム木プールの前の晩に食事をしたあとは、翌日の夕食まで食事と水分を絶ちます。こちらも、9歳以下の子供、妊娠中、授乳中の女性や病気療養中の人はしなくて良いことになっているそうです。
悪いことをしたら「飯抜き」を自主的にやるってことですね!
ヨーガの断食の精神的な効果
ヨーガでは、断食には肉体的にも霊的にも効用があるとされています。
消化にエネルギーを取られず、内面に意識を向け、静かに瞑想することができます。
断食中に瞑想を行うと、今まで抑え込んでいたものが潜在意識から上がって来やすくなるようです。良い変化ですので、そのまま受け入れましょう。
断食中に、お菓子や肉が食べたいという執着が出てくることがありますが、その時は瞑想をすると執着を手放すことができます。
パラマハンサ・ヨガナンダのおすすめ断食法
アメリカでヨガを広めたパラマハンサ・ヨガナンダ師は、講話の中で「からだに支障がなければ」三日間、またはもう少し長い断食を行うべき、としています。(『人間の永遠の探求』より)
断食は正しい方法で行う必要があり、特に三日以上の断食を行う場合には適切な管理者のもとで行う必要があるとのことです。
断食は毎週1回、果物だけを食べる1日だけの断食か、毎月1回のオレンジジュースだけによる3日間の断食で慣れることが推奨されています。
断食を定期的に行っていたためか、ヨガナンダは亡くなった後、遺体が腐敗しなかったと言われています。
インドでは70年間飲み物・食べ物を取らないヨガ聖者が見つかり、科学者を驚かせています。研究のために15日間病院に缶詰めににされ、24時間体制で監視されましたが、一切飲食せず、トイレにもいかなかったそうです。
どのようにエネルギーを摂取しているのかはまだ明らかになっていませんが、修行により精神が肉体よりも優位になると、精神力で肉体をコントロールできてしまうようです。
極端な例ですので、急にマネしないで週1回のプチ断食から始めましょう。
釈迦が悟りを開く前に行った断食
釈迦は悟りに至る前、断食の修行を行っていました。最初は1日1食、それが徐々に2日に1食となり、1週間に1食となり、その量も減らしていったそうです。
「少しでも食べたいという欲があるから、悟らないのだ」
ということで、ついに完全断食を決行することとなります。三週間が限度とされていましたが、なんと2カ月も(!)断食を続けたそうです。しかし、なかなか悟りに至ることはできませんでした。
極端な苦行はかえって肉体も精神もダメにして悟りから遠ざかる のでは、と考え山林を降りますが、弱った体で行き倒れになってしまいます。
通りすがりの娘からミルク粥を捧げられ、体力を回復。菩提樹の下で瞑想を行い、8日目に悟りを開いたと言われています。
「欲望は自分の心の中にある」と釈迦は気づいたのでした。
健康と精神に良いとされている断食も、やりすぎは禁物ですね! 「悟りたい」とか「痩せたい」という願望もまた、執着ということでしょうか。
さて、釈迦が断食明けに口にしたのは「ミルク粥」でしたが、断食後の食事の「回復食」は、胃腸がお休みモードに入っているためお粥やうどんのように消化に良いものが良いそうです。断食の期間が長いほど、注意が必要です。
断食して自らミイラに!即身仏の恐るべき精神修行
究極の断食は、自ら食を絶ってミイラになり、悟りを開くという即身仏の修行ではないでしょうか。
ミイラというと、エジプトのピラミッドの中の、布でぐるぐる巻きにされたアレ、が思い浮かびますね。実は、日本にもミイラがあるって、ご存じでしたか?
エジプトのミイラは、人が死んだあとに内臓を抜いて防腐処理を施しますが、即身仏はただ土に埋めて掘り出すだけでミイラになってしまいます。
普通なら死体は腐ってしまいますが、日本のミイラの秘密は、生きている間の過酷な断食修行でした。
ミイラになって悟りを開く方法
山形県の庄内地方など、全国に約24体の即身仏が祀られていますが、彼らの修行は想像を絶する辛さだったようです。
即身仏になることができるのは生前に善行を積み、尊敬される僧侶だけでした。天変地異で飢えた人々を救うために、この世の苦悩を背負って念仏往生、つまりお経を唱えながら亡くなったということです。
最初に、「木食修行」(もくじきしゅぎょう)と言って、食事を木の皮や木の実に切り替え 、お経を読んだり瞑想をしたりします。すると、人の体で最も腐りやすい志望が燃焼され、次に筋肉が糖に分解されてエネルギーになり、骨と皮に近づいていきます。
また、毒になるウルシや、微量のヒ素が含まれた湧き水などを飲み、生きている間に自らの体に防腐処理を施していきました。
次に、「土中入定」(どちゅうにゅうじょう)という土の中の修行に移ります。地下の石室に入り、ここからは完全に飲まず食わずの断食 となります。
地上につながるのは、竹筒の小さな空気穴だけ。行者は命が絶えるまでお経を唱えながら鈴を鳴らします。音が途絶えたら息が絶えた合図です。
鈴の音が止むと、一旦掘り起こされ、また埋められ、1000日後に再び掘り起こすとミイラになっているのだそうです。
ちゃんとミイラにならず死体が腐敗してしまう人や、埋められたまま放置されてしまったケースもあったと言われています。
真っ暗な穴の中で飲まず食わず、お経を読み続ける精神力はすごいですね!
なお、現在では即身仏の修行は「自殺」とみなされて禁止となっています。絶対に真似しないでくださいね。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。管理人の佐藤想一郎と申します。
私が執筆しました、レポート『Cycle(サイクル)』では、今まであまり語られることのなかった〝引き寄せの法則の、もう1つの側面〟について書いています。
・「ワクワク」のダークサイド(暗黒面)とは
・9割の人が見落とす〝引き寄せられない〟根本原因
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といったことにも触れています。
よろしければ読んでみてくださいね。
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